青森県の太平洋沿岸の冬の味覚として知られ、全国でも有数の水揚げ量を誇る三沢漁港の「ホッキ(北寄)貝」。12月から3月の漁期のみ、三沢市内の飲食店で堪能できるのが「三沢ほっき丼」。店舗ごとに調理法や味つけに工夫をこらした「三沢ほっき丼」の魅力をご紹介します。
甘味、うま味がたっぷり詰まった三沢のホッキ貝
青森県の南東部に位置する三沢市。東は太平洋、西は県内最大の湖・小川原湖に接し、北部にある仏沼はラムサール条約湿地に登録されるなど自然豊かな町です。全国屈指の好漁場である三沢漁港で、12月から3月に水揚げされるのが名物ホッキ貝。
甘味があり、シコシコとした歯ごたえとうま味をたっぷり含んだジューシーな味わいの三沢のホッキ貝。成人病予防につながる豊富な栄養成分も含まれているのも特徴。焼く、煮る、蒸す、あえるなどとして幅広い調理方法で楽しめるのも魅力です。
冬しか味わえない、ご当地グルメ「三沢ほっき丼」
「令和5年で15周年! 三沢市の冬限定ご当地グルメ、『三沢ほっき丼』。漁が解禁となる12月には、市内のあちこちで三沢ほっき丼ののぼりがはためきます。三沢のホッキ貝は、遠浅で砂地の海底で洗われるため貝殻が白く、身は加熱するとほんのり桜色に。漁師さんいわく、出荷できるサイズになるまで10年かかるのだとか。どんぶりご飯の上に乗るホッキ貝の調理方法は市内飲食店によってさまざま。ぜひ、旬を逃さず三沢へ食べに来て下さい!」(三沢市役所 経済部産業観光課地産販売推進係・宮古真由美さん)
漁期には、市内の飲食店20数店舗で鮮度抜群のホッキ貝を使った「三沢ほっき丼」を提供。おいしさはもちろん、見た目も華やかな一杯をいくつかご紹介します。
バラエティ豊かな「三沢ほっき丼」
すし飯の上に、長イモのとろろを乗せた「喜久寿司」のほっき丼。生のホッキ貝、あぶりのホッキ貝、自家製のホッキみその3種の味が堪能できる。ほっき丼を山車に見立てた、お祭り気分を味わえる丼ぶりが「炭火焼いろり」の「ほっき山車丼」。ホッキ貝をはじめ、青森の新鮮な魚介類を詰め込んだぜいたくな1杯です。
地元野菜を入れたかやくご飯にホッキ貝を散りばめ、わっぱに入れて蒸した「御食事処 いや川」の「三沢ほっきわっぱ丼」。寒い冬の食事にぴったりです。
三沢産の長イモとゴボウを加えた、「寿司・割烹 福水」の「ホッキ丼」。トロロとホッキ貝がツルリ。サラサラと食べられます。
見た目もインパクト大な「三咲羽や 寿し花館 三沢1号店・三沢堀口店」の「ど~んとほっき天丼」。カラッと揚げたホッキ貝を、マイタケ、青ジソ、エビの天ぷらなどと一緒に豪華な天丼に。
「cafe alouette」の「ほっきパエリア」は、ホッキ貝をはじめ、魚介のうま味を染み込ませたぜいたくパエリア。しっとり&パリッと香ばしいおこげのバランスが絶妙で、食がすすみます。
ほかにも、甘辛のしょうゆダレでサッと炒め、溶かしバターで香りづけした「居酒屋 いっぽう」の「いっぽうほっき丼」や、ホッキ貝のみそ焼き、刺身、バター炒めを丼に乗せた「忍鮨」の「三色丼」(要予約)など、バラエティ豊か。連日で楽しむのもおすすめです。
天然温泉100%かけ流しの宿でリラックス
近郊で宿泊するなら、三沢市から車で30分程度のところにある十和田市内の「天然温泉掛け流しの宿 ホテルポニー温泉 」へ。
八甲田を望む、天然温泉100%かけ流しの露天風呂やサウナ・岩盤浴も楽しめる宿。くつろぎを重視した客室は、庭園つき客室のほか、ベッドを備えた洋室も完備。
夕食は、青森県南地方の名産・さくら肉(馬肉)をメインにしたしゃぶしゃぶやすき焼き、刺身、鍋などさまざまな料理で堪能できる。朝食は「かっちゃ(お母さん)の手づくりバイキング」を用意。
露天風呂と大浴場を備えた自慢の温泉は日帰り利用もできるので、ぜひチェックしてみて。
取材協力/青森県観光企画課、三沢市役所 経済部産業観光課
<取材・文>寺川尚美