ドーナツ型の湖を発見。スマホで楽しく旅のプランをつくる方法

[ふるさと旅を10倍楽しくする!/石田宜久/第8回]

観光ホスピタリティコンサルタントとして、国内外のあらゆる地に足を運んできた石田宜久さん。そんな観光のプロが綴る「ふるさと旅を10倍楽しくする」方法とは? 今回は、スマホを活用した旅先選びやプランニングの方法についてです。外出が難しいときでも、スマホでイメージを膨らませて楽しめそう!

行き先に迷ったら、スマホを駆使してみよう

 この連載で何度か「ぜひ旅に出るなら、自分らしいオリジナル旅へ!」とオススメしてきました。私は「楽しい旅のつくり方」をご紹介する教室も開催しているのですが、なかにはこんな人がいらっしゃいます。

「そもそもどこへ行こうか迷う」
「行きたいところはあるけど、どうやって選ぼうかわからない」

 旅へのモチベーションはあるのに、どこへ行こうか決めかねる方、結構いるようです。そこで今回は、旅の目的地を選ぶ方法をひとつご紹介しましょう。

 以前は「最近の若いコは旅に出ない」と言われていましたが、近年は若い人たちも旅に出ています。観光地を盛り上げる仕事をしている私にとっては嬉しいことなのですが、彼らはどのように旅先を決めているのでしょうか? もちろんさまざまな方法で旅先を見つけているのですが、イマドキっぽい方法として、InstagramやFacebookといったSNSで「映えている」スポットに足を運んでいるケースが挙げられます。

 ただ、なかにはそうしたSNSを使っていない人もいるでしょう。そこで、「Google」を駆使した旅先探しを例に挙げてみます。

洞爺湖
Google Earthを使って上空から見た、不思議な形をした湖。ここはどこでしょう?

 こちらはグーグルの提供する「Google Earth」です。ある程度地形が分かるくらい近寄ってみてください。すると、このようなドーナツ型の湖を発見しました。こんなちょうど真ん中に島がある湖ってどこでしょうか? わかりますか? このように、気になったところを見つけたら思い切ってそこを次の旅の目的地にしてしまいましょう!

 また、Googleであれば、この気になった地を見つけたら、そのままGoogle Mapに移動すれば、そこへの行き方も検索できてしまいます。必要であれば、飛行機や特急電車の予約まで一気にできちゃうんです。

 必要であれば「マイマップ機能」で地図も作ってしまうこともできます。「マイマップ」は簡単にいうと、旅のしおりが作れてしまう機能です。50以上のアイコンと20色以上の色変更が可能で、気に入ったスポットにピンを付けてメモを入れることもできます。いやはや、Googleって旅づくりには大変便利なんです。
(※「マイマップ機能」はパソコンのブラウザ版でのみ作成可能です。スマホ版やアプリからは、作った地図をレビューのみ可能です。パソコンで作って、旅先で活用してください)

上空から見た景色と、目で見た景色。その差を楽しむのも醍醐味

洞爺湖
「日本百景」「新日本旅行地100選」「美しい日本の歩きたくなるみち500選」などに選定されている北海道の洞爺湖

 ちなみに先ほどGoogle Earthでチェックしたのは、2008年に開催された北海道洞爺湖サミットの舞台となった湖、北海道の洞爺湖です。筆者は実際に訪れたこともあるのですが、横から湖を眺めていても、真ん中に島があるようには見えません。

 ここがもうひとつの面白いところ、Google Earthを利用すれば、疑似的ですが「空中散歩」もできることです。

 Google Earthを利用して上空から見た景色と実際の景色とでは、まったく違った発見ができるのです。事実、旅先では上空からその地を見ることは、飛行機やヘリコプターを使った空中散歩をしない限り、基本的にはできません。逆に、地図上ではなかなか高低差や距離感まではわかりませんから、実際に訪れた際には想像していなかったような光景に出会い、感動を覚えることもあります。こんな楽しみ方ができるのも、スマホ時代だからこそとも言えますね。

空中散歩が簡単にできるからこそ、こんな発見も!

古墳
Google Earthを使って上空から見た大阪府の「百舌鳥・古市古墳群」

 これはユネスコの世界遺産に新たに登録された、大阪府の「百舌鳥・古市古墳群」。よく旅行雑誌やテレビなどでは、世界一大きな面積を誇る仁徳天皇陵がピックアップされることがほとんどですが、今も残されているのは44基。この地域には他にもたくさんの古墳が残されているのです。Google Earthを見ると、仁徳天皇陵の周りにも小さな古墳がいくつか集まっているのがわかりますね。仁徳天皇陵丘は全長約486mで三重の堀に囲まれているので、その規模の全貌は掴めません。実際に歩いてみても、なかなか実感が湧かないという難点があるのですが、そこをカバーしてくれるのが上空からのイメージ。自分が今いるであろう位置をGPSで照らし合わせると、少し見方が変わるものです。

 旅先の予約や情報を得るのにインターネットが活用されているように、ネットを駆使すれば地図も旅の楽しさのひとつとして活用できます。今では地形図や航空写真などさまざまな地図を簡単に見ることができるので、これらを活用して旅を作ってみて、実際にそれを現地で活用してみると、ただの地図アプリだけに止まらず、旅を快適にしてくれる情報源になることも忘れないでください。

[ふるさと旅を10倍楽しくする!/石田宜久/第8回]

観光ホスピタリティコンサルタント 石田宜久さん
DiTHi(ディシィ)代表。世界最大規模の専門家ネットワーク・外資系リサーチ会社「ガーソン・レーマン・グループ」のカウンシル・メンバーを務める。これまでにセミナーや講演会、観光系専門学校の講師、島根県経営力強化アドバイザーなども経験。趣味は登山、ラグビー、スポーツ玉入れ
https://www.dithi.net/