仙台のワイナリーが地元食材とワインを楽しめるセミナーを開催

東北の食と酒を産地で味わう、新しい観光と食の形を提案するプロジェクト「テロワージュ東北」。食・人・風土を組み合わせた、さまざまな体験が可能なツアーや情報を発信しています。今回は、酒蔵見学やワインセミナーを開催する、宮城県仙台市の「秋保ワイナリー」をご紹介。

東北発のツーリズム「東北・美酒と食のテロワージュ」

東北美酒と食のテロワージュ
地産地消のワークショップが楽しめる

 テロワージュとは、気候風土と人の営みを表す「テロワール」と、食と酒のペアリング、結婚を意味する「マリアージュ」をかけ合わせた造語で、ウェブサイト「東北・美酒と食のテロワージュ」では、東北のお酒とグルメが楽しめる体験・ツアーを展開。仙台発着のバスツアーをはじめ、現地でのツアーや体験、イベントなどバリエーション豊か。季節やシーンに合わせた旅や体験を選ぶことができます。

「酒蔵見学やフルーツの収穫体験など、さまざまなワークショップも開催されています。今後、宿泊ツアーなども充実させていきますので、公式サイトからチェックしてみてください」(テロワージュ東北設立準備委員会 事務局 大津 京さん)

 自然豊かな東北は、「産地との近さ」も魅力です。収穫したものをその場で食べたり、収穫したての食材をシェフが調理してくれるなど、産地ならではのおいしさが詰まった体験が企画されています。

「秋保ワイナリー」でワインと地元食材を堪能

秋保ワイナリーイメージ
秋保ワイナリー・仙台秋保醸造所

 仙台駅から車で約30分、秋保温泉郷にある「秋保ワイナリー」。西から東へ、奥羽山脈からの風が吹き抜ける気候が、ブドウの栽培に適した秋保。敷地面積2haの土地に、約7000本のブドウを栽培しています。自社製品のワインの販売だけでなく、日中はカフェとしても営業。天気のいい日にはオープンテラスで、ワイングラスを片手に地産地消の軽食を楽しむことができます。

代表の毛利氏
「秋保ワイナリー」の代表・毛利親房氏

「テロワージュ」を提唱したのが、「秋保ワイナリー」の代表・毛利親房さんです。2015年にワイナリーをオープンするきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災。東北全体の農業・漁業・畜産業・酒造業など各分野で自らの仕事に邁進している人々をつなぎ、支援し、東北を盛り上げていきたいという思いから事業をスタート。「この地を訪れ、五感で楽しんでもらいたい」と、ワイナリーの運営のほかさまざまな活動を続けています。

ワインと地元食材を楽しむ「ワインセミナー」を開催

秋保ワイン
自社製品のワインを販売

 9~10月頃にブドウを収穫し、醸造を行う「秋保ワイナリー」。ショップ営業中は、窓越しにワインの醸造工程を見学することができます。ショップでは、自社で醸造したワイン、シードルのほか、地元食材にこだわったワインに合う食品も販売。併設するカフェでは、小グラス200円からワインを味わうことができます。

ワインセミナー
ワインと地元食材のマリアージュを

「東北・美酒と食のテロワージュ」のWEBサイトに掲載されている「秋保ワイナリー ワインセミナー」では、ワイナリー見学や自社醸造されたワインの詳しい紹介、ワインと地域食材のマリアージュを楽しめます。ブドウ畑を散策しながら育て方の話を聞いたり、畑を眺めながらワインとおつまみを味わったりと「テロワージュ」が体感できるセミナーです。開催日は火曜日を除く平日で、約90分、1名4000円。
 仙台を訪ねたら、ぜひ体験してほしいイベントです。

秋保ワイナリー/仙台秋保醸造所
宮城県仙台市太白区秋保町湯元枇杷原西6
TEL: 022-226-7475

取材協力/テロワージュ東北設立準備委員会 事務局

取材・文/寺川尚美