ラベンダーの見頃は2週間。だけど富良野の夏はいろんな花が楽しめる!

1年前に札幌に移住したばかりのkanaさんは、移住と同時に最盛期を迎えた富良野のラベンダー畑が、北海道でいちばん行きたかった場所。外出規制が解除されたら訪ねてほしい、7月中旬の限られた時期にしか見られない魅力を紹介します。

ラベンダーが楽しめるのは7月中旬2週間だけ

ラベンダー畑

 長い冬を終えやってきた北海道のベストシーズン。 そんなさわやかな夏の始まりを告げるのがラベンダーです。どこまでも青くて広い空に、ラベンダーの美しい薄紫色が広がる、このもっとも北海道らしい景観が見られるのは、札幌から車で2時間強の富良野。満開のラベンダー畑を楽しめるのは1年の内で7月の中旬からたった約2週間と、案外短いのです。

 北海道にラベンダーがもたらされたのは昭和12年、ラベンダーの名産地として有名な南フランスの会社から種子を購入したことがきっかけでした。当初は香料の原材料として輸入され、その後、戦争や人工香料の発展により、ラベンダー栽培が危機に瀕したこともありましたが、その景観の美しさにあと押しされ、再び栽培が行われるようになりました。

 現在の北海道には3種類のラベンダーが植えられており、よく見てみるとそれぞれ種類が微妙に違うことが分かります。日本でおもに栽培されているのは真正ラベンダーという種類ですが、スパイクラベンダー、ラバンジンという種類も。草ではなく木に分類されるラベンダーは、枝をしっかりと見てみると木のようにごつごつとしていることが分かります。

太っ腹な富良野のラベンダー畑

ラベンダーの寄り

 富良野に行ったことがなければ「ラベンダーがそこらじゅうに畑のように広がっているのかな~」と想像するかもしれませんが、実際はそれぞれ団体が営む農園に入場して景観を楽しむ形です。

 多数のラベンダー農園のなかでも、有名なのは「ファーム富田」。入場料と、なんと駐車場まで無料です。ラベンダーを栽培し、精油やポプリとして商品を製作・販売しているとはいえ、無料でこの絶景を公開しちゃうって、信じられない太っ腹具合です。

 入園したと同時に目に飛び込んでくるのは、薄紫のラベンダー畑。もともと香料として栽培されるハーブの1種ということもあり、ラベンダーのいい香りがあちこちから漂ってきます。

ラベンダー以外にも色とりどりの花が

 初めて富良野に訪れた筆者が驚いたのは、農園ではラベンダーだけでなく、白や赤、黄色の色鮮やかな花々が植えられていて、まるで絵を描いているような情景が楽しめたことです。

 てっきり紫色の花だけなのだと思っていたら実際はまったく違ったのです。北海道ならではの土地の広さ、空の広さも相まって、日本ではここでしかみられない絶景です。

常に花があふれる富良野町

ラベンダー以外の花々も

 富良野町では町をあげて色とりどりの花々が植えられていて、時期をずらして満開をむかえるように設計されています。観光客がラベンダー以外の時期に富良野町を訪れても楽しめるように工夫がされているのですね。

 上述の「ファーム富田」はインターネット上で「ファーム日誌」なる開花状況を教えてくれるサービスもあるので、出発前に目を通してみるとより楽しめるかもしれません。

 1年のうち、約2週間しかないラベンダーの満開期間。それぞれ早咲きと遅咲きを別々に植えて工夫されてはいますが、見られる機会はそんなに多くありません。

 さわやかな空気と共に楽しむ北海道の絶景。今は遠方に出かけるのは控えたいですが、すてきなホテルや温泉、近隣の超有名観光スポットなど、楽しみ方はたくさん。早くコロナ禍が収束して、1人でも多くの方にこの絶景を楽しんでいただけることを心待ちにしています。

<取材・文/Kana>

Kana
元CAとして4か国に計12年在住・海外108か国を訪問。休みの日を見つけるとすぐに旅に出てしまう根っからの旅・グルメ・カメラ好き。結婚と同時に札幌市に移住。グルメ大好きな医師の夫と共においしいレストランを開拓するのが週末の楽しみ。