3年ぶりに明日から開催。鉄道むすめがすすめる「有田陶器市」の楽しみ方

鉄道ファンから注目を浴びている「鉄道むすめ®」は、全国各地の鉄道事業者で活躍するキャラクターたち。そのなかの1人、長崎県と佐賀県を走る松浦鉄道の広報担当で、佐賀県有田町の観光大使も兼務している西浦ありささんに有田陶器市の魅力と有田町のおすすめスポットを教えてもらいました。

日本最大の“やきもの”のお祭り「有田陶器市」

ありさ
松浦鉄道・広報担当で有田町観光大使の西浦ありささん  ©TOMYTEC/イラスト:JSK

 佐賀県有田町で毎年ゴ-ルデンウィークに開催される「有田陶器市(期間4月29日~5月5日)」。有田周辺だけでなく県内外のやきもの産地からの出店など、今年は約400店を予定。2020年、2021年はコロナ禍で開催できなかったので3年ぶりとなります。

「はじめまして、西浦ありさです。有田町観光大使として盛り上げるべく、初の声での活動として、有田陶器市会場での感染症予防対策のお願いのアナウンスを担当します! 放送頻度は1時間に1~2回を予定しています、ご来場のみなさんはぜひ放送に耳を傾けてください」。

 有田駅前から約3㎞を歩行者天国にした会場は、通りの両側に店がずらりと並びその風景は圧巻です。空き地にもテントが張られたり、お店の軒下を拡張したり。

「あふれそうなくらいうつわが並び、賑やかさにワクワクしますよ」と西浦さん。

メイン通り
2019年以前のメイン通りの風景

 その人気の高さは、朝早くから駐車場待ちをするほど。今年の期間中は、早朝から待っているお客さんのために「干支入り碗」に入ったおむすびの「朝むすび」(500円税込)の販売も。午前6時から行われ、1日限定300食。こちらも人気なので、早起きして手に入れたい1品です。

「有田陶器市のいちばんの特徴は、年に一度の蔵ざらえ、棚おろしということで普段はお店に並ばない業務用食器などが割引価格で購入できること。一点もののやきものを見つけたり、箱に入ったアウトレット品をガチャガチャと探したり、まるで宝探しの気分になります!」

九州各地の陶磁器がそろった見応えある博物館

スクリーン
第一展示室の大スクリーン。映し出されるリアルな映像は一見の価値あり

 陶器市を巡る前にぜひ立ち寄りたいのが、有田駅のすぐ近くにあるやきもの専門の博物館・佐賀県立九州陶磁文化館です。

「時代ごとに部屋が分かれていて、有田焼の歴史がわかりやすく学べます。プロジェクションマッピングの技術で白い大皿に絵付けされていくアニメーションはぜひ観ていただきたいです。そして、タッチパネルを使って有田焼がデザインできるコーナー『MY ARITA』もおすすめ。ゲーム感覚でつい何度もデザインしてしまいます(笑)」

 そのほか、「蒲原(かんばら)コレクション」(有田町所蔵)、「柴田夫妻コレクション」といった貴重な作品は見応えたっぷり。またミュージアムショップで販売している一筆箋は西浦さん一押しのお土産です。

メイン通りを一本抜けてトンバイ塀のある裏通りへ

トンバイ
普段は静かなトンバイ塀のある裏通り

 陶器市期間中はメイン通りに並行したトンバイ塀のある裏通りに、「カフェ・ド・アリタ」が登場します。有田焼の文様が描かれたおしゃれな紙コップで提供され、同じ文様の磁器製カップも販売されます。今年は5店舗が出店予定。コーヒーのほか、サンドイッチやスープなどもあるので、買い物途中のひと休みに。

「石畳の道でレトロな雰囲気が楽しめるので、写真映えスポットとして人気。もともとは窯元の塀で、江戸時代の有田焼の技術は重要機密でしたので、その技術が漏れないように高い塀をつくっていたそうです」

カフェ
紙コップのドリンク300円~、磁器製カップ3000円(各税込)

 ちなみに、トンバイ塀とは、登り窯を築くために用いた耐火レンガ(トンバイ)の廃材や使い捨ての窯道具を赤土で塗り固めつくった塀のこと。江戸後期から始まったというこの塀づくりは、やきものの町らしい町並みです。

インパクト大! 白地に青を纏った大鳥居や狛犬は必見

鳥居
磁器でつくられた鳥居

 1658年頃に創建された陶山神社は、やきものの町ならではの神社。磁器製の大鳥居や狛犬、灯篭などが並び、野外美術館と称されているほど。有田焼の御守りや御朱印帳があるなど、神社好き、御朱印ファンにはたまらない場所です。

「さらに珍スポットとして有名なのが、境内の中に走っている線路。神社入口の階段を上るとすぐ踏切があり、なんと遮断機がありません! 桜の季節は線路と桜並木と電車を間近で撮影できるのでとても人気です。でも写真撮影の際はくれぐれも注意してくださいね」

お土産に外せないおいしくて使える2品

カレー
有田焼カレー 大・1980円~、小・1480円~(各税込)/有田テラス

 有田町のお土産で外せないのが、有田駅の駅弁「有田焼カレー」とカップケーキの「有田器菓(ありたかっぷけーき)」です。どちらも有田焼のうつわを使用しているうれしい逸品。

 有田焼カレーは、雑誌のお取り寄せ企画のグランプリやJR九州の「九州の駅弁」ランキングで第1位を獲得した商品。陶器市期間中は、有田テラス アリタセラ店でも購入でき、こちらで食べると未使用のうつわが持ち帰ることができます。

「28種類のスパイスを使っていて、とっても味わい深いおいしさです。中辛より少し辛めで、こんがり焼かれたチーズがいいアクセントに。大小2サイズ、絵柄も複数あり、私は6種類持っていますよ。友達への贈り物にしたらとても喜ばれました」

 さらに、洋菓子店「杏慕樹(あんぼじゅーる)」が販売している有田器菓もおすすめ。

カップケーキ
味は栗、チョコ(各740円)、抹茶(780円)、焼酎餡(960円)の4種/杏慕樹

「個人的には洋酒がきいていて、ちょっと大人のあじわいのチョコ味が好きです。小さいそば猪口サイズなので、デザートやヨーグルト用に使っています。数量限定なのでお店へはお早めに」

 有田陶器市をはじめ、うつわ三昧の時間がたのしめ、やきものの町らしい風景やスポット、おいしいお土産にあふれている佐賀県有田町へぜひ。

※各施設やお店の詳細は、有田観光協会のサイト「ありたさんぽ」でご確認ください

■協力/有田町役場まちづくり課、有田観光協会、松浦鉄道株式会社

鉄道むすめ・西浦ありさ(松浦鉄道株式会社/営業部営業課 広報担当、有田町観光大使)
大手広告代理店勤務を経て、地元の松浦鉄道株式会社に入社。地元愛・松浦鉄道愛が認められ広報係に。日本最西端の駅「たびら平戸口」駅を重点的にアピールするため、たびら平戸口駅の広報担当となる。2022年1月29日、有田町の初代観光大使に就任し、現在大使しても活動中。
※『鉄道むすめ®』は株式会社トミーテックが展開する、全国の鉄道事業者の制服を着たキャラクターです。