能登半島の中央に位置し、波静かな七尾湾に面した石川県の和倉温泉。開湯1200年を誇る北陸の名湯に浸かったら、人気観光スポットの青林寺で坐禅が写経体験を。皇室ゆかりの歴史的建築物「御便殿(ごべんでん)」の拝観とともに、心と体をリフレッシュしましょう。
和倉温泉の青林寺で心と体のリカバリーを
穏やかな海と歴史の街・七尾市。なかでも和倉温泉は開湯1200年を誇る北陸の名湯で、湯脈が海中にあることから北陸随一の「海の温泉」としても知られています。金沢駅から電車で約1時間とアクセスがよく、穏やかな海をのぞむ湯街で、能登の里山里海が育んだ旬の味覚が年間をとおして堪能できるのも魅力です。
そんな温泉地にあるのが、SNS映えするスポットとして有名な「白巖山 青林寺(はくがんざん せいりんじ)」。明治42(1909)年に東宮殿下(後の大正天皇)が、地方に出向かれたときの休憩所として建てられた「御便殿」は人気の観光スポットで、2017年には国登録有形文化財に登録。和倉温泉と島根県浜田市の2つしか残されていない貴重な建築物です。
七尾湾が一望できる白崎山の中腹から昭和51(1976)年に近隣の青林寺に移築された御便殿。青林寺には寝殿風総檜造りの本殿が、信行寺には本殿と分かれた控え室が移築されました。青林寺の御便殿は、大きく設えられた窓枠が特徴で、自然豊かな寺と庭が一望できます。もちろん希望すれば誰でも見学は可能。静謐な空気が漂う御便殿で、歴史とロマンに思いを馳せて。
由緒ある空間で写経・坐禅体験
青林寺では、写経か坐禅を体験することができます。本来、先祖供養のために行われていた写経は、現在では脳トレ効果があると言われています。また坐禅は、精神統一することで体にいいとされています。
体験は毎日6時から18時の間で、各約60分(法要時・お盆・年末年始など対応できない場合あり)。最少催行人員は2人で、料金は1人1500円(坐禅or写経体験料・御朱印料・拝観料・わくたまくんタオルつき)。住職の案内で御便殿の拝観もできます。ご休息場所として使用された和室の造りはとくに豪華。その天井は最も格式の高い「折上格天井(おりあげごうてんじょう)」で仕立てられているので、じっくり眺めてみてください。
ライトアップした青林寺・御便殿で幻想的な世界へ
写真スポットとしても注目を集める青林寺の御便殿。ライトアップされた庭の風景が客殿の座卓に映り込み、まるで水鏡のよう。「ここから眺める紅葉は見事で、見頃は例年11月中旬から12月中旬頃。タイミングがよければ、雪景色した景色も楽しめます」(和倉温泉観光協会 毛利光歩さん)。
また冬季は、和倉温泉宿泊者対象に、「ライトアップ&贅沢ティータイム」を開催しています。2022年1月8日から2月26日間の毎週土曜日、第1部17:00から、第2部18:00から。ライトアップとともに、能登半島で栽培している希少価値の高い和紅茶「いやひめ」と、七尾銘菓子「ながまし」のおもてなしに心がほぐれます。所要時間は約60分、定員20名、料金1500円(税込)で、こちらも下記の和倉温泉観光協会まで予約が必須。
■白巖山 青林寺
石川県七尾市和倉町レ部61
TEL: 0767-62-2836
■和倉温泉観光協会
TEL: 0767-62-1555
「坐禅or 写経体験」の予約は、5日前まで受付
「ライトアップ&贅沢ティータイム」の予約は、前日16:00まで受付
取材協力/和倉温泉観光協会
<取材・文>寺川尚美