カレーうどんの下にはとろろご飯。個性豊かな「豊橋カレーうどん」が話題

愛知県豊橋のご当地グルメ「豊橋カレーうどん」。自家製麺のうどんを食べ進めると、うどんの下から「とろろがのったご飯」が登場する2層構造が特徴です。地元だけでなく、全国に多くのファンをもつ「豊橋カレーうどん」の人気の秘密を紹介します。

認定された39店舗が提供する豊橋カレーうどん

路面電車
大正14(1925)年に開通した豊橋のシンボル「路面電車」

 愛知県の東南端に位置する豊橋は、太平洋と三河湾に面し、豊かな自然と温暖な気候に恵まれたまちです。人気の観光スポットは、動物園、植物園、自然史博物館と遊園地が併設された、国内でも数少ない複合施設「のんほいパーク」や、江戸時代の交通と地域の歴史文化を体感できる「二川宿本陣資料館」など。市民から「チンチン電車」の愛称で親しまれている路面電車も楽しめます。

豊橋カレーうどん
一度食べたらやみつきになる「豊橋カレーうどん」

 東三河の海の幸でつくる「豊橋ちくわ」や銘菓「ゆたかおこし」などのお土産が人気の豊橋。うどんの消費量が多いことでも知られ、豊橋のうどん屋さんは自家製麺率100%だそう。

「『もっとたくさんの人においしいうどんを食べてもらいたい!』という思いから、豊橋観光コンベンション協会と豊橋麺類組合がタッグを組んで開発し、2010年から販売をスタートしたのが『豊橋カレーうどん』。残りがちなカレーのルーを最後まで食べてもらえるひと工夫にも愛情が感じられるご当地グルメです。「豊橋カレーうどん」を提供できるのは、豊橋麺類組合の『チーム華麗』という組織に加入した上で、認定された店舗のみ。2023年4月現在は、39店舗で味わうことができます」(豊橋観光コンベンション協会 事業推進部・西村なぎささん)

「豊橋カレーうどん」の食べ方は必見

5箇条
「豊橋カレーうどん」の5箇条 

「豊橋カレーうどん」は、上図の5箇条のもと、各店が創意工夫を凝らした1品を生み出しています。同じ具材でも調理法が異なったり、意外なトッピングがのっていたり、ビジュアルや味わいはさまざま。地元だけでなく、遠方から訪れるリピーターが多いのも納得です。

≪事前に知っておきたい「豊橋カレーうどん」の食べ方≫
 ① カレーうどんを普通どおりに味わう!
  (ポイントは器の底へ箸をさして混ぜないこと。楽しみが半減してしまう)
 ② うどんを食べ進め、うどんの下からでてくる「とろろがのったご飯」を味わう!
 ③ カレーととろろご飯をからめて2度目の味を楽しむ!
  ※お好みで添えてある福神漬け(つぼ漬け)を入れましょう

 カレーうどんととろろご飯の2層構造が最大の特徴の「豊橋カレーうどん」。おいしく、2度楽しむためには、最初から混ぜないことが鉄則です。味わい深い手づくりカレーを残さず食べられるのも魅力。豊橋のうどん店を巡って、個性豊かなカレーうどんを食べ比べてみては?

シンプルに見えて奥深い、おすすめ4品

おすすめ4品
おすすめ4店舗。左上・「ナザレうどん」、右上・「清水庵」、左下・「勢川 本店」、右下・「鈴八庵」

 1965年創業の「ナザレうどん」の豊橋カレーうどんは、ウズラの卵とかまぼこで「smile」仕立てのトッピングにほっこりします。豚骨と鶏ガラベースの黄金スープに、野菜や豚肉、手打ちうどんが相性抜群。

 豊橋市の南部にある「清水庵」では、自慢の極太うどんに、シャキシャキのタマネギの甘さとカレーの辛さが絶妙なバランスの豊橋カレーうどんに出会えます。カツやエビフライ、アジフライ、カリカリチーズなどのトッピングオーダーもおすすめ。

「勢川」は、東三河で11店舗を展開する、創業100余年の老舗。本店で味わえるのは、たっぷりの豚肉と油揚げを加えてコクとうま味を引き立てた豊橋カレーうどん。昔懐かしい味わいが心に染みわたります。

 子ども連れにも人気の「鈴八庵」の豊橋カレーうどんは、自家製カレールーと、とろろもヤマイモとヤマトイモをブレンドしたとろろご飯、揚げもちを加えて香ばしさをプラスしています。ヒレカツや小エビのフライがそれぞれのったボリューム満点のメニューも。

フォトジェニックでおいしい、話題の4品

話題の4品
おすすめ4店舗。左上・「大正庵」、右上・「十勝庵」、左下・「砂場」、右下・「つるあん 道の駅店」

 スパイシーで濃厚な味わいが特徴の「大正庵」の豊橋カレーうどんは、柔らか&プリッ食感の照り焼き国産鶏肉入り。国産小麦「きぬあかり」100%使用の麺、福神漬けも地元野菜でつくるこだわりよう。シラス・ベビーホタテ・イカ・むきエビなどをトッピングした「シーフード」もあります。

 雪山のようなビジュアルが目を引くのは、「十勝庵」の「白い豊橋カレーうどん」。エスプーマ、カレーうどん、焦がしチーズ、とろろご飯の4層構造に。エスプーマには市産のウズラ卵やカレースパイス入り。また、市産のエディブルフラワーで彩りを添え、目でも楽しめる1品に仕上がっています。

 つつじが丘にある「砂場」の豊橋カレーうどんは、大葉とチーズの入った油揚げと、焼ネギの香ばしさがポイント。マイルドな辛さのカレーは幅広い世代に評判です。油揚げは豊橋市のマーク、ちぎりマークを表しています。

 最後にご紹介するのは、「道の駅 とよはし」にある「つるあん 道の駅店」。ちくわと地元野菜で表現した豊橋発祥の「手筒花火」の天ぷらがインパクト大の豊橋カレーうどんです。独自ブレンドのスパイスと、自慢の出汁で仕上げたカレーは後を引くおいしさ。

■豊橋の観光情報・ええじゃないか豊橋「豊橋カレーうどん

取材協力・画像提供/一般社団法人 豊橋観光コンベンション協会

<取材・文>寺川尚美