愛知県の北西部に位置する犬山市。濃尾平野へと流れる木曽川沿いには国宝 犬山城がそそり立ち、江戸時代に栄えた城下町の風情が今も色濃く残っています。とくに春は旅のベストシーズン。現在展開中のキャンペーン「来るたび、発見。犬山の旅」とともに、おすすめスポットを紹介します。
木曽山沿いに建つ犬山城から旅をスタート
旅の拠点となる犬山駅へは、名鉄名古屋駅から快速特急・特急で約25分。周辺には、国宝の犬山城をはじめ、文化史料館、テーマパーク、グルメも楽しめる城下町など、観光スポットが点在しています。
「4月から6月の犬山は、桜、ハナミズキ、青モミジと自然にも恵まれ、緩やかな木曽川の流れを感じながらの遊覧船にもぴったりな季節です。国宝や伝統文化など、今も残る“本物”の価値をぜひ感じていただきたいです」(犬山市観光協会広報担当リーダー 後藤真司さん)
まず訪れたいのが、犬山駅から徒歩で20分ほどにある国宝 犬山城。今から480年ほど前、織田信長の叔父である織田信康によって創建された、現存する日本最古の木造天守です。外観3重、内部4階、地下2階の構造で、木曽川のほとりの小高い山の上に建てられた天守最上階からの眺めは絶景。天気がよいと、木曽御岳や恵那山、濃尾平野、岐阜城、美濃の山々などが一望できます。
また、4月下旬から5月上旬まで、ピンクや白のハナミズキが見頃に。これは、約40年前に第11代犬山城主成瀬正勝夫人により植樹されたもの。犬山城の城郭内に10本、周囲に40本の計50本が美しい花を咲かせます。
木曽川の船上からの景観も堪能
犬山城を堪能したら、近くの犬山城港から約40分の犬山城遊覧船で観光を。木曽川を遊覧中に見える犬山の新緑や目の前に迫る奇岩・怪岩、風格漂う犬山城など見どころがいっぱい。心地よい春風を感じながらのクルーズは、2022年は5月8日(日)まで運行予定。
6月1日(水)から10月15日(土)までは、約1300年の伝統を誇る木曽川鵜飼が楽しめます。国宝 犬山城を背景に、鵜匠の巧みな綱さばきと鵜の妙技を間近で見られるチャンス。昼、夜それぞれのプランがあるのでぜひチェックを。
城郭構造を残した風情ある町を散策
「総構え」と呼ばれる、城と城下町の外周を堀で囲い込んだ城郭構造をそのまま残した犬山城下町。犬山祭に使用される車山を収めた車山蔵、旧磯部邸など古い町家やお屋敷、古刹や巨木などを眺めながら散策しよう。田楽やお団子をほおばったり、お土産用におしゃれな小物や伝統工芸をチェックしたり、レトロな町並みにほっこり。
キャンペーン中の「来るたび、発見。犬山の旅」では、着付け体験や勇松絞り体験など、着物文化に気軽に触れるプランも実施中。城下町にある店舗で着つけをして巡ればうれしい特典も。
登録有形文化財の建物で本格フレンチを堪能
犬山ならではのごちそうを味わうなら、「フレンチ 奥村邸」がおすすめ。江戸時代に建てられた国の登録有形文化財に登録されている「旧奥村邸」を改装した店内で、箸で食べられるフレンチがいただけます。ランチはオードブルの盛り合わせ、スープ、魚料理、プチデザート、コーヒーがついた「ガルデニア」(3200円・税サ込)など。かつては呉服屋だった格子造りの町屋の造りを活かしたレトロモダンな空間でゆっくりと。
季節の地元食材をふんだんに使用した本格フレンチ。4から6月は、桜鯛、菜花、春キャベツ、ホタルイカ、新タマネギ、イチゴなどを使ったメニューが登場します。
犬山城と木曽川を一望する宿でリラックス
お宿は、大正8(1919)年に創業し、2017年にリニューアルオープンした大人の空間「灯屋 迎帆楼」(あかりやげいはんろう)へ。全10室がスイートルーム、半露天風呂つきのモダンな客室は、日常を忘れてリラックスできます。窓の外には、犬山城と木曽川の眺望が広がり、開放感抜群。
あたたかな灯りに包まれたラウンジでは、本を片手にティータイムを。夕食と朝食は、旬の地元食材を使った会席料理を個室でどうぞ。
犬山城の麓から湧き出る犬山温泉も魅力のひとつ。「犬山城」の別名、白帝城にちなんで名づけられた「白帝の湯」は各客室のほか、貸切風呂も利用可能。夕暮れには伊木山に沈む夕日を、夜はライトアップされた幻想的な犬山城を。霧に包まれた早朝の犬山の景色もすてきです。
2022年3月1日から8月31日まで「来るたび、発見。犬山の旅 春夏版」を開催中。春の景色を堪能する犬山城遊覧船や、抽選で犬山温泉「灯屋 迎帆楼」のペア宿泊券などが当たるデジタルスタンプラリーなど、イベントを多数展開しています。旅の予定を立てる際は公式HP、犬山観光協会公式サイト「犬山観光情報」のチェックをお忘れなく。
※犬山遊覧船へのお問い合わせ/木曽川観光株式会社 TEL0568-61-0057
取材協力・写真提供/犬山市観光協会、フレンチ奥村邸、灯屋 迎帆楼
<取材・文>寺川尚美