魚介のうま味が凝縮。青森のごちそう「八戸ブイヤベース」を味わう旅

多種類の魚介が水揚げされる港町、青森県八戸市のごちそうが「八戸ブイヤベース」です。毎年恒例のグルメイベント「八戸ブイヤベースフェスタ2024」が、3月31日まで開催中。八戸市内外のレストランやホテルでオリジナリティあふれるブイヤベースが登場します。

「八戸ブイヤベースフェスタ」を開催

フレンチ食堂  Saison(セゾン)
今回初参加の「フレンチ食堂 Saison(セゾン)」のブイヤベース

 青森県南東部に位置し、日本有数の水揚げ量を誇る水産都市、八戸市。2011年の東日本大震災で被害を受けた八戸のハマを応援するために、水産業界の若手有志が集まり、誕生したイベントが「八戸ブイヤベースフェスタ」。毎年2月と3月に、八戸市内外のホテル・レストランが趣向を凝らした、ここだけの八戸ブイヤベースを提供。2024年も3月31日まで、八戸市内外16のレストラン・ホテルで味わえます。

「八戸ブイヤベースは、魚介のおいしさや価値を伝えるため、八戸ブイヤベースフェスタの開催とともに生まれました。このイベントは2012年にスタート、今年は12回目で、八戸ブイヤベースは八戸の新・郷土料理になりつつあります。八戸市内外のホテル・レストランのシェフが2つのルールを遵守してつくることで、八戸ブイヤベースを名乗ることができるのです」(八戸ブイヤベースフェスタ事務局・神田国房さん)

2つの条件を満たすと八戸ブイヤベースになれる

Bistro&Bar North40-40  八戸店
「Bistro&Bar North40-40 八戸店」のコースで楽しむミニブイヤベース

 フランス・マルセイユのブイヤベース憲章のように、八戸ブイヤベースも提供店舗に2つのルールを設けています。
 1つ目は、地元・八戸港に水揚げされる魚介類を4種類以上使用していること。また、ハーブ類やニンニク、トマトなど、地元の野菜をできるだけ使っていることも大切なポイント。

 2つ目は、「八戸流は2度おいしい!」。まずは、スープ料理として具材(魚介類)を楽しめるメインの一皿。さらに、スープを生かした各店ごとに異なるオリジナルのもう一皿を用意すること。各店舗で、ブイヤベースのうま味を満喫できるスペシャルな料理に出会えるのです。

 たとえば「Bistro&Bar North40-40 八戸店」では、スペインの伝統魚介料理サルスエラとフランスのブイヤベースの味を融合させたこだわりの逸品を提供。もう一皿の「魚介ムースの軽いグラタン仕立て」とともに、スープの味の変化を楽しむことができます。

八戸魚介のおいしさを実感できるブイヤベース4皿

魚介たっぷりブイヤベース4皿
魚介たっぷりブイヤベースが堪能できる店。左上・八戸プラザホテル内の「レストランジュノー」、右上・「cuisine francaise Yui」左下・「スペインバル リベル」、右下・「RESTAURANTE & BAR SAUDE」

 八戸プラザホテルにある「レストランジュノー」では、複数の魚介、香味野菜、トマトベースのスープに、エビの香りをプラスした、最後の一滴まで飲み干したくなるスープが完成。五徳鍋に入っていて、最後まで熱々を楽しめます。

 魚介それぞれの素材の持ち味を引き出した絶品スープが評判の「cuisine francaise Yui」。もう一皿の「カニのラヴィオリ」とともにゆっくり堪能を。

 立ち飲みバル「スペインバル リベル」では、スペイン版ブイヤベース「サルスエラ」を提供。ニンニクのパンチとナッツの香ばしさが効いていて食欲をかき立てます。

「RESTAURANTE&BAR SAUDE」では、円盤型の鍋・カタプラーナに入ったポルトガル風ブイヤベースを提供。白ワインで蒸し煮した八戸魚介のうま味が広がるスープとともに、もう一皿の「サウーヂのカッペリーニ」とも相性抜群。

創意工夫で新しいブイヤベース4皿

新感覚のブイヤベース4皿
新感覚のブイヤベースが楽しめる4軒。左上・「SAWAUCHI」、右上・「ボワラ」、左下・「Kitchenプルトワ」、」右下・「North40-40三沢店」

 トゲクリガニをベースに、ドンコ、ボータラ、カレイを煮込んだ「SAWAUCHI」のスープは、濃厚なうま味が感じられる一皿。「澤内醸造」の八戸ワインとのペアリングを楽しんで。

 フランス料理のクラシックな技法であるパイ包みでもてなしてくれるのは、フレンチの「ボワラ」。新鮮な魚介のうま味とスープを煮詰めた濃厚ソースに魅了されます。

 オレンジ香るさわやかなスープが魚介のうま味を引き立てる「Kitchenプルトワ」のブイヤベース。特製のアラブ系MIXスパイス・デュカが味のアクセントに。

 正統派のブイヤベースを船型の特選鍋で提供されるのが、「North40-40三沢店」。フェンネルとトマトをふんだんに使い、仕上げにペルノー酒を利かせて八戸魚介のうま味を引き立たせた濃厚なスープが特徴です。

 市内16店舗で展開する「八戸ブイヤベースフェスタ2024」。予約必須や数量限定の店舗もあるため、来店前に必ずHPなどでチェックをお忘れなく。

青森冬の三大祭り「八戸えんぶり」も必見

八戸えんぶり
独特の衣装や舞に目を奪われる「八戸えんぶり」

 この時季の八戸のもう一つのお楽しみが、国の重要無形民俗文化財に指定されているお祭り「八戸えんぶり」。田畑の土をならす農具「えぶり」にその名が由来する、豊作を願う八戸地域に伝わる郷土芸能で、例年2月17日から20日までの4日間開催されます。

 長者山新羅神社(ちょうじゃさんしんらじんじゃ)への奉納から始まり、八戸の中心街で30数組が一斉に舞を披露する「一斉摺り(いっせいずり)」や明治期に建てられた豪商の旧家で観る「お庭えんぶり」など、さまざまな催しが行われます。

「太夫(たゆう)」と呼ばれる舞手が馬の頭をかたどった華やかな烏帽子をかぶり、頭を大きく振る独特の舞が見どころ。その舞は、稲作の一連の動作である種まきや田植えなどを表現しているそう。また、えんぶり摺りの合間に行われる子どもたちのかわいらしい祝福芸も見どころです。

温泉もラウンジも充実した八戸の宿

カフェ&バーラウンジ
カフェ&バーラウンジは宿泊者以外でも利用可
大浴場
手足を伸ばして寛げる広めの大浴場

 宿泊は、八戸市の中心街に近いロケーションにあり観光の拠点としても最適な「ホテル グローバルビュー八戸」へ。広い温泉大浴場があり、湯上りには生ビールなどを飲みながらラウンジでゆっくりくつろげるのも魅力。

 二股ラジウム温泉の原石を使用した炭酸カルシウム人工温泉大浴場には、男湯・女湯ともにサウナも完備。また、ワークスペースやライブラリもあるカフェ&バーラウンジ、八戸の街並みが見下ろせる最上階のレストラン(営業時間6:30~9:30)も。木目調を生かした落ち着いた客室で、ゆっくり旅の疲れを癒して。

取材協力/八戸ブイヤベースフェスタ事務局
<取材・文>寺川尚美