―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第18回:塩原桜アナ(山形県)]―
全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化などさまざまな角度から地方の魅力をお届け。今回は女子アナ47メンバーの塩原桜(しおばらよしの)アナがレポート。山形の水族館から雨の日が楽しくなる傘を紹介します!
展示数は世界一!神秘の世界が広がるクラゲ水族館の魅力
みなさんは「世界一のクラゲ水族館」をご存じですか? 1930年に創立し、2014年6月にクラゲドリーム館としてリニューアルオープンした山形県鶴岡市の「加茂水族館」です。年間の入館者は年間およそ50万人。庄内の海の魚の展示や、アシカやアザラシのショーなど一見すると一般的な水族館のようでもありますが、館内では常時60種類ほどのクラゲを展示していて、その展示種数は世界一を誇ります。
中でも圧巻なのは直径5 メートルの水槽「クラゲドリームシアター」です。浮遊するのはおよそ1万匹のミズクラゲ。キラキラと輝きゆらめくクラゲにうっとりしていると、時間が過ぎるのも忘れてしまいます。
そのほかにも、クラゲの赤ちゃん「エフィラ」などクラゲの成長する過程を顕微鏡で観察できるコーナーや、クラゲについて解説するプログラム「クラゲのおはなし」など。見るだけでなく詳しく知ることもできるクラゲの展示が館内にずらりと並んでいます。ライトアップされた幻想的な姿に、心を奪われ、年に何度も足を運んでしまう人も少なくありません。
「ミズクラゲ」「タコクラゲ」「アカクラゲ」の3種類がモデルに
そんな加茂水族館が今回製品化したのが「クラゲの傘」です。通販サイト「フェリシモ」の「すっかり見慣れた日常がもっと楽しく、もっと笑えるように」をコンセプトとする雑貨ブランド「YOU+MORE!」に登場しました。きっかけは加茂水族館のクラゲ担当の飼育員・菅野響樹さんの発案でした。
「前からクラゲの傘をつくりたかったんです。クラゲをモチーフにした傘のアイデアは昔からあったんですが、リアルな質感を表現したものは今までありませんでした。つくろうと画策するも、素材や製造ラインなどを考えるとハードルが高く…。そこで、母親が使っていたことで昔から知っていたフェリシモに『リアルなクラゲの傘をつくりたい』と去年の秋ごろに話をもちかけました。するとすぐに連絡がきて、フェリシモ側も好反応。いくつかのクラゲグッズを提案したところ、本命の傘を開発することになりました」(菅野さん)
フェリシモとの話し合いの末、傘のモデルになったのは「ミズクラゲ」「タコクラゲ」「アカクラゲ」の3種類。
「ミズクラゲ」は、透き通るようなグラデーションと優しいシルエットが特徴です。
一般的な雨傘に近い形ではあるものの、傘のすそのカーブがそのかわいらしさを表現してくれています。
本来は白く透き通ったクラゲですが、水の中で泳ぐ姿をイメージし、水色に仕上げました。菅野さんはデザインの中でも特に「水管」にこだわりが。水管は栄養などを運ぶ重要な器官で、中心から外側に向かって伸びているものです。ミズクラゲの場合、分岐するものとしないものがあり、分岐しない水管の本数が8本とちょうど傘の骨と同じです。そこで、分岐しないものを骨の部分に合わせて、分岐するものをプリントでデザインしています。
「タコクラゲ」は丸いフォルムと模様が特徴的です。
傘の形も実際のクラゲのように少し高さがあり、包み込むようなドーム型のデザインになりました。一見かわいいドット柄の傘ですが、クラゲ好きの人が見れば、褐虫藻のオレンジ色や、その細かいドットにタコクラゲを思うこと間違いなしです!
そして「アカクラゲ」もドーム型です。アカクラゲの縞模様は16本のため、傘の模様もまったく同じ本数に。飼育員のみなさんからは最もリアルだと評判のデザインです。
また、個体によって差がある種類のため、どれをモデルにするかが最も悩んだポイント。菅野さんもおすすめの傘だそうで「アカクラゲに捕食されているミズクラゲの気分になれる傘」と、ハイテンションで答えてくださいました。強い毒をもつアカクラゲの妖しい美しさにみなさん、メロメロです。
3種類とも傘の親骨と受骨は、強度もあり見た目を邪魔しないグラスファイバー製。デザインや仕様についての打ち合わせは電話やメール、直接水族館で、など合わせて十数回に及び、紙ベースのデザインの打ち合わせが終わった後も透け方にこだわるためにビニールに印刷するなど、試作を繰り返しました。手に取ったときの感動もひとしおだったとか。
どのクラゲも飼育員さんの愛とこだわりが詰まったデザインになりました!
飼育員の菅野さんは「気持ちまでどんよりしがちな雨の日に、この傘を使ってクラゲの下にいる気分でお出かけを楽しんでほしい」と話していました。
傘は6月下旬から加茂水族館内のグッズショップ「海月灯り」で販売を開始。初回に3000本入荷したものの、2~3週間で完売するほどの人気ぶりでした。
「フェリシモ」のサイトからも購入が可能ですが、現地で買うと、クラゲの赤ちゃん「エフィラ」のチャームがおまけについてきます。傘の持ち手に付けられてかわいらしいこのチャームもデザインの検討段階で現地に足を運んでもらい、形や質感を再現しました。
現在は再入荷し、全種類手に取れるようになっていますが、すでに水族館内では5000本ほどが売れているそうです。
<取材・文・撮影/塩原桜(地方創生女子アナ47)>
―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第18回:塩原桜(山形県)]―
塩原桜アナ
埼玉県のニュースキャスターを務めながら自ら各地に取材にも赴き、特番やCM、情報番組内のナレーション、リアルイベントのMCなどを経験。また、インターネットサービスやITに興味津々。視聴者と配信元をリアルタイムでつなぐ橋渡し役として双方向のweb生放送の進行も数多く経験。また、食べることが大好きで、特に白ご飯とかき氷、ラーメンをこよなく愛している
地方創生女子アナ47
47都道府県の地方局出身女子アナウンサーの団体。現在100名以上が登録し、女子アナの特徴を生かした取材力と、個性あふれるさまざまな角度から地方の魅力を全国にPRしている。地方創生女子アナ47公式サイト