「第1回 ニッポン移住者アワード」で、「選考委員特別賞」を受賞した養蜂業の橋澤義憲さんをはじめ、千葉県長生村に移住した3人をご紹介。仕事を見つめ直したり、新たなチャレンジをしたり。長生村の豊かな環境が、幸せなライフスタイルをあと押しています。
自然環境を生かして養蜂業をスタート。地域との交流も大きな喜びに
長生村は、日本最大級の砂浜海岸、九十九里浜に面する千葉県唯一の村。東京へのアクセスもよく、平日は都心で仕事、週末はサーフィンというライフスタイルも可能です。
子育て環境を充実させながら、地域の風土を生かし養蜂に取り組む姿勢が評価され、「選考委員特別賞」を受賞した橋澤義憲さん。長年、農業分野の技術コンサルタントとして活躍し、2019年に子どもが生まれるタイミングで「自然豊かな環境で子育てがしたい」と、東京から長生村へ移住しました。
都心や羽田・成田空港に行きやすいことも長生村を選んだ理由のひとつでしたが、2020年からコロナ禍に突入。海外を飛び回る仕事のスタイルを見直し、「家族との時間を充実させながら、より自分らしい仕事を」と夫婦で養蜂を始めることに。大学との研究協力や加工品の開発も行い、「養蜂を通して地域のさまざまな人たちとの交流が増えたことも喜びです」と話します。
2024年には、はちみつとハーブの専門店を開業。環境保全活動や環境教育にも取り組み、小・中学校での出前授業や体験授業に協力するなど、専門性を生かして地域に貢献しています。
長生村では、WEBサイト「LONG and LIVE」などで地域の魅力を発信するほか、結婚新生活支援事業や多世代住宅支援事業補助金、通学定期購入費補助金など、移住定住に向けた施策を実施。地域と行政が協力しながら、移住者と在住者をつなぐ場づくりにも取り組んでいます。
ダンスやMCの豊富な経験を生かし、地域の盛り上げ役に
ダンサーとして長く活動し、移住前は千葉市でイベントバーを経営していた細山田水星さん。妻の実家とダンスの活動拠点、どちらにも近いという理由で、長生村への移住を決意しました。
2016年に移住し、自然豊かで夜は美しい星空が広がる長生村の暮らしを満喫。そのなかで、地域に貢献したい思いが生まれていったそう。
2023年に長生村最大のイベント「長生村ながいきフェスタ」で、ダンススクールの子どもたちとステージイベントに出演。2024年にはイベントのメインMCを担当し、会場を大いに沸かせました。「自分自身の特技とパーソナリティを生かしてより地域に溶け込み、子どもも大人も笑顔がいっぱいの長生村にしていきたい」と意欲を語ります。
メキシコと同じ大きな空の下で。子育てとレストラン経営に取り組む日々
東京での会社勤めを経てメキシコに移住後、オアハカ市で7年間、タコ焼き店を経営していた竹下幸子さん。子どもが小学校に上がる時期を迎え、帰国を決意したときに移住先に選んだのが長生村でした。
「温暖な気候と、さえぎるものがない大きく開けた空が大好きなオアハカと共通。穏やかで温かな地元の人たちも、移住の不安を取りのぞいてくれました」(竹下さん)
2023年12月、長生村に住まいを構え、2024年7月に「タコス屋サチータ」をオープン。海辺の店で地元の新鮮野菜や魚介類を中心に、手づくりのメキシコ料理を提供しています。
「長生村で娘は健やかに育ち、しっかり勉強に打ち込めています」と話す竹下さん。メキシコ時代からのコンセプト「日本とメキシコの架け橋」を大切に、長生村での豊かな暮らしを紡いでいます。
移住で自分らしい暮らしを実現した人を表彰する「ニッポン移住者アワード」
全国の自治体などからの推薦によって候補者を募集し、移住で理想的な暮らしを実現した人たちを表彰する「ニッポン移住者アワード」。2024年12月に第1回目が行われ、12自治体18組の移住者がエントリーしました。
自己実現・家族の幸せ・地域貢献・コミュニティー活性化・事業立ち上げ・伝統継承・次世代育成など、さまざまな視点で審査され、大賞ほか各部門賞を選考。
同時に各自治体などの取り組みも審査し、移住者や地域の人たちにとって魅力的な移住促進施策を行っている自治体が表彰されました。
<取材・文/カラふる編集部>