「大の里」の地元、石川県津幡町を訪ねて関取の大好物すしやワッフルを堪能

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第72回:多賀祐子アナ(石川県)]―

全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化など地方の魅力をお届け。今回は石川県在住の多賀祐子アナが、史上最速初優勝で話題の地元出身力士、大の里関ゆかりの地を紹介します。

相撲王国・石川が生んだ津幡町出身の大の里

初優勝祝賀会の様子

 2024年大相撲夏場所で初優勝した大の里(おおのさと)は、石川県津幡町(つばたまち)出身の力士です。初土俵から7場所での優勝は史上最速で、石川県出身力士の幕内優勝は25年ぶりの快挙だったため、県内では号外が配られるなど、まさに大の里フィーバー! 令和6年能登半島地震の被災地に勇気と元気を与えるビッグニュースとなりました。

 6月2日には金沢市内で優勝祝賀会が開かれ、地元・津幡町の庄町青年団も獅子舞を披露するなど、地元のヒーロー誕生に華をそえました。津幡町は、筆者のふるさとでもあります。筆者も地元の魅力を新たに発見すべく、大の里ゆかりの地や行きつけのお店を巡ってみました。

化粧まわしに描かれている「火牛の計」の地

多賀アナ

 大の里は、津幡町後援会から贈られた「火牛(かぎゅう)の計」をモチーフにした化粧まわしを、大相撲夏場所千秋楽で着用していました。皆さんは「火牛の計」をご存じでしょうか? 歴史好きな方はピンとくるかもしれませんね。倶利伽羅(くりから)源平合戦にまつわるエピソードのひとつです。

火牛の計モニュメント

 寿永2(1183)年、源氏と平家による倶利伽羅源平合戦の舞台となったのが、石川県津幡町と富山県小矢部(おやべ)市にまたがる倶利伽羅峠です。平維盛率いる平家軍は約10万人、木曽義仲率いる源氏軍は約4万人と、源氏は兵士の数で圧倒的に不利でした。しかし、源氏が平家の大軍を破る奇策を打ち出します。400から500頭もの牛の角にたいまつをつけ、平家の陣に突入したのです。夜半の襲撃に平家軍は混乱し、人も馬も地獄谷に突き落とされた、という言い伝えです。

夢街道ウォークの様子

 火牛のデザインは大の里からのリクエストだそうで、ふるさと津幡を愛する気持ちと、町の期待を背負って土俵に立つという強い思いを感じる、あたたかいエピソードですよね。
 倶利伽羅峠では、毎年春に小矢部市側と津幡町側に分かれて散策を楽しむイベント「くりから夢街道ウォーク」が開かれており、かつて参勤交代でも使われていた道を楽しむことができます。

全国からファンが来店。大の里が行きつけのすし屋

店内の様子

 続いて、魚好きの大の里が入門前によく食べに来ていたというすし店「鮨正」(石川県河北郡津幡町庄ト116)をご紹介。店内には大の里の手形があり、自分の手と並べてみるといかに大きいかが分かります。ホワイトボードには手書きの星取表もあり、相撲愛にあふれています。

寿司

 板前さんによると、大の里は3人前ほどを平らげるんだとか。ランチは1450円からと、リーズナブルな価格。相撲好きのお客さんが集い、握りたてのすしをほおばりながら、板前さんと相撲談義に花を咲かせていました。噂を聞きつけて県外からも(遠くは四国からも)相撲ファンが訪れるそうですよ。

町出身アスリートが愛するベルギーワッフル

もみの木カフェ外観

 食後のデザートには、大の里関が大好物だというベルギーワッフルはいかがでしょうか。ベルギー人の夫と、ベルギーとフランスで学んだパティシエの妻がつくる本場ベルギーワッフル&ベルギーポテトの専門店「もみの木カフェ」(津幡町清水チ332-2)です。

 大の里関のお気に入りのワッフルは「ショコラフォンダン」。祝賀会で石川県に凱旋した際も、もみの木カフェ金沢駅あんと店で購入していました。新潟で過ごした高校時代は、ご家族が仕送りでワッフルを送っていたんだとか。

ベルギーワッフル

 店主によると、大の里関から「オリジナルワッフルをつくりたい」とリクエストされているそうなので、近いうちに「だいきくんワッフル(仮)」(「だいき」は大の里関の本名)が誕生するかもしれません。

 もみの木カフェは、同じく津幡町出身のアスリート、レスリング女子で五輪2大会金メダルを獲得した金城(川井)梨紗子選手と、梨紗子選手の妹で同じく東京五輪金メダリスト・友香子選手も通っています。町出身の最強アスリートたちが愛するスイーツとは、なんとも縁起がいいですよね。

欧勝海関(左)と大の里関(右))

 町出身力士は大の里だけではありません。大の里の少年相撲教室の後輩でもある欧勝海(おうしょううみ)もいます。

津幡城跡の高台からの景色

 相撲のまち、レスリングのまちとしてスポーツ選手を送り出している津幡町。今回は大の里ゆかりのスポットをピックアップしてご紹介しましたが、ほかにもおいしいお店や歴史を感じる名所がいくつもあります。金沢から電車で約13分、車で約10分とアクセスもいいので、ぜひ彼らのパワーの源を感じて、味わっていただけたらうれしいです。

<取材・文・写真/多賀祐子(地方創生女子アナ47)>
<写真協力/津幡町>

多賀祐子アナ
石川県在住。大学を卒業後、金沢ケーブルで9年間アナウンサーを務めフリーに。アナウンス業のほか、話し方講座のレッスンやクッキー教室の講師業も行っている。2児の母で小学校PTA会長を2年務めるなどPTA活動にも力を入れている。

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第72回:多賀祐子アナ]―

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