廃校でおしゃれサウナ体験。アートな宿泊施設「那須ユートピア」が話題

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第36回:木村彩乃アナ]―

全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化など地方の魅力をお届け。今回は、キャスター・リポーターを経て現在はスイーツコンシェルジュとして全国で活躍する木村彩乃アナが、栃木県の元廃校で、宿泊やBBQ、サウナまで楽しめる新感覚の複合施設をレポートします。

校舎を廃材を使ったアートな空間に

小学校の校門

 2016年に栃木県那須町で役目を終えた旧美野沢小学校が、2022年9月1日、遊んで学べる理想郷「那須ユートピア美野沢アートヴィレッジ」として生まれ変わりました。

教室の様子

 校舎は、国内外で活躍する16組のアーティストが「クリエイティブリユース」をテーマに教室を変貌させたり、モニュメントを置いたり、近未来の美術館のような空間です。

那須ユートピア美野沢アートヴィレッジ

「小学校は地域の方々にとってかけがえのない存在で、決してむだにはしたくない」という思いから、小学校で使っていた楽器や廃材がアート作品に生まれ変わっています。

ブラックライトが光る秘密の部屋

 栃木県ならではの、那須湯本温泉付近に存在する溶岩「殺生石」の物語をモデルにした作品や、ブラックライトで光る神秘的なお部屋もありました。

キャンプサイトやコテージも。教室にも宿泊できる

宿泊コテージの様子

 校庭には13区画のキャンプサイトと5棟のコテージ(ヴィラ)があります。テントエリアではキャンプファイヤーができるので、小学生の頃の遠足を思い出しました。全区画100㎡以上あるため、余裕をもってテントを張れますし、ドッグランつき区画や子どもが遊べる遊具もあります。

地場の素材でBBQ

 コテージは、全部屋エアコン・風呂・トイレ・キッチン・AC電源が完備されています。料理をつくってもいいですし、自然豊かな那須の地場産お肉や野菜のバーベキューセットがついたプランで身軽に泊まることもできます。黒板にチョークアートが描かれた教室ルームにも泊まることができるそうです。

校舎横にはサウナが常設。サウナイベントも

校舎横のサウナ

 廃校に残った松の木をアートとして生まれ変わらせた空間作品に、CUBE型のフィンランド式コンクリートサウナ「CUBERU」を設置。作品というだけあり、とってもおしゃれな空間です。しかも、アロマロウリュやヴィヒタもできる本格派!
 牧場で牛乳を冷やすために使われていたミルクタンクを再利用した水風呂や、ホーロー加工の酒樽を再利用したジャグジー、シャワー、更衣室なども完備。コロナ禍で不安な方は貸切利用も可能(要予約)です。

外気浴とセットで楽しめる

 なにより「外」にあるので、サウナからはお庭を眺められ、お風呂は露天で、サウナ初心者でも「ととのう」こと間違いありません。もちろん外気浴も最高に気持ちよく、リフレッシュできました。
 ちなみに筆者は旅行や温泉が大好きで幾度となくサウナには入ってきましたが、水風呂は正直苦手で「ととのう」という感覚もいまいちわかっていませんでしたが、今回、おしゃれなサウナでじっくり温まると自然と体が水風呂を欲し、栃木県のひんやり冷たい外気浴の気持ちよさもあって、「初ととのい記念日」になりました。

プロジェクションマッピング

 筆者が取材した12/3、4は「サウナで五感を研ぎ澄まし、アートとミュージックを体感しよう!」をテーマに「ZIPANG × サウナ集会」が開催されており、校舎にプロジェクションマッピングが投影されたり、サウナにアートな光が灯ったりと華々しい様相でした。

移動型サウナ「サバス」

 路線バスとして実際に利用されていた車両を改造した移動型サウナ「サバス」は関東で初登場だそう。バスの後方に「薪サウナ」があり、吊り革や座席配置などバスの名残があるのが特徴です。

移動型サウナ「サバス」

 降車ボタンを押すと熱したサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させる仕組みには、サウナー一同、大興奮! 来場者で仲よく順番に押し合う雰囲気は、体だけでなく心も温まりました。主催者の方曰く、「サウナ集会は大好評でしたので、春頃に再び開催できるよう試みます」とのこと。今後の予定から目が離せません。

カフェに立ち寄るだけでも楽しめる

カフェに立ち寄るだけでも

 宿泊してサウナに入ることをお勧めしたいですが、那須という場所柄、観光の1つとして「立ち寄り」だけの利用もできます。アートギャラリー・キッズエリア入場のみのチケットもありますし、校舎の1階にはカフェもあります。職員室をリノベーションしたカフェ・ラウンジで、宇都宮の紅茶専門ショップと提携した紅茶やクラフトビールを中心としたドリンクを楽しめます。

 オープン以降、地元の「彼岸花まつり」に合わせて飲食屋台を出したり、大根や白菜など、季節のお野菜の収穫体験を開催したりしているそうです。冬休みや春休みのご旅行を検討中の方、アートな廃校でリフレッシュしてみませんか?

<取材・文・撮影/木村彩乃(地方創生女子アナ47)>

木村彩乃アナ
千葉県出身。宇都宮CATVからNHK釧路放送局キャスター・リポーターを経て現在はフリー。アナウンス業のほか、スイーツコンシェルジュ・ショコラアドバイザーなど製菓関連の資格を活かし全国で食の取材を行う。

[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第36回:木村彩乃アナ]

地方創生女子アナ47
47都道府県の地方局出身女子アナウンサーの団体。現在100名以上が登録し、女子アナの特徴を生かした取材力と、個性あふれるさまざまな角度から地方の魅力を全国にPRしている。地方創生女子アナ47公式サイト