ビタミンたっぷりのシークヮーサー。収穫体験後キャンプもできます

実りの秋到来。温暖な沖縄にも、旬を感じる収穫シーズンがやってきました。今回は、野菜ソムリエ、アスリートフードマイスターなど食に関する資格を持つ津波真澄さんが、自然を満喫できるシークヮーサー収穫体験をご紹介します。

ビタミン・ミネラルが豊富。緑の宝石「シークヮーサー」

シークヮーサー

 沖縄県北部で盛んに栽培されているミカン科のかんきつ類「シークヮーサー」。名前の由来は沖縄の言葉で「シー(酸っぱい)」「クヮーサー(食べさせる)」。和名では「ヒラミレモン」と呼ばれています。

 さわやかな酸味が魅力のシークヮーサーは、ビタミン・ミネラルが豊富で、中でも「ノビレチン」や「タンゲレチン」といった機能性成分の健康効果の研究が進み、注目を浴びています。それらの機能性成分がより多く含まれるのは、完熟前の青切りシークヮーサー。11月までは、この青切りの収穫体験ができるということで、「シークヮーサーの里・勝山」に行ってきました。

名護市の農園でつくられる無農薬のシークヮーサー

農園

 今回訪れた嘉津宇岳(かつうだけ)は県の北部、名護市勝山地区にあります。こちらの農園では、基本的に無農薬で栽培されているので子どもにも安心です。

 農園に到着したら、軍手と収穫した実を入れるためのビニール袋を受け取り、いざ出発。受付場所から歩いて数分で、たわわに実をつけたシークヮーサーの木が両側に現れます。農園には約200本の木があるそうです。

収穫体験

 園主でガイドも務める山川敬さんから実のもぎ方を教わり、早速収穫開始。収穫中も、シークヮーサーにまつわるさまざまなミニ知識を教えてくれるので勉強にもなります。

ガイド
園主兼ガイドの山川さん

 たとえば「植えてから実が収穫できるまで9年必要なので、沖縄では柑橘類全般を『九年母(くねんぼ)』と呼び、シークヮーサーもその一種である」とか、「今は未熟の青切り果実で酸っぱいけれど、完熟させたものは黄金(クガニ)と呼び、ミカンのように食べられる」など。話に耳を傾けながら楽しく収穫を進めると、ものの30分でビニール袋がいっぱいに!

収穫体験後はキャンプ場でひと休み

キャンプ場

 農園の隣には「BASE CAMP」というキャンプ場があります。元バーテンダーの山川さんは、バーを備えたキャンプ場を整備中です。

休憩場所
休憩場所ではビールやジュースなどを用意

「選べるドリンクつき収穫体験プラン」を申し込むと、シークヮーサー入りのビール、シークヮーサージュース、かき氷などから1つ選ぶことができます。休憩場所でちょっとひと休み。バーテンダー時代に考案したカクテルを再現したかき氷をいただきました。

かき氷

 訪れた日はとても暑かったので少し溶けてしまっていますが、色のコントラストが美しいカラフルなかき氷は、すっきりとした甘さで、収穫で汗をかいたカラダにおいしく染み入ります(アルコールは含まれていません)。

ビール

 同じ名護市内にあるビール醸造会社「オリオンビール」と山川さんが共同開発した『75BEER(ナゴビール)』には、勝山のシークヮーサーが入った『75BEER IPA』やマンゴー果汁を使用したバージョンもあります。キャンプも兼ねて訪れて、各種飲み比べも楽しそうです。

オーナー制度も企画。家族で楽しめる施設に

収穫したシークヮーサー

 農園でシークヮーサー収穫体験を始めた理由は、シークヮーサー農家で育った山川さん自身が子どもの頃から畑を手伝って来たように、子や孫の代まで、名護の素晴らしい農産物を伝えていきたいからだそうです。そんな思いから、シークヮーサーのオーナー制度も企画。1本の木を年間契約で購入すると、日々の世話は任せっきりでOK。実が成ったら収穫に訪れるだけです。

「家族で収穫を楽しんでほしい。年間契約料金以上の実が収穫できますよ」(山川さん)。県外の方には、時間の許す限り代わりに収穫し、送料別で送ることも可能とか。なんともうれしいサービスです。

遊具

 またキャンプ場には、子どもたちが遊べるように、手づくりで遊具を設置中。こちらのキャンプ場は、グランピング施設にすることも考えているそうです。

ハンモック

 ハンモックでのんびりと、自然の風を感じたり、セミの鳴き声(沖縄県北部では一年中セミが鳴いています)に聞き入ったりしながら、お昼寝も気持ちよさそう。

名護の海
キャンプ場から臨む名護の青い海

 沖縄在住の方も、県外在住の方も、沖縄ならではの果実収穫、そして自然を満喫しに勝山を訪れてみてはいかがでしょうか。

【シークヮーサー収穫体験】
◆予約:電話(山川さん) 090-1948-1522 または、Facebook のDM

<取材・文>津波真澄

津波真澄さん
広島県出身、那覇市在住。外資系企業などに勤務し、海外でも生活。10年ほど前に沖縄に移住。野菜ソムリエ上級プロ、アスリートフードマイスター1級、インナービューティープランナーほか、食に関する資格を持ち、「沖縄」「環境」「食」の知識や経験をもとに、料理教室を主催し、企業やメディアからの依頼でレシピ開発やメニュー監修をするほか、通訳や講演・執筆活動も行っている。美と健康の知識を要するミセスジャパン2019世界大会で第4位(2nd Runner-up)を受賞