滋賀県との県境に位置する岐阜県の揖斐川(いびがわ)町 は、日本最大の総貯水容量である徳山ダムや天空の古来茶と呼ばれる茶畑などで知られるエリア。美しい紅葉や鹿ジビエラーメンなどご当地グルメも楽しめる大人の秋旅をご案内します。
日本最大の総貯水容量を誇るダムは必見
清流が自慢の揖斐川町は、名古屋駅からJRバスを乗り継いで約1時間半で到着する、自然豊かな川のまち。最大の見どころは、浜名湖の2倍にあたる総貯水容量6億6千万トンを誇る徳山ダム 。展望台から見る高さ161mのダムは迫力満点!
「揖斐川町は、町の総面積の9割が森林で、町の中央部を一級河川の清流揖斐川が流れており、緑豊かな山岳、川や渓谷、滝、池など豊かな自然環境に恵まれているのが特徴です。秋は紅葉で山々が色づき始め、両界山横蔵寺では11月よりもみじのライトアップが実施されます。さらに、自然豊かな町だからこそ堪能できるジビエ料理はおすすめです。ぜひ揖斐川町へお越しください」(揖斐川町役場 産業建設部 商工観光課・小谷孔希さん)
ここでしか出会えない、神秘的な風景に癒されて
古来よりかれたことがないと伝わる、神秘的なスポットが夜叉ケ池(やしゃがいけ) 。干ばつを救うために池に身を投じた娘のいい伝えなど、いくつかの伝説があります。登山口から約1時間30分の標高約1100mの山頂から見られる、エメラルドグリーンの静かな水面はまさに神秘的! 登山道では例年10月中旬頃から紅葉が見頃に。
落差約35mの夫婦滝(めおとだき)は、滝の上部は分かれて流れ、中央部でひとつになって落ちる様子から名づけられたそう。四季折々の美しさだけでなく、毎晩ライトアップされた夜の顔が楽しめるのも魅力です。
揖斐川に架かる約80mの木製のつり橋・宮山橋。橋ができた後、両岸の地域の男女が結ばれることが増えたため、いつしか「恋のつり橋 」と呼ばれるように。ゆらゆらと揺れる橋は眺めも抜群。橋を渡って対岸の恋の鐘を鳴らせば、恋がかなうと言われ、秘かな恋人たちの聖地になっています。
※現在工事中のため立ち入り禁止です。最新情報はHPをご確認ください。
紅葉スポット「美濃三山もみじ」を巡ろう
揖斐川町で紅葉を楽しむならおさえておきたのが、美濃三山もみじ。まずは、平安初期798年に創建され、「たにぐみさん」の愛称で親しまれる「谷汲山華厳時(たにぐみさんけごんじ)」。日本最古の巡礼行である「西国三十三箇所霊場」の最終霊場として、また願いがかなう「満願霊場」として人気の名刹。参道の紅葉は別格の美しさ。例年、11月中旬から12月上旬が見頃で、「もみじまつり」(2022年は11月13日開催予定)では、土産物屋が参道に並びます。
2か所目は、薬師如来像をはじめ22体の国の重要文化財が安置されている「両界山横蔵寺(りょうかいさんよこくらじ)」。約200年前に即身成仏したという妙心法師のミイラがある寺としても有名です。別名「美濃の正倉院」と呼ばれ、風格ある建物と紅葉の鮮やかなコントラストは息をのむ美しさ。例年の見頃は、11月上旬から下旬。2022年は11月13日(日)~11月27日(日)に開催される「横蔵もみじまつり」では、ライトアップとともに、飲食物・農林産物の販売も実施されます。
ご当地グルメ「ぎふジビエ」は必食
清流と緑豊かな里山、そして野生動物が生息する岐阜県。揖斐川町でぜひ味わってほしいのがご当地グルメ「ぎふジビエ」です。熟練の猟師が選定した鹿や熊などを使用したジビエ料理は、安心安全なうえ、脂身や臭みなどが少なく、ヘルシーで食べやすいのが特徴。揖斐川町では、カレー、パスタ、ハム、ソーセージ、パテ、テリーヌなどのシャルキュトリーがバリエーション豊か。とくに、揖斐川町坂内産の鹿肉を使った「鹿ジビエラーメン~ポルチーニ仕立て~」は、鹿肉は柔らかくあっさりとしていて、かむほどに口の中でうま味が広がると評判です。
大自然に囲まれた露天風呂でエネルギーチャージ
日頃の疲れを緩やかに解消してくれるのが日帰り温泉。おすすめは、日本有数の天体観測スポットで知られる揖斐川町東横山の道の駅「星のふる里 ふじはし」に併設された温泉施設「いび川温泉 藤橋の湯」。露天風呂、内風呂、泡風呂、サウナなどがあり、大自然に包まれた空間でリフレッシュできます。浴後はのんびり、道の駅でお土産購入やレストランで食事を楽しみましょう。
取材協力/揖斐川町役場 産業建設部 商工観光課
<取材・文>寺川尚美