全国有数の抹茶生産地である愛知県の西尾市。上品な香り、穏やかなうま味とコクが特徴の地域ブランド「西尾の抹茶」は、特許庁の地域ブランド（地域団体商標登録制度）に全国で初めて認定されたブランドです。抹茶の里・西尾でおすすめの抹茶スイーツをピックアップしてご紹介。
日光を遮って育てた茶葉は甘味とうま味が格別
愛知県の中央を、北から南へ流れる矢作川流域の南端に位置する西尾市。抹茶スイーツ巡りの拠点となる西尾駅までは、名鉄を利用して、名古屋から約50分、豊橋から約1時間で到着します。
「温暖な気候、矢作川がもたらす豊かな土壌と川霧に恵まれた西尾市の特産品、西尾の抹茶。伝統的な棚式覆下栽培で日光を遮って育てられる茶葉は、甘味とうま味が増し、鮮やかな緑色に上品な香りの抹茶となります。品評会で高く評価されている抹茶を、お茶屋さんや甘味処でぜひ味わってください」（西尾市観光協会 専務理事・森 隆司さん）
西尾駅から西へ約3㎞。矢作川に近い、小高い丘陵地にある稲荷山茶園を中心に茶畑が広がっています。「西尾の抹茶街道」には、西尾の抹茶のルーツとなる実相寺（じっそうじ）や、西尾市歴史公園内の庭園を眺めながらお抹茶がいただけるにある旧近衛邸（きゅうこのえてい）などが点在。西尾駅からレンタサイクルで抹茶のゆかりの地を巡るのもおすすめです。
抹茶の風味を楽しむ、老舗和菓子店の逸品
まず味わいたいのが、1912（明治45）年創業の「御菓子司 穂積堂」の「抹茶ぷち水玉」。ゼリーでもなく、寒天でもない新食感の抹茶スイーツです。つまようじなどで外側をプチッと割ると、プルンと飛び出してくる仕かけに。プルプルとした食感と不思議な口どけ、抹茶のさわやかさと香り高い風味が虜になります。
フォトジェニックな抹茶スイーツも必見
イートインで抹茶スイーツが満喫できる2軒をご紹介。まずは、西尾市で採れた抹茶のみを使用した抹茶スイーツの専門店「抹茶ラボ 西尾伝想茶屋店」。いちばん人気は、栗ジェラートの上に抹茶のマロンクリームをかけ、イチゴをトッピングした「西尾抹茶モンブラン」。濃厚な抹茶と栗のコラボレーションがたまりません。
2軒目は、伝統の製造で抹茶を製造する「南山園」の直営店「茶々屋南山園 ヴェルサウォーク西尾店」。こちらでは、濃厚な「西尾の抹茶」と、黄金色に輝く香り高い「金のほうじ茶」をかけたかき氷「金の抹茶・金のほうじ茶レモン氷」をぜひ。氷の中からは、抹茶のソフトとクレミアソフトが登場。ふやきせんべい入のぜんざいと急須でいれるお茶がついたぜいたくなセットです。
また、西尾市の食材を使った独創性のあるかき氷に出会える「西尾かき氷 スタンプラリー」を9月30日（金）まで展開中なので、合わせてチェックしてみましょう。
お土産にも喜ばれる、西尾の抹茶を使った注目商品
食べ歩きにおすすめなのが、抹茶を生地に練り込んで焼き上げた、「カテキン堂」の「抹茶大判焼 カテキン焼」。朝食用に地元で愛される「Happy Bakery TAKUTAKU」の抹茶を使用したパンを購入しても。なかでも、抹茶メロンパンや土・日曜限定の抹茶食パンは必食です。
お土産品を探すならこちら。デリカッセン「あかりい菜」の人気メニューの「西尾抹茶テリーヌ」。西尾の銘菓「御菓子所 東角園」の「吉良の赤馬」も鉄板です。吉良公園の愛馬を模った最中の中には、抹茶が香るあんがたっぷり。幅広い世代に喜ばれています。
歴史ある勇壮な祭りで夏の思い出を
夏の西尾の一大イベントと言えば、三河一色諏訪神社で開催される「三河一色大提灯まつり」。2022年は、8月27日（土）、28日（日）に開催予定。全長6～10mの巨大な提灯6組12張は、かつて海の魔物を鎮めるために焚かれたかがり火が起源と言われています。迫力満点の祭事は見る価値あり。
眼下に海原が広がる絶景宿でゆっくりと
宿のおすすめは、吉良温泉郷の高台に佇む「吉良かん（吉良観光ホテル）」 。風光明媚な三河の海に、吉良の歴史が感じられます。自慢の吉良温泉は、三河湾に浮かぶ梶島が望める天然大浴場と、満天の星空を楽しめる天然露天風呂があり、12～16時は日帰り入浴も楽しめる。地産地消にこだわった料理と、和室・和洋室の景観抜群な客室で旅の疲れを癒して。
■「西尾観光」
取材協力／西尾市観光協会
＜取材・文＞寺川尚美
