美しい海と豊富な食材に恵まれた福井県・若狭小浜に、2023年8月、宿泊施設「若狭佳日(わかさかじつ)」がグランドオープン。若狭小浜の海、食、文化を堪能する宿の魅力と、夏に訪れたい近隣の観光スポットをご案内します。
絶景の海水浴場も点在する若狭小浜
2024年春の北陸新幹線開業に向けて注目が高まる福井。南西部に位置する小浜市は、平城京・平安京の時代から、朝廷に特別な海産物を献上する「御食国」のまちとしても活躍してきました。
小浜市に面した若狭湾は、とくに春から秋にかけて比較的穏やかないやしの海に。なかでも阿納(あの)海水浴場は、7月中旬から8月下旬まで多くの海水浴客でにぎわいます。
夏場、夕日スポットとして人気なのが、小浜湾内に位置する人魚の浜海水浴場。白い人工海浜で、今年は8月下旬まで海水浴場としても開放しています。
2023年8月、「若狭佳日」がグランドオープン
JR小浜駅または小浜ICから車で約10分。穏やかな内海と山々に囲まれた自然豊かな漁村、小浜市の阿納に、地域のシンボルだった旅館をフルリノベーションして誕生したのが「若狭佳日」です。
「『佳日』とは、よき日のことです。お部屋は趣の異なる3つの棟に、それぞれ個性ある13室をご用意。若狭グジや若狭フグをはじめとする小浜の厳選した新鮮な食材を、ひと皿ひと皿丁寧に仕上げて提供いたします。とれたてのおいしい地魚食べ、美しい若狭湾で遊覧船や釣りにマリンアクティビティなどを楽しんで、小浜の夏を満喫してください!」( 若狭おばま観光協会 主任・池田 歩さん)
施設は、本館、離れ、別館、蔵、外湯の5つの建物で構成。客室は、趣の異なる本館・離れ・別館3つの棟に、それぞれ個性ある9タイプの13室を用意。かつての旅館の面影も感じられる和モダンな空間です。
本館は日本家屋のつくりで、海を正面に望む3部屋と、海が見える専用バルコニーがある部屋、阿納集落の路地の景観を眺める部屋の5部屋があります。
元の旅館の浴場があった建物を大胆にリノベーションしたのが離れで、1フロア1組貸切のスイートルームを3部屋用意。
別館は、お風呂つきの和室4部屋と、シャワールームつきの1室、計5部屋。蔵は、宿泊客専用のラウンジとして、地元のお酒やジュースを堪能できます。
若狭の海の幸を懐石コースで満喫
食事は、本館1階のダイニングで。ディナーは、若狭の海の幸のシンボルであり、最高級食材の若狭グジをメインにした懐石コース。なかでも、独自のタレで一汐して丁寧にじっくりと焼き上げた若狭グジの姿焼・若狭焼は絶品です。
翌朝は、若狭の食材をふんだんに使った和食の朝ご飯を用意。若狭ガレイやサバのしょうゆ干し、へこしなど地産グルメに魅了されます。フリードリンクとともに、心地よい1日の始まりを。
歴史的建造物「護松園」で思い思いの時間を
小浜市内には観光&立ち寄りスポットも満載。まず訪れたいのが、江戸時代の1815年に建築された「護松園(ごしょうえん)」です。北前船の商人・古河屋の5代目が小浜藩のお殿様など賓客をもてなすために建てた建物。現在は、市民をはじめ、みんなの別邸「GOSHOEN」として、コーヒーやイベントが楽しめる空間に。
古河屋と若狭塗を深堀りできるミュージアム、ワークショップやコワーキングにも使用できる図書館、庭園の眺めながら寛げるリビング、軽食やスイーツも楽しめる本格コーヒースタンドなど、多目的スペースとして利用できます。
お土産を購入するなら、小浜IC近くにある「道の駅 若狭おばま」がおすすめ。名物の焼きサバずしから、小浜ならではのしょうゆ干しの魚の干物や若狭小浜小鯛ささ漬、地元の野菜やお菓子、生産量日本一の若狭塗り箸まで、小浜ならではの商品がずらり。地元食材をふんだんに使ったランチが味わるレストランも好評です。
海風が心地よい「蘇洞門めぐり遊覧船」
夏、とくにおすすめしたいのが、遊覧船での「蘇洞門(そとも)めぐり」。日本海の荒波がつくりあげたダイナミックな景観を約60分のクルージングで体感。長さ6kmの断崖美と奇岩・洞門が織りなす歴史ロマンを満喫できます。SUP(スタンドアップパドルボード)などのマリンスポーツが体験できるエリアもあるので、アクティビティに興味がある方は、ぜひチェックしてみて。
取材協力/一般社団法人 若狭おばま観光協会
<取材・文>寺川尚美