富士山がきれいに見える絶景ポイントは各地にありますが、なかでも均整の取れた美しい姿が見られるといわれているのが、富士吉田市。そのとっておきスポットを富士吉田市役所・富士山課の担当者に紹介してもらいました。
富士吉田市なら左右均等で美しい富士山が間近に見られる
山梨県と静岡県の県境に位置し、見る場所によってさまざまな表情を見せてくれる富士山。なかでもその雄大さと美しさを間近に感じられるのが、山梨県富士吉田市からの眺めです。
「富士吉田市から見る富士山はとにかくデカイ! 外から来た人は、みなさんその大きさに驚かれます」というのは、富士吉田市役所・富士山課の五味慎二さん。
「麓というか坂の途中にある街なので富士山までの距離が近く、山の形も左右均等になだらか。青空をバックに裾野まできれいに見えるんです」
そんな富士吉田市で、春からゴールデンウィークにかけてとくにおすすめの穴場ビュースポットを、五味さんに紹介していただきました。
街中の富士山
市内のほぼどこからでも富士山が見える富士吉田市。なかでも、ひと味違うフォトジェニックな風景が撮れるとSNSで話題のスポットが、市の中心部を通る「本町通り」です。商店街の看板やちょうちん、雑多に交わる電線の奥にそびえ立つ巨大な富士山は圧巻!
「さらに、本町通りの左には昭和通り、右には西裏通りがあり、どの道も富士山に向かって真っすぐのびているので、正面に富士山を捉えられます」
新倉山浅間公園(あらくらやませんげんこうえん)
富士山のビュースポットとして絶対外せないのが「新倉山浅間公園」。春には約650本もの桜が咲き誇り、新倉山の中腹にある展望デッキから“富士山”と“五重塔”、そして“桜”を一度に楽しめる超人気スポットですが、じつはここにも穴場が。
「観光客であふれる展望デッキから少し公園内をずれていくと、桜で隠れていた眼下に街並みが現れてきます。均整のとれた美しい富士山とともに広大な街を見下ろせるので、定番スポットでも、違った味わいの景色が楽しめますよ」
農村公園
一方、のどかな田園風景とともに富士山を満喫できる穴場のビュースポットが「農村公園」。ここで注目されるのが“農鳥(のうとり)”です。
農鳥とは富士山の北西斜面、7~8合目付近のくぼみにある残雪が鳥のような形をしていることからそう呼ばれ、富士五湖地域の農作業を始める季節になったことを知らせてくれる地元の風物詩。「例年ゴールデンウィークを過ぎて5月中旬ごろになると、段々畑の向こうにそびえ立つ富士山の山肌にくっきりと農鳥が見えてきます」。農鳥がしっかりと確認できる年は豊作になるともいわれているとか。
「さらに田植えの時季には、朝方6時ごろでしょうか、タイミングが合えば田んぼの水に写り込んだ美しい逆さ富士を見ることができます」
杓子山(しゃくしやま)
最後は、「関東富士見百景」にも選定されている「杓子山」。標高1598メートルの低山ながら、市街地では味わえないダイナミックな富士山を登山コースのいたるところから眺めることができます。とくに「天空の鐘」が設置された山頂からは、迫力ある富士山を麓から頂上まで眺められるほか、南アルプスや白峰三山、大菩薩山系など360度大パノラマの絶景が広がります。
街中から山頂まで、見る場所や季節によってさまざまな表情を見せてくれる富士山。ぜひ季節ごとに足を運んで、お気に入りの景色を見つけてみてはいかがでしょう。
<取材・文/カラふる編集部>