全国のさまざまな返礼品を取り寄せている、ふるさと納税コンサルタントの小野くみさん。いつも楽しくおいしい情報を届けてくれます。今回は、これからブレイクするかもしれない、すてきな野菜をご紹介。
新たに出会った返礼品のミニトマトとピーマン
春爛漫なこの時季、ゆっくりとお花見をすることはできなくても、道すがらの花々を見かけるだけでも癒されています。そんな春の訪れは、スーパーに並ぶタラの芽や菜の花などからも感じ、春の味覚を見かけると買わずにはいられません。
さて最近、ビックリするような返礼品にたて続けに出会ってしまいました。もちろん、たまにテンションが上がるお品に出会うことがあるのですが、立て続けなのは珍しいこと。春がニョキニョキと私のもとへやってきたのでしょうか?
もちろんランキングなどから選ぶ返礼品のよさもわかるのですが、あまり知られていないお品なのに、箱を開けたときの香りや美しさ、手にしたときのハリ、箱に入っていたお手紙、すべてが合格点。しかもデビューしたてで、あまり情報が出ていない品を見かけたときは、スターの原石を見つけたような気分になります。
「推しを見つけた、私の推しを見て見て~」といった気持ちです。
今が旬、宮島農園のミニトマト
その1つは熊本県八代市、宮島農園さんのミニトマト。熊本県と言えばトマトの生産量が日本一です。そういえばトマトのパッケージにくまもん、よく見かけます。実は、1年中買えるトマトにもやはり旬があり、熊本のトマトの旬は冬から春にかけて。まさに今がその旬なのです。
宮島農園さんはご夫婦2人で営まれている農園。トマトにストレスをかけないようにつんだその手で箱詰めしたり、トマトの根元にバジルを植えて水分調整したり、おいしく食べてもらうためのこだわりがとても強い農園。
傷つきやすいトマト、当たり前に食べていますが、1つ1つ手づみだなんて気が遠くなる作業です。届いたミニトマトは赤と黄色の鮮やかな2色で、今まで食べてきたなかでトップクラスの甘さ。通常の3倍という糖度も納得ですが、甘いだけではないトマトならではの酸味もまた調和しています。トマトが大好きな母にも送ったのですが、「こんなにおいしいトマトは食べたことがない」と大絶賛。いい親孝行ができました。
嫌いな人にもおすすめ、ひまり農園のピーマン
次に紹介するのは鹿児島県大崎町にある、ひまり農園のピーマン。お子さんの名前からとったという農園名もかわいくていいと思いませんか?
まさか、自分がふるさと納税でピーマンをいただくことになるなんて、想像もしていませんでした。まさかのピーマン。野菜セットでもなく、わが家にとって、ニンジンやタマネギのような常備菜でもないピーマン、うちの子どもはピーマンが苦手なので、普段なら選ぶことのないお品なのですがある日、大崎町から新しく仲間入りした返礼品として飛び込んできたピーマン情報。
そこには日に焼け、仕事人の手をした生産者さんとなんともおいしそうなピーマンが写っており、子どもがピーマン苦手だってことを忘れて思わず申し込んでしまいました。
届いたのは驚くほど色鮮やかでハリがあり、まるでデフォルメしてつくる精密な食品サンプルのよう。包丁を入れるとその肉厚感がなおさらわかります。生で食べるとほどよい苦味、肉炒めや素揚げで加熱すると甘味を感じ、一口食べるごとに「おいしい」がもれてしまいます。
お子さんの名前が由来というひまり農園さん、小さな子でも生で食べられるよう減農薬、肥料にはワカメやサトウキビを使っているそうで、そのこだわりはちゃんと伝わりました。こんなすてきなピーマンがもらえるののに、寄付額はなんと3000円。
「こんなに手頃な寄付額でいいの? 送料と返礼品代だけの額じゃない?」と不安になるほどですが、ひまり農園さんを推しとする立場としてはうれしい寄付額です。お子さんのピーマン嫌いを克服するための食育、ピーマンならではの緑の香りと苦味を楽しみたい大人にも食べてもらいたいピーマンです。
まだ見ぬ素敵な品に出会えるふるさと納税
今回紹介したのはどちらも野菜。生産者さんから直送、採れたてというのもおいしさの理由かもしれません。今はまだダイヤの原石のように隠れた存在ですが、これから全国のステージに堂々と立つ生産者さんになるんじゃないかと思えるポテンシャル。
全国にはこうしてふるさと納税を通して、有名になるきっかけをつかむ生産者さんがたくさんいるのです。それもふるさと納税の良さですね。
小野くみさん
ふるさと納税コンサルタント。自治体や事業者と寄附者との橋渡し役や、返礼品の開発、記事の執筆、イベントの企画、セミナー、講演などを行う。また、ふるさと納税ブロガーとして『くみくみのふるさと納税返礼品の記録』を運営中。
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