車内はキンメダイだらけ。伊豆急の「キンメ電車」に乗ってみた

[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第28回:大下佳菜アナ(静岡県)]

全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化など地方の魅力をお届け。今回は、NHK静岡放送局でキャスターを務めていた大下佳菜アナが静岡県の「キンメ電車」をレポートします。

伊豆半島を走るキンメダイの電車

赤が映える走る様子

 伊豆半島の東海岸を走る真っ赤な車両、伊豆急行リゾート21「キンメ電車」は、地域の特産品であるキンメダイをPRしようと生まれた人気のリゾート列車。移動手段ではなく、旅行の目的となるような電車をつくり、乗ってもらいたい、そしてキンメダイについて知ってもらいたいと2017年に運行を開始しました。

 熱海駅から伊豆急下田駅間の約46kmを走ります。予約も特別料金も不要で、普通料金で楽しむことができるのはうれしいポイント。今年6月に内装と外装がリニューアルされ、あらためて注目されています。

車体の色に注目!キンメダイのおなかは銀色

真っ赤な車両のキンメ電車

 特徴はなんといってもまぶしいほどの赤い車体。海、山を走っていてもとても映えます。車体は赤いだけではありません、下の方をよく見てみてください。シルバーグレーのグラデーションが施されています。

車体下はシルバーグレーのグラデーション

 キンメダイは赤い魚というイメージをもっている方が多いと思いますが、泳いでいるときはおなかの部分が銀色。刺激を与えたり、死んだりすると、中の細胞が破裂して赤くなるといわれています。漁師の方に聞くと、釣りたては体の半分が銀色になっているそうです。

キンメダイ

 キンメダイが水揚げされる東伊豆町の稲取地区では、「ぎんでえ」と呼ばれています。ぎんでえは、新鮮なキンメダイの証だそうです。だからキンメ電車も赤とシルバーのグラデーションになっていたんですね。

「隠れキンメ」を探して移動時間を楽しむ

車内で泳ぐキンメ

 山間を進むことからトンネルが多い伊豆急行。そんななかでも時間があっという間に過ぎてしまう仕かけがたくさん用意されています。まずは、あちらこちらにあしらわれているキンメダイ。窓や床、天井などまるで海の中を泳いでいるようです。座席にもキンメダイのイラストが入っていますよ。

 さらに7両編成のキンメ電車は伊豆急行沿線の6つの市と町をPRしています。1号車は南伊豆町、2号車は下田市、3号車はキンメダイ博物館。キンメダイの生態や歴史を知ることができるパネルが飾られています。4号車は河津町、5号車は東伊豆町、6号車は伊東市、7号車は熱海市。地域の魅力を知り、次回の旅先が見つかるかもしれません。

 私のおすすめは、「隠れキンメ」を探すこと! 目がハートになったキンメダイがどこかに隠れています。3匹しかいないということなので、くまなく探してみてくださいね。

ハートキンメ

 見て、乗って、撮って、探して、会話も弾むキンメ電車です。伊豆をつなぐ存在になっています。

<取材・文・撮影/大下佳菜(地方創生女子アナ47)>

大下佳菜アナ
静岡県磐田市出身。NHK長野放送局、NHK静岡放送局でキャスターを9年務める。各地を訪ね歩き魅力を探して伝えるコーナーを担当。旅・グルメ・体験リポートが得意で「恋をするように取材をする」がモットー。現在は1歳児の育児に奮闘しながらイベント司会やリポーターとして活動している

[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第28回:大下佳菜(静岡県)]

地方創生女子アナ47
47都道府県の地方局出身女子アナウンサーの団体。現在100名以上が登録し、女子アナの特徴を生かした取材力と、個性あふれるさまざまな角度から地方の魅力を全国にPRしている。地方創生女子アナ47公式サイト