持続可能なものづくりイベントで 福井の伝統技術を体験

漆器や眼鏡和紙など、多様なものづくりで知られる福井県丹南エリア。この地域で2015年から毎年開催されているのが、福井のものづくりの祭典「RENEW」です。ものづくりが身近に感じられるイベントの魅力についてご紹介します。

職人の技が見られる、年に1回のチャンス!

工房見学イベントRENEW
“見て・知って・体験する”作り手たちと繋がる体験型マーケット「RENEW」

「RENEW(リニュー)」は、福井県鯖江市・越前市・越前町で開催される、持続可能な地域づくりを目指した工房見学イベント。2022年3月に行われる祭典では、越前漆器・越前和紙・越前打刃物・越前箪笥・越前焼・眼鏡・繊維の7産業を中心に、85以上の工房・企業が参加。工房見学やワークショップをとおして、つくり手の思いや背景を知り、技術を体験することもできます。

鯖江の工房
眼鏡の産地、鯖江の工房も潜入できる

 イベントの目玉となる工房見学は、60を超えるものづくり企業が参加する予定。「7産業の企業が半径10km圏内に集結しているので、車や公共交通機関、自転車の移動で、1日に何か所も巡ることができます。河和田(越前漆器)や今立(越前和紙)など、企業が密集しており、歩いて回っても見ることができますよ」と、RENEW事務局の深治遼也さん。

お椀の専門店 漆琳堂
越前漆器製造・販売するお椀の専門店「漆琳堂」

 職人と近い距離で実際のものづくりを見たり、会話をしたりできる工房見学。実演や商品購入を楽しめるスポットも。見学時間については予約必須の企業もあるのでHPで確認を。

伝統技術を体感できるワークショップも開催

ワークショップ風景
「ファニチャーホリック」でのワークショップ風景

 各出展者が趣向を凝らしたワークショップも楽しみのひとつ。説明を聞きながら、職人が普段使っている道具や材料に触れ、ものづくりの技術を体験できる貴重な機会です。気軽に体験できるものから、本格的なものまでさまざまな内容のワークショップがスタンバイ。越前で、越前箪笥の技術を生かしたオーダーメイドの家具を製作する「ファニチャーホリック」など、地元の伝統技術に魅了されては?

掘り出しものに出合える「RENEWストア」も必見

RENEWストア
期間限定ショップ「RENEWストア」

 鯖江市にあるRENEWの総合案内所「うるしの里会館」では、当日限定のストアを展開。一般には流通しない、工房で出た端材や使わなくなった道具、アウトレット品などをメインに販売します。工房ならではの特殊な素材や、製造の過程で生まれる想像のつかないようなもの、歴史を感じるものなど、工房の香りを感じられるものが多く出展される予定。

「ローカルフード」で福井の食を思う存分に満喫

山うにのランチ
「碗碗」では地元の特産、山うにのランチを

 おいしい食の文化も自慢の福井。ものづくり企業や工房に限らず、地元の人の生活に根づいた食事処もたくさん出展しているので、それぞれの地域の飲食店を巡ってみるのも◎。地元で長く愛される「大吉餅」や、最新モダンパフェで知られる「雲職人ニュアージュ」などバラエティ豊か。「うるしの里会館」でも喫茶「碗碗」のほか、敷地内にキッチンカーなどのフードコートも展開します。

伝統的な屋敷から温泉宿まで宿泊施設も多彩

ジャパンクラフトハウス
日本の伝統的な大屋敷「JAPAN CRAFT HOUSE」

 各地域には宿泊施設も充実。おすすめは、山間にたたずむ宮大工が建てた古民家宿「JAPAN CRAFT HOUSE」。漆塗りが施された館内は伝統工芸が息づく丹南地域らしさ満載。そのほか「農家民宿 ざくろの宿」や露天風呂が人気の「かわだ温泉 ラポーゼかわだ」も要チェックです。

 前回の「Re:RENEW2020」は、3日間の開催で来場者延べ3万2000人を記録し、国内最大級の産業観光イベントに。そして、第7回となる今回は85以上もの工房・企業が参加を表明。満を持して開催されるイベントに期待度が高まります。

■RENEW/2021
日時:2022年3月11日(金)・12日(土)・13日(日)
会場:福井県鯖江市・越前市・越前町全域
総合案内:うるしの里会館(福井県鯖江市西袋町40-1-2)
※新型コロナウイルス感染拡大の状況によっては、現地開催を中止する場合もあります。

取材協力/RENEW事務局
<取材・文>寺川尚美