パワースポットも地魚も堪能できる。福井県敦賀のまちなか散策

日本海に面する港町として、古くから大陸との玄関口として栄えてきた福井県・敦賀。パワースポットとして人気の氣比神宮をはじめ、気比の松原や、和と西洋の文化が融合した町並み、そして地魚など魅力がいっぱい。2024年春の北陸新幹線開通を前に注目が集まる敦賀のまちなか散策をご案内。

周遊バスやサイクリングで効率よく巡れる

気比の松原
白砂青松のコントラストが印象的な気比の松原

 新幹線を利用すれば、東京駅から約2時間40分、名古屋駅からは約50分で到着できるJR敦賀駅。2024年春の北陸新幹線開通により30分も短縮。敦賀駅からは、「ぐるっと敦賀周遊バス」で主要な観光ポイントを巡ることができます。海風を感じながらのんびりサイクリングしたい人は、「つるがシェアサイクル」を利用するのも手です。

「豊かな自然と新鮮な海の幸が敦賀の自慢です。日本三大松原のひとつである、名勝 気比の松原のほか、日本三大木造大鳥居のひとつがある氣比神宮(けひじんぐう)など歴史探訪も楽しめますよ」(敦賀市観光部観光交流課 前川順紀さん)」

パワースポットとして人気の氣比神宮

大鳥居
国の重要文化財でもある大鳥居

 市民に「けいさん」の愛称で親しまれる氣比神宮へは、敦賀駅から徒歩で約15分。大宝2(702)年の建立と伝えられ、7柱のご祭神をまつる北陸道の総鎮神です。風格漂う朱漆の大鳥居は、奈良県の春日大社、広島県の厳島神社と並ぶ日本三大木造鳥居で、国の重要文化財。高さ約11mあるそう。

長命水
境内には「長命水」と呼ばれる湧き水が

 パワースポットとして知られているのが境内にある「長命水」。まつられた神々の御神徳が宿る神水として1300年以上親しまれるわき水です。石造の亀の口から注がれる水をいただきパワーをチャージしましょう。

和と西洋の文化が融合する町並みを散策

敦賀赤レンガ倉庫
国の登録有形文化財「敦賀赤レンガ倉庫」

 明治から昭和にかけて、ヨーロッパ大陸への玄関口として栄えたことを象徴する建物が残る敦賀。港まち敦賀の歴史を象徴する建築物が、金ヶ崎緑地の南に2棟並んで建つ「赤レンガ倉庫」です。石油貯蔵庫として使用されていた倉庫は、現在、港と鉄道のジオラマとレストランを備えた商業施設に。

 古きよき国際都市敦賀の町並みを再現した全長約27mの「ノスタルジオラマ」を見学したあとは、「赤れんがcafe」で「焼立てチーズタルト」などスイーツとドリンクでひと息。

 周辺には、欧亜国際連絡列車の発着駅だった駅舎を再現した「敦賀鉄道資料館(旧敦賀港駅舎)」や、1927年に建てられた旧大和田銀行本店本館(重要文化財)を活用した「敦賀市立博物館」などが点在し、敦賀の歴史と文化に触れることができます。

地魚が集結したフードマーケットでランチを

日本海さかな街
活気あふれる「日本海さかな街」

 日本海のほぼ中心に位置し、三方を山で囲まれた栄養豊富な漁場、敦賀港。ここは、直送の魚介が並ぶ鮮魚店など約40店舗と、すしや海鮮丼などが味わえる飲食店が軒を連ねる、日本海側最大級の海鮮市場「日本海さかな街」。お土産はもちろん、クーポン(4枚つづり2000円)で楽しめる「はしごめし」も要チェックです。

海鮮丼
「味世司」の海鮮丼は必食!

 約20店舗の飲食店のなかでもランチのおすすめは、「味世司」の海鮮丼。多彩なネタのなかから、好きなネタを組み合わせてオリジナルの海鮮丼をつくれるのがうれしい。季節に応じた期間限定丼や、福井名物ソースかつ丼なども見逃せません。

敦賀にある日本三大松原でのんびりと

気比の松原
若狭国立公園内にある気比の松原の夕暮れ

 静岡の三保の松原、佐賀県の虹の松原と並ぶ国の名勝地、気比の松原もぜひ立ち寄りたいスポット。赤松と黒松が生い茂り、松林の緑と砂浜の白、そして眼前に広がる海が織り成す美しい景色は圧巻。長さ約1km、広さは約34万m²の広大なエリアには、海沿い、森林浴、松原を楽しみながら歴史文化を辿る各ウォーキングコースが整備されています。

 海水浴場としてにぎわう景勝地も、夏以外は人も少なくのんびり過ごせる。夕日に染まる海を眺めていると時間を忘れてしまいそう。

1日3組限定の宿でフグとタイに舌鼓

敦賀ふぐの夕食
敦賀ふぐや敦賀真鯛を使った夕食の一例

 おすすめの宿は、松尾芭蕉の「奥の細道」にも登場する色浜にたたずむ、「敦賀ふぐの宿なかい」。家族経営の落ち着いた宿です。宿の主人が自ら育てるブランド魚、敦賀ふぐと敦賀真鯛をはじめとした、上質でボリューム満点の魚料理の数々。敦賀ふぐ薄造りや焼きフグ、厚切り真鯛のしゃぶしゃぶなど、ほかでは味わえない地魚を使った夕食がいただけます。

 朝ご飯の主役は敦賀真鯛。ほどよく脂がしみでた白みそ仕立てのみそ汁や、カマの煮つけなど、ついつい食べ過ぎてしまいそう。

個室
食事は個室でゆっくりといただける

 1日3組限定の宿では、純和風の客室が全5室。近隣の水島海水浴場は7月半ばに海開きの予定。夏は、観光船に乗って水島まで足を伸ばすのもおすすめです。

■福井県敦賀市観光案内サイト「漫遊敦賀

取材協力/敦賀市観光部観光交流課

<取材・文>寺川尚美