旅行は、意外性のある場所やコースプランに出会えばより楽しくなるもの。福井市の観光情報サイト「福いろ」には、AIが旅行プランを提案してくれる機能を搭載。旅がより新鮮に、より楽しくなる新機能を試してみました。
「観光客がイメージする福井」の魅力を発信する「福いろ」
「福いろ」は福井市が2020年リニューアルした公式観光情報サイトです。トップページには美しい観光スポットの写真が大きく映し出され、定期的に更新される特集記事をはじめ、体験プランや飲食店、宿泊施設などの情報も豊富。インスタグラムとも連動され、デザイン性の高さもコンテンツの充実度もぐんとアップ。従来の自治体のウエブサイトとはちょっと違います。
また、福井市だけではなく、福井県嶺北(福井市を含む県北部7市4町)までをカバーし、行政の枠ではなく、「観光客のイメージする福井」でサイトを構築しているも大きな変更点です。
なかでも注目なのが、条件や好みに合わせてAIが旅行プランを作成してくれる「AIルートプランナー」の機能です。曜日や観光時間、交通手段などの基本情報を入れ、「穴場好き/有名好き、静けさ重視/賑わい重視、SNS映え/内容重視、大人向け/子供向け」のスケールなどから選択すると、ルートが表示される仕組みです。新型コロナ対策として、通常プランと三密回避プランから選べるのもうれしい工夫です。
「AIルートプランナー」を実際に使ってみた
実際に、旅行プランを作成してみました。選んだ条件は
・出発地点はJR福井駅
・観光時間は6時間
・車を使用
また、新型コロナ対策として三密回避プランを選択し、「有名好き重視、静けさやや重視、SNS映え重視、大人向けやや重視」に。
「コース」をタップすると、「JR福井駅~養浩館庭園~一乗谷朝倉氏遺跡~芝政ワールド~東尋坊~旧森田銀行本店」のルートが完成!
養浩館庭園は、福井駅から車で4分の場所にある名勝。徒歩圏内に福井城址や福井市立郷土歴史博物館があり、普通に検索すればこれらに立ち寄っていそうですが、AIの水先案内で約10km先の一乗谷朝倉氏遺跡へ。さらに日本海側に移動し、カラフルなテーマパークと切り立った岩壁が迫力の東尋坊というそれぞれにフォトジェックな場所へ。
最後の旧森田銀行本店は、観光スポットとしては地味ですが、大正時代の西洋建築様式の建物は重厚かつ華麗で、建築や美術のタグをつけてインスタなどで共有すれば、話題になりそう。これは楽しい!
「AIは、地元の人でも納得する場所を中心に、地元民ならこういうところも案内したい、というような場所が出てくるように調整を工夫しました。定型的なモデルコースだけではなく、利用者の方が能動的にアクションし、占いのような感覚で自分にあった観光地探しを楽しんでいただくことができます」(福井市おもてなし観光推進課 出蔵さん)
各スポットの滞在時間の目安、次のスポットへの移動時間も表示され、グーグルマップ上のルートもリンク。作成されたルートはマイプランとして保存でき、タップでいつでも呼び出せます。旅行前に作成し、当日「やっぱり静かなところに行きたい気分」となったら、作成しなおすのも簡単です。
ほかにもおすすめのモデルコースから選べたり、観光地を検索すると近くのおすすめスポットが提示されたりする機能も。体験スポットや宿泊施設は外部サイトに連動しているので予約も簡単です。「福いろ」で福井の旅が楽しくなること請け合いです!
取材協力/福井市おもてなし観光推進課
取材・文/土倉朋子