石川県の南東、金沢市の隣に位置する白山市は「日本ジオパーク」に認定された自然豊かなエリア。今回は、白山神社の総本宮・白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)や、深く美しい手取峡谷など、自然と神秘を感じるスポットを巡る旅をご紹介します。
霊峰白山と日本海に囲まれた自然美を体感
古くから神の住む山と崇められてきた標高2702mの霊峰白山と、白山を源に日本海へと流れる手取川。壮大な地形が生み出した「白山手取川ジオパーク」は、パワーをもらえるスポットとして近年注目に。今回は鶴来駅を起点に、白山の麓にある白峰方面へ旅します。
北陸鉄道石川線の終点・鶴来駅周辺から「道の駅瀬女(せな)」までは、自転車専用道路「手取キャニオンロード」(約20km)が完備され、爽快なサイクリングが楽しめます。沿線には、手取峡谷の絶景をはじめ、山間の河岸段丘面に広がる水田、春は桜並木など立ち寄りポイントが満載。鶴来駅正面の白山市観光連盟(白山市役所鶴来支所1階)に、「白山GOレンタサイクル」があるのでチェックしてみましょう。
北陸最大級と言われるパワースポットへ
鶴来駅からバスで10分ほど、全国に約3000社ある白山神社の総本宮・白山比咩神社は、北陸最大級のパワースポットとして人気。杉やヒノキに覆われた神秘的な表参道では、樹齢800年以上といわれる御神木をお見逃しなく。荘厳な佇まいの総本宮。御祭神・白山比咩大神は、またの名を菊理媛神(くくりひめのかみ)といい、ご縁を「くくる」神といわれます。
参拝を終えたら、表参道にある「いっぷく処 おはぎ屋」でソフトクリームを。人気の「おはぎソフトクリーム」をはじめ、きなこや黒ゴマなどを練り込んだソフトクリームが数種類。お昼には、そばや「おはぎ屋定食」が人気。御神水で炊かれた米でつくられた笹ずしは、手土産に喜ばれています。
「ジオパーク」を体感できる手取峡谷
ぜひ立ち寄りたいのが、急流手取川の流れが岩盤を削りできた手取峡谷。釜清水(黄門橋)から河原山(対山橋)まで約8kmに渡り、高さ20~30mもの絶壁が続きます。おすすめのビュースポットは、不老橋と黄門橋。新緑や紅葉の時期はもちろん、雪景色も美しい。
不老橋の少し先にあるのが、落差32mの綿ヶ滝(わたがたき)。まるで綿をちぎって落としたように流れる落ちる滝は迫力満点。遊歩道を150mほど歩いたところにある展望台からは、手取峡谷と綿ヶ滝を見下ろすことができるのでチェックしてみて。※綿ヶ滝の滝まで降りる階段は、2022年7月末(予定)まで工事のため通行禁止です。
絹肌を生む美人の湯でツルツルに
活火山である白山の周辺には、いくつも源泉が湧き出ています。なかでもおすすめは、重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている白峰地区にある白峰温泉。その中心部にあるのが日帰り温泉施設「白峰温泉総湯」。湯上りの肌がスベスベになることで、「絹肌の湯」とも言われているそう。湯舟は、檜露天風呂、岩露天風呂、大きな窓を備えた大浴場などがあり、山里の落ち着いた雰囲気のなかでゆっくり過ごせます。
1日1組限定の宿でゆっくり過ごす
旅の思い出に1泊するなら、「1日1組限定のライフスタイルホテル ルヴァン」へ。ホテルは、原生的な自然が色濃く残る地域でありながら、白山比咩神社や金剱宮からも車で約15分と好ロケーション。客室1つのみの完全プライベート空間には、無垢材家具や、眠りの質にこだわったベッドが配置されています。白山麓の澄んだ空気に包まれた星空に癒されそう。
朝・夕の食事は、イタリアの家具を配した天井高のダイニングで。発酵食メーカーでもある宿が、和洋創作料理でもてなしてくれます。「春は、石川県白山麓で採れたフキノトウ、コシアブラ、タラの芽などの山菜や、庭で栽培する野草・薬草を使った料理が充実します。発酵と白山の幸をお楽しみください」(オーナー・大川 慶さん)。
画像提供・取材協力/(一社)白山市観光連盟、白山手取川ジオパーク推進協議会、ルヴァン
<取材・文>寺川尚美