青森の津軽五所川原駅から津軽中里駅間の区間を、冬限定で運行する「津軽鉄道ストーブ列車」。だるまストーブで暖を取りながら、車窓から眺める雪景色は格別。今回は、ストーブ列車に乗って旬のメバルを食べる旅をご紹介します。
雪景色とだるまストーブを堪能「津軽鉄道ストーブ列車」
津軽五所川原駅から津軽中里駅間の区間を冬期限定で運行する「津軽鉄道ストーブ列車」。 青森県の奥津軽の雪原を走る「ストーブ列車」は、ダルマストーブで暖まりながら旅ができる人気の列車です。
「昭和5(1930)年に、津軽平野を南北に走る津軽鉄道が開業。開業時から続くストーブ列車の現在の車両は4代目。毎年12月1日から翌年3月31日まで、冬の風物詩として運行されます。旧型客車1両あたり2基設置された石炭だるまストーブで暖を取りながら、車窓に広がる雪原を眺めるとノスタルジックな旅情にひたれます。車内販売で購入できるスルメと地酒を味わうのも旅のお楽しみです」(津軽鉄道 運輸課長・舘山広一さん)
高級魚として人気の中泊産「津軽海峡メバル」
ストーブ列車の旅でぜひ楽しみたいのが、「津軽中里駅」のある中泊町のご当地グルメ「津軽海峡メバル」です。
「中泊町小泊地域で水揚げされるメバルは、『ウスメバル』というオレンジ色の魚です。全国でも津軽半島沿岸地域が主な漁獲地となっており、この地域に産卵場所があります。ほかの地域であまり水揚げされないこの魚は、『津軽海峡メバル』と名づけ全国に出荷されています。津軽海峡の速い潮の流れで育ったメバルは、適度な運動量と豊富なエサを食べていることから肉質がよく、東京豊洲市場では高級魚として扱われており、全国的にも人気。刺身でも煮ても焼いてもおいしい人気の食材です」(中泊メバル料理推進協議会・鈴木メバルーさん)
刺身と煮つけが楽しめる「中泊メバル膳」
2015年に誕生し、2019年にグレードアップしたご当地グルメ「中泊メバル膳」。メバルの刺身姿盛りをはじめ、メバルの煮つけと潮汁がのったおもてなし膳です。プリプリの背の身の刺身は専用しょうゆかいり酒で、香ばしい腹の身のあぶりはエゴ塩で味わうのがおすすめ。
ほかにも、中泊特産のイカソーメンや津軽海峡エゴのりを使ったなめらかな口当たりのようかん、青森県産コシヒカリの代表品種「つがるロマン」のご飯など、地産地消の膳が満喫できます。
愛情たっぷりの「中泊メバル膳」がいただけるのは、「レストラン竜泊(道の駅こどまり内)」や「おさかな海岸」、「はくちょう亭 奈良屋」、「くつろぎダイニング 哲。」(要予約)、「ピュアレストラン」の5店舗。
中泊メバルのお土産もバラエティ豊か
「津軽海峡メバル」を使用した、中泊町でしか買えないオリジナルのご当地土産が続々登場しています。
中泊産のメバルを使った「アクアパッツァの缶詰版」として新たに誕生したのが「メバッツァ」(1個1200円)。温めてお皿に盛りつければ豪華な1皿に。スパークリングワインと相性抜群。
津軽の郷土料理・いずしにメバルのうま味を詰めた発酵食品「メバルいずし」(1個150g・1500円~)。「メバルの煮つけを自宅で食べられたら」とのリクエストで生まれた、レンジでチンする「中泊メバルでチン!」(1箱1尾・1200円)なども好評。
そのほか、中泊町産のメバルやイカやジョロキア(唐辛子)などを使った「ピリ辛アヒージョ缶詰版」の「メバージョ」(1缶・1200円)、「フィッシュボールシチュー缶詰版」の「メバチュー」(1缶・800円)など、お土産に喜ばれる逸品が購入できます。
中泊での宿泊は料理自慢の宿へ
津軽半島の中央部に位置する中泊町(なかどまりまち)。津軽有数の米どころであり、大地の恵と海の幸、どちらも楽しめる町です。
「宿泊は、『福助旅館』がおすすめです。女将が季節ごとの食材を使って真心込めてつくる料理がとてもおいしいですよ」(青森県観光企画課・梅田祐実花さん)
客室は10部屋。Wi-Fi、エアコンも完備され、落ち着いた空間で快適に過ごすことができます。
取材協力/青森県観光企画課、津軽鉄道 運輸課、中泊町水産商工観光課
<取材・文>寺川尚美