絶景と越前ガニを堪能できる越前海岸の漁師宿

福井県の越前海岸といえば断崖が雄々しく美しい海岸線、「日本の夕陽百選」に選ばれた越前岬や東尋坊、そしてなにより最高級の「越前ガニ」が有名です。それらすべてを味わえるとっておきの漁師宿を、CA流美容コンサルタントの清水裕美子さんが紹介してくれました。

皇室献上の最高級カニを味わえる漁師宿

岩本屋入口にカニ

「越前ガニ」は福井県で水揚げされたオスのズワイガニのことをいいます。ズワイガニは福井県以外でも広く分布していますが、福井県はカニが育つのに適した漁場と港が近いという好条件に恵まれ、新鮮なカニが市場に並ぶそう。身に厚みがあって脚が長く、みずみずしく甘いのが特徴で、全国で唯一、皇室献上を認められている最高級のカニなのです。

 そんな価値ある「越前ガニ」を思う存分堪能できるのが、越前海岸の海の目の前に構える玉川の宿「岩本屋」。入り口で早速「越前ガニ」がお出迎えしてくれます。4室限定のアットホームな旅館で、食事も個室でいただくため、ほかの宿泊客と顔を合わせることはほとんどなく、安心して寛ぐことができます。

「カニ見10年、ゆで一生」。新鮮な素材を熟練の技術で

カニづくしの夕飯

 宿の夕食では、越前港で水揚げされた越前ガニのみを使用していて、カニの刺身・ゆでガニ・カニしゃぶ・カニ雑炊など、越前ガニの魅力を存分に味わうことができます。

黄色いタグは越前ガニの印

 スタートは、カニの刺身。黄色いタグが越前ガニの証です。まだ少し動いている新鮮な越前ガニをさっと湯通しし、氷水につけてからいただきます。スタッフの方が慣れた手つきで準備してくださいました。

カニの身はさっと湯通し

 なかなかお目にかかることのないカニの刺身は、ゆでガニとは全然違う、ぷりっとしていて、甘エビに近いような食感でした。新鮮なカニだからこそできる食べ方ですよね。

メインの釜揚げ茹で

 メインの釜あげゆでの越前ガニは、1人1杯。約400gもあるそう!夕食の時間に合わせてゆでてくださるので、ゆでたてをいただけます。塩加減も絶妙、越前ガニそのものの味がしっかりしているので、なにもつけなくても最高でした。越前ガニのおいしさを引き立てる釜ゆでの技術も熟練のなせる技。

 昔から福井では「カニ見10年、ゆで一生」(カニのよし悪しを見分けるには10年かかるが、おいしくゆでるには一生かかる)と言われているほど、カニをおいしくゆでるには高度な技術と経験がいるそうです。

カニしゃぶ

 生きたカニならではのカニしゃぶは、だしにくぐらせると花が咲くように身が開き、ポン酢をつけていただきます。

カニ雑炊

 そして締めはカニ雑炊。生のカニみそを使用した濃厚な雑炊で、一度食べたら忘れられない味です。4年前に初めて宿泊して以来、夫は毎年「あのカニ雑炊の味が忘れられない」と言っていたほどです。

カニ以外にも新鮮な海の幸

 このほかにも、お造りや梅貝の煮つけ、煮魚、天ぷらなど、新鮮な海の幸をたっぷり堪能できます。

夕陽百選の絶景を、源泉100%美肌の湯から一望

秘湯からの夕日

 岩本屋のもうひとつの目玉が天然温泉。源泉100%の天然温泉は、じつは福井県でもあまり知られていない秘湯だそう。温泉につかりながら夕陽百選に輝いた日本海の絶景を眺められるなんて、このうえなくぜいたくですよね。

楽天トラベルジャパニーズスタイルホテルアワード2020」も受賞

 玉川の宿「岩本屋」は、「楽天トラベルゴールドアワード2020」、「楽天トラベルジャパニーズスタイルホテルアワード2020」も受賞しています。スタッフはとても親切で気さくな方ばかりで、筆者は子連れでの滞在でしたが、快適に過ごすことができました。日本の自然や新鮮な海の幸のすばらしさを全身で感じることができる、ぜひ一度は訪れていただきたいお宿です。

<取材・文・撮影/清水裕美子>

清水裕美子
CA流美容コンサルタント。1000人以上のCAネットワークから情報を発信するサイト「CA Media」を運営。また自分らしいライフスタイルをクリエイトするCA起業家コミュニティ「CA Lifestyle Creations」を主宰。著書に「キャビンアテンダント5000人の24時間美しさが持続するきれいの手抜き」(青春出版社)、「ファーストクラスCAの心をつかんだ マナーを超えた「気くばり」」(青春出版社)がある