―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第19回:牛島奈津子アナ(宮崎県)]―
全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化などさまざまな角度から地方の魅力をお届け。今回は女子アナ47メンバーの牛島奈津子アナが宮崎の旬な情報をレポート。大きな車窓から海の景色、山の景色が楽しめる特急「海幸山幸」の魅力を紹介します!
神話「海幸山幸」とめぐる宮崎の列車旅
「神話のふるさと」ともいわれる宮崎県は、神話の世界を彷彿とさせる雄大な自然や神社、史跡が数多く見られます。「海幸山幸」の物語も有名な神話の1つ。
漁が得意な兄の海幸彦(うみさちひこ)と猟が得意な弟の山幸彦(やまさちひこ)。ある日、兄弟はお互いの道具を交換し、山幸彦は魚釣りに海へ、海幸彦は獲物をとりに山へ出かけましたが、どちらもうまくいかず、山幸彦は兄が大切にしていた釣り針を失くしてしまいます。山幸彦が謝っても、自分の剣から1000もの釣り針をつくって渡しても、兄に責め立てられ、許してもらえませんでした。
山幸彦が困り果てていたところ、潮流の神である塩椎神(しおつちのかみ)が、小舟をつくって海神である綿津見(わたつみ)の宮殿に行くように言いました。
宮殿へ行った山幸彦は海神に歓迎され、娘の豊玉姫(とよたまひめ)と結婚。綿津見神宮で楽しく暮らすうちに3年もの月日が経ってしまいます。山幸彦は地上へ帰るため、豊玉姫から、見つかった兄の釣り針と霊力のある玉をもらい、その玉を使って海幸彦をこらしめ、忠誠を誓わせたというものです。
特急「海幸山幸」に乗って日南海岸を巡る旅へ
宮崎市の宮崎駅と日南市の南郷駅を繋ぐ、特急「海幸山幸」はこの神話に登場する兄弟をモデルにした、鉄道ファンなら一度は乗りたいと思う人気の列車です。
「海幸山幸」の物語と出会ってからずっと乗りたいと思っていた「特急海幸山幸」。念願かなって先日、乗ることができました。列車は、週末を中心に、宮崎県の中心部にある宮崎駅と、南部に位置する歴史と自然あふれる観光の街、日南市の南郷駅との間を1日1往復しています。(夏休みなど、平日運行しているシーズンもあります)所要時間は、約1時間40分。2両で編成されていて、それぞれ「海幸」、「山幸」と名付けられています。
1号車は山をイメージした茶系、2号車は海をイメージした青系で統一されていて、とてもすてきです。車内は、南国の太陽が降り注ぐゆったりとした開放的な空間で、シートやインテリアは、地元名産の飫肥杉をふんだんに使っていてリゾート感たっぷり。
そして、車窓から地元の銘木、飫肥杉(おびすぎ)の森や、青く広がる海などの絶景が。宮崎ならではのマンゴー果汁を使ったさわやかなマンゴーサイダーや、「海幸山幸」の神話にちなんでつくられた焼酎のほか、ご当地スイーツ、チーズ饅頭なども楽しめます。おいしいものを食べながら、話に花が咲くこと間違いなし。
日南海岸の名物「鬼の洗濯板」は、約700万年前にできた岩が長い年月をかけて隆起し、波に侵食されてできた自然が生み出した不思議な岩。干潮時には、ビューポイントで列車を停車させるので、ゆっくり窓の外を楽しむことができます。
また、特急「海幸山幸」が描かれたタオルやクリアファイル、キーホルダーなど、車内限定販売のオリジナルグッズもありましたよ! 要チェックです。(販売内容は、変更になる場合もあります)
客室乗務員が「海幸山幸」の紙芝居サービスも
途中、客室乗務員による手づくりの紙芝居が披露されました。もちろん内容は、列車名の由来にもなっている神話「海幸山幸」。大人も子どもも神話の世界にグッと引き込まれていました。さらに、夏休みだったこともあり、オリジナルうちわをつくるイベントも。こういったおもてなしが一番の思い出になりますよね。
最近は車で出かけることが多いですが、列車の旅ものんびりとしてよいもの。九州にはほかにもいろいろな列車がありますので、ぜひ一度列車の旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
特急「海幸山幸」の料金(大人片道・指定席利用の場合)
乗車券・特急券あわせて2360円
詳しくはJR九州のホームページへ
<取材・文・撮影/牛島奈津子(地方創生女子アナ47)>
―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第19回:牛島奈津子(宮崎県)]―
牛島奈津子アナ
福岡県太宰府市出身。現在は宮崎県在住で、宮崎サンシャインFMパーソナリティを務める。宮崎日日新聞社が発行する生活情報誌のサポーターとして、取材やリポーターを担当。3人の子育ても真っ只中
地方創生女子アナ47
47都道府県の地方局出身女子アナウンサーの団体。現在100名以上が登録し、女子アナの特徴を生かした取材力と、個性あふれるさまざまな角度から地方の魅力を全国にPRしている。地方創生女子アナ47公式サイト