大分県九重町、標高777mのつり橋から眺める絶景紅葉。見頃は11月下旬から

大分県の南西部に位置する九重町(ここのえまち)は、日本屈指の高原美を誇る飯田高原や、広大な大地の随所にわき出る九重“夢”温泉郷など魅力がたっぷり。とくに、九重“夢”大吊橋から眺める紅葉は息をのむ美しさ。大自然、温泉、グルメなど、秋のおすすめスポットをご案内します。

くじゅう連山や九酔渓の紅葉を楽しめる九重町

渓谷と見事な色の紅葉
九酔渓の紅葉は息をのむ美しさ

「九重町は、九州の屋根と呼ばれるくじゅう連山の麓に広がる、大自然に包まれた高原と温泉のまちです。九州のなかでも高所に位置し、10月中旬頃から紅葉シーズンが始まります。赤や黄色に色づいたくじゅう連山や九酔渓(きゅうすいけい)、風にそよぐ銀色のススキなど、思わずため息がこぼれる程の絶景をお楽しみいただけます。また、散策で冷えた体は温泉で温めてリフレッシュ! 個性豊かな温泉で心も身体もくつろげます。見て、触れて、浸かって、五感を刺激する自然あふれる九重町を満喫してみませんか?」(九重町 商工観光・自然環境課/麻生賢宏さん)

 大分県の九重町へは、高速道路を利用すれば、大分空港から1時間ほど。別府から約40分、熊本県阿蘇エリアから約1時間、博多からは約1時間30分と、車を利用すればアクセスしやすのもポイントです。

標高777mの九重 “夢”大吊橋から望む紅葉

真っすぐにかかる九重 “夢 ” 大吊橋と紅葉
天空の散歩道、九重 “夢 ” 大吊橋はスリル満点

 九重町でもっとも人気の観光スポットが、九重 “夢”大吊橋。標高777mの渓谷にかかる長さ390m、高さ173mの人が渡る吊橋としては日本一の高さを誇ります。目の前には、「日本の滝百選」にも選ばれた震動の滝・雄滝、足下には筑後川の源流域を流れる鳴子川渓谷の渓谷林が広がっています。また三俣山や涌蓋山(わいたさん)など雄大なくじゅう連山も望め、360度の大パノラマを堪能できる。

遠くからの九重 “夢 ” 大吊橋の景観
九酔渓の圧巻の紅葉を橋の上から楽しめる

 玖珠川流域の両岸に約2㎞に渡って連なる断崖絶壁の九酔渓。紅葉の絶景スポットとしても知られ、九重“夢”大吊橋から望むことができます。紅葉の見頃は、例年10月下旬から11月中旬。吊橋全体を見渡せる絶景ポイント「展望広場」で、紅葉に包まれた大吊橋をバックに記念写真を。大吊橋を渡るには、入場券の購入が必須です。

秋は、泉水山麓のススキも見どころ

泉水山のススキの風景
ススキが揺れる高原の中をドライブ

 長者原と筋湯温泉を繋ぐドライブロード(通称・泉水グリーンロード)をドライブするのもおすすめです。泉水山の麓にある草原では、10月上旬から11月中旬頃、ススキが見頃に。風にそよぐ銀色の穂は、思わずため息が出るほどの美しさ。

12の温泉地が点在する九重 “夢” 温泉郷

にごり湯をたたえた露天風呂
紅葉を眺めながら浸かれる「九酔渓温泉」

 今なお噴気をあげる活火山であるくじゅう連山。その麓にある九重町には、泉質や効能の異なる個性豊かな温泉が点在し、九重 “夢” 温泉郷として親しまれています。

 12ある温泉地のなかでも、紅葉とともに楽しめるのが「九酔渓温泉」。50℃と熱めの湯は茶褐色で、浸かれば美肌になると評判の温泉。源泉かけ流しの温泉を個室で楽める「渓谷の宿 二匹の鬼」と、立ち寄り湯としても利用できる「ホタルと絶景の宿 つれづれ」などがあります。

光が差し込んで明るい浴場と温泉の大きな浴槽
ひなびた雰囲気が人気の共同温泉「筌の口温泉」

「筌の口(うけのくち)温泉」は、鉄っぽい独特のにおいと黄褐色のにごり湯が特徴の湯治湯。文豪・川端康成が小説「波千鳥」を執筆するために滞在したことでも知られる温泉です。九酔渓や震動の滝などの景勝地に近く、温泉周辺には宿もあり、山の幸をふんだんに使った山家料理がいただけます。

地産地消のグルメや地酒もおいしい

ハンバーガーとソフトクリームとボーク丼
左上・牧場等で楽しめるソフトクリーム、左下・名物の九重“夢”ポーク丼、右・地元食材をふんだんに使った九重“夢”バーガー

 九重町を訪れたらぜひ味わいたいのが、地産地消グルメ。九重の大自然が育んだブランド豚「九重“夢”ポーク」と九重産の野菜が一度に楽しめるのが、「九重“夢”ポーク丼」です。きめ細かく柔らかでジューシーなおいしさのお肉は、一度食べたらやみつきに。

 長崎県佐世保市と姉妹都市であることから誕生したのが、「九重“夢”バーガー」。豊後牛や高原野菜など地元食材を使ったハンバーガーは、九重町でしか味わえません! 地元天然水でつくった「九重四季サイダー」と一緒にどうぞ。

 九重町は、ソフトクリームの激戦区。牧場や店舗で食べ比べてみては?

3本並んだ日本酒
八鹿酒造の日本酒。左から、「八鹿純米大吟醸」の「金」と「銀」、「八鹿スパークリング Niji」

 お土産にぴったりなのが、くじゅう連山の清らかな伏流水から生まれた地酒「八鹿純米大吟醸」。口に含むとじんわり米のうま味が広がる「金」と、上品な香りと優美なキレが特徴の「銀」がおすすめ。

 力強くきめ細かな泡立ちで、日本酒ならではの米のうま味と優しい香りが堪能できる、純米酒のスパークリング「八鹿スパークリング Niji」も必須です。

やまなみハイウェイ60周年を記念したバスツアーも

山に向かって真っすぐにのびている道路
由布院・九重の主要スポットを巡るバスツアー

 一人旅にもおすすめなのが、秋のやまなみハイウェイとくじゅうの雄大な景色を貸切バスで満喫するバスツアー「湯布院発着 やまなみ周遊バス」。九重 “夢” 大吊橋をはじめ、タデ原湿原、男池などを巡る日帰りツアーです。タデ原湿原と男池では地元のガイドが案内。ランチは大分県の食材を使ったおすすめメニューが味わえます。期間は、2024年10月から11月まで限定なのでお見逃しなく。

大分県・九重町観光情報

取材協力/九重町 商工観光・自然環境課

<取材・文>寺川尚美