パン好き必携の資格として注目を集めている「パンシェルジュ検定」。合格するとパンシェルジュとしてパンにまつわる仕事に生かせたり、特別なイベントや体験会への参加もできます。和歌山県のパンシェルジュが、おいしいパンを求めて訪れたのが、窯元に併設するベーカリーカフェ。もっちりしっとり食感の食パンや、フォカッチャ生地にチーズとオリーブを包み込んだ総菜パンなどをご紹介。
自然豊かな出雲で出会った幸せパン
小学生の頃は、毎朝食パン1斤をたいらげ、今は国内外のパン屋巡りがライフワークという和歌山県在住の木許智佳子さん。生地の素材や焼きあがったときの小麦の香り、料理やドリンクとの相性など、パンへの探求心と愛情が深まる日々。そんな木許さんがパン巡りの旅で見つけたのが、自然豊かな島根県出雲市斐川町出西（ひかわちょうしゅっさい）の「出西くらしのvillage」にある「Le CochonD’or Shussai（ル コションドール 出西）」。「生活のなかのパン」をテーマにしたカフェ併設のベーカリーです。
店内には、食パンをはじめ、カンパーニュやバゲットなどのハード系、地元食材を使用した総菜パン、甘さ控えめの特製クリームをはさんだ菓子パンなど、種類豊富な焼きたてパンがずらり。そのなかでも木許さんが「おいしい！」と絶賛する3つをご紹介。
もっちりしっとり！「湯種のコションドール山食」
「ル コションドール 出西」のいちばん人気、国産小麦の湯種を使った、もっちりしっとり食感の食パンです。カフェスペースではこちらを使用した「BLTサンド」（テイクアウトも可)も提供。県産のベーコンと新鮮なレタス・トマト、自家製マヨネーズとの相性が抜群です。
「国産小麦ならではの自然な甘さが楽しめる湯種山食。生で食べるとモチモチ＆フワフワで、トーストするとサクサク感が楽しめます」（木許さん）
ザクザク食感がたまらない「パンオショコラ」
層が厚いクロワッサン生地に、フランス産のバトンショコラをサンドしたおやつパン。ザクザクとした食感と甘いチョコレートが食欲をかき立てます。
「厚い層を1枚ずつはがして食べると、生地のおいしさを実感。表面は香ばしく、中はバター風味がしっかり感じられやみつきになります」（木許さん）
トースターで焼くとおいしい「二種オリーブと塩麹のバトン」
モチモチのフォカッチャ生地に、グリーン＆ブラックオリーブと塩麹を練り込み、チーズを包みこんで焼いた総菜パン。※現在は、販売休止中ですが時期をみて再開する予定
「食べやすいサイズにカットした後、トースターでこんがり焼いて食べるのもおすすめ。チーズが程よくほどけて、オリーブの塩味と塩麹のうま味が口の中で広がります」（木許さん）
ひと工夫したメニューがいっぱい
ほかにも、豆乳とオリーブオイルを加えて一晩じっくり発酵させた「豆乳ミニバゲット」や、オリジナルスパイスを使ったひき肉のキーマカレーをフォカッチャ生地で包んだ「特製カレーパン」など、オリジナリティあふれるメニューの数々に目移りしてしまいます。
「出西窯」とともに地元の食文化を発信
民藝の窯元「出西窯」が、暮らしにまつわるさまざまなアイデアを発信する「出西くらしのvillage」。ベーカリーカフェ「ル コションドール 出西」は、同敷地内に2018年オープンしました。
フランス語で「金の豚」を意味する「ル コションドール」。金の豚は、幸せを呼ぶ幸運のシンボルとされていて、「食べた人がみんな幸せになれますように」という店主の思いが込められています。
カフェスペースでいただけるのは、山食トーストに目玉焼きなどがついたモーニングをはじめ、ランチのカレープレートなど。プリンや紅茶など地元素材を積極的に使用したメニューにほっこりします。
「柔らかな光が射し込み開放感抜群。『出西窯』の工房でつくられた食器が、パンや料理を一層引き立ててくれています。『出西窯』とともに地元の食文化を通して、これからの暮らし方を提案するベーカリー。そんな魅力にわざわざ出かけたくなるお店です」（木許さん）
■ショップ情報
「出西くらしのvillage」までは、JR出雲市駅から車で10分。周辺に、斐伊川や三本松公園などがある自然豊かな環境です。施設内には、ベーカリーとカフェのほか、出西窯展示販売館「くらしの陶・無自性館」と、暮らしに寄り添うセレクトショップ「Bshop 出西店」も併設されています。
パンシェルジュ検定事務局が運営するサイト「ぱんてな」でも、さまざまなパン情報を紹介しています。こちらもぜひ、チェックしてみて！
協力／パンシェルジュ検定運営事務局
＜取材・写真／木許智佳子、文／寺川尚美＞
◆パンシェルジュ 木許智佳子〈きもとちかこ〉さん（パンシェルジュ1級）
パンの素材や製法に興味を持ち、パンシェルジュ資格取得を目指す。パンの知識を得たことの喜びは、パン職人やパン好きの方との交流が深まっていること。自分好みの味を追求しながらパン作りをしたり、友人と数種類の食パンの食べ比べなどを楽しんでいる。いつか、和歌山県のパン屋さんをはじめ、全国の食パンを集めた「食パンフェスin和歌山」を実現させるのが夢。
