心打つ名句が続出! 高校日本一を決める「俳句甲子園」がスゴい

俳句甲子園ステージ
地方予選を勝ち上がった32チームが松山市に集結

日本一の俳句をチーム戦で決めていく

「甲子園」と言えばだれもが高校野球を思い浮かべますが、じつは全国にはさまざまな甲子園があります。まんが甲子園、アニメ甲子園、M-1甲子園、ダンス甲子園などなど。そんな中で、全国の高校生をアツくさせる甲子園があります。それが、愛媛県松山市で行われている俳句甲子園です。

 俳句甲子園は1998年に創設され、今年で22回開催されている歴史のある大会。松山市は近代文学に大きな影響を及ぼした正岡子規や高浜虚子といった俳人を排出し、夏目漱石の小説『坊っちゃん』の舞台となったことでも有名な街で「俳都松山」と呼ばれるほど俳句が盛んな街です。

 街中には至るところに俳句ポストが設置され、小学校の授業や夏休みの課題でも俳句を作ることは当たり前。俳句は松山市民の魂と言っても過言ではないほど浸透しているのです。

 そんな松山市で開催される俳句甲子園の内容ですが、まず各学校が5人一組でチームを組み、事前に与えられた兼題(事前に出しておくテーマ)に沿って句を作ります(ちなみに、2019年の地方予選の兼題は「風光る」「ぶらんこ」「蝶」「カーネーション」)。

 試合ではその練り上げたお互いの句を発表し合い、俳句の出来そのものを評価する「作品点」、自分の俳句の良さをプレゼンし、相手の句の弱点もしくは作者自身が気づいてない句の魅力を見つける「鑑賞点」を審査員である5人の俳人たちが評価。1試合、先鋒・中堅・大将の3句で勝敗(試合の形式により5句勝負になる場合もある)を争い、日本一の高校を決めていく、まさに甲子園のような熱い戦いが展開されていくのです。

俳句甲子園審査員
「作品点」とプレゼン力なども問われる「鑑賞点」をもとに5人の審査員が評価
高校生円陣
賢明に作成した俳句だからこそ、高校生たちの想いもひとしお