幻想的な美しさ。瀬戸内に映える周南市の工場夜景ツアーが人気

瀬戸内海を臨む海岸線にコンビナートが形成されている山口県周南市。幻想的な工場夜景を楽しめるスポットとして、近年注目を集めています。今回は、JR徳山駅から徒歩で気軽に行くことができるおすすめのビュースポットをご案内。

市街地から気軽に行ける周南工場夜景

三笹町メイン
富田川沿いの「三笹町」から見える工場夜景

 石油化学をはじめ、無機化学、鉄鋼、セメントなどの多彩な基礎素材型産業が集積し、全国有数のコンビナートが広がっている山口県周南市の臨海部。2005年から、工場群を観光資源化した産業観光ツアーがスタートし、工場群の幻想的な夜景を見て楽しむ工場夜景観賞が、近年脚光を浴びています。

「周南工場夜景最大の特徴は、その迫力と美しさ。市街地から工場が近く、巨大な煙突やプラントを間近に見ることができるほか、周南コンビナートの広大な敷地から放たれる光は、高台から見るとまるで銀河のように幻想的です。周南工場夜景をより楽しむなら、ツアーがおすすめ。海から間近に迫るクルーズや多くの観賞スポットを巡るタクシーツアー、ホテルの専用宿泊プランなど、思う存分お楽しみください」(周南市役所 地域振興部 観光交流課・丁田 純さん)

 周南工場夜景の最大の特徴は、市街地から工場が近いこと。新幹線の停車駅でもあるJR徳山駅をはじめ、駅から徒歩で行けるビュースポットが複数あり、気軽に観賞することができます。

おすすめ絶景スポット1「晴海親水公園」

晴海親水公園
南国気分も味わえる「晴海親水公園」

 JR徳山駅から徒歩で約12分、山陽自動車道・徳山東ICから15分ほどにある「晴海親水公園」は、南国情緒あふれる海辺の公園。2011年8月に「日本夜景遺産」に認定され、周南工場夜景を代表する人気のビュースポットです。

 水面の向こう側のコンビナート群には巨大なプラントやクレーンなどが立ち並び、夜は光が帯状に広がります。水面に反射する様は息をのむ美しさ!

おすすめ絶景スポット2「周南大橋」

周南大橋
「周南大橋」から望むスケール感ある工場夜景

「周南大橋」は、JR山陽本線の新南陽駅からタクシーで約7分、山陽自動車道・徳山西ICから12分ほどにある、山口県内で3番目に長い橋。

 橋の上からは、単一工場では国内最大規模の広さを誇る工場の夜景や、巨大な煙突などを見ることができます。圧倒的なスケール感の工場夜景は感動的。橋の上なので、安全に注意して観賞を。

おすすめ絶景スポット3「三笹町」

三笹町
巨大な2本の煙突が特徴的な「三笹町」

 JR徳山駅からタクシーで約5分、山陽自動車道・徳山西ICから18分ほどに位置する「三笹町」。富田川沿いから見える、巨大な2本の煙突が象徴的な工場夜景スポットです。

 目の前に輝くのは、化学製品を製造するために必要な大量の電気をまかなっている工場。さらに、心臓部である自家発電所の高さ200mの巨大な煙突が存在感を放っています。吐き出される水蒸気に、工場の息吹と躍動感を感じられるはず。

おすすめ絶景スポット4「徳山ポートビル(芝生広場)」

徳山ポートビル(芝生広場)
徳山駅からほど近い「徳山ポートビル(芝生広場)」

「徳山ポートビル(芝生広場)」は、「徳山下松港開港100周年」を記念して2022年に整備された芝生広場で、JR徳山駅からは徒歩3分ほど。

 化学工場の明かりや「フレアスタック」と呼ばれる炎をほどよい距離から観賞できるほか、行き交う船や瀬戸内の島々も眺められる港ならではの夜景スポットです。

おすすめ絶景スポット5「徳山港町」

徳山港町
水面の反射する光が美しい「徳山港町」

 最後に紹介するのが、JR徳山駅から徒歩で約15分、山陽自動車道・徳山東ICから16分ほどにある「徳山港町」。

 海面を挟んだ向こう側には、化学製品を製造するうえで欠かすことのできない塩の山や、荷揚げの様子も見ることができます。海面にキラキラと反射する工場の光がとても幻想的で、時間を忘れてしまいそう。

周南の奥座敷の美肌の湯「湯野温泉」

「紫水園」の露天風呂
2023年3月に完成した「紫水園」の露天風呂
ゆの温泉 芳山園
夜市川を望む「ゆの温泉 芳山園」の露天風呂

 工場夜景巡りの後は、 夜市川上流の閑静な山間で、1700年以上の歴史を誇る「湯野温泉」へ。「山里の西側にそびえ立つ城山から天狗が飛来し、ここの湯で癒した」など、数々の伝説がある温泉郷。瀬戸内海沿岸部では珍しい「アルカリ性単純硫黄泉」の泉質で、古くから湯治湯として、近年は「美肌の湯」としても人気です。

 温泉郷には、「紫水園」や「ゆの温泉 芳山園」など、設備の整った老舗旅館が点在。湯野地区で栽培された「自然薯」や、近くの戸田地区で水揚げされた「周南タコ」といった地元の素材を使った料理とともにもてなしてくれます。また、日帰り入浴や足湯も楽しめるのでぜひチェックしてみて。

取材・写真協力/周南市役所 地域振興部 観光交流課
<取材・文>寺川尚美