しなやかで軽い熊本南関町の竹箸。売り上げを豪雨被害支援に

[くみくみのふるさと納税ダイアリー]

「しなやかで軽い」と、食のプロからも高い評価を得ている熊本南関町の竹箸。しかし、南関町も豪雨災害を受け、大きなダメージを被ってしまいました。製造元のヤマチクは早速災害支援を開始。ふるさと納税ブロガーの小野くみさんが紹介してくれました。

軽くて使いやすい!ヤマチクの竹箸に驚く

自宅で使用しているヤマチクの竹箸

 みなさんにはお気に入りの箸や、その箸を選ぶ基準はありますか?

 私はなにも考えず工芸品の塗り箸を使っていたのですが、「竹のようにしなやかに、竹のように強く」という言葉がぴったりのお箸に出会ってから、少しだけうんちくを言えるようになりました。それが今回ご紹介する熊本県南関町(なんかんまち)、ヤマチクさんの竹箸です。

 ヤマチクさんは1963年創業、「竹の、箸だけ。」という直球なコンセプト通り、国内の竹を切り出してつくる竹箸メーカー。全行程を機械に頼る大量生産ではなく、機械を使いながらも職人が成型や塗装をする製法で、なんとその数年間500万膳以上。有名雑貨店、ハイセンスなセレクトショップで取り扱われているので、知らず知らずのうちに目にしているかもしれません。

イベントで展示された竹箸

 出会いはふるさと納税のお礼にいただいた無垢のサンプル品。一般的なものよりひと回り細身でシャープな箸先、割り箸と変わらぬ軽さに少し戸惑ってしまいましたが、ひと口つまんだ瞬間、その戸惑いは感動の使いやすさに変わりました。「これは箸のせい? それとも私の箸使いがうまくなった?」。それを確かめるためにさまざまなおかずに箸を伸ばしてみたのでした。

 聞くところによると多くの有名シェフ、食のプロ達もヤマチクの盛りつけ箸を愛用しているという話も納得です。無垢の色は私の手の色と馴染みがよく、始めは戸惑った軽さと細さも、ストレスがかからないせいか動かす所作が美しく見えるのでした。感動を教えてくれた竹箸ですが、考えてみれば箸は日本の文化で1日3食の相棒、長い間こだわりがなかったなんて、雑な考えをしていたものです。

熊本豪雨復旧支援の寄付を開始

ヤマチクの三代目山崎彰悟さん

 さて、少し話は変わりますが、いまだ記憶に新しい先日の九州豪雨はヤマチクさんがある南関町をも襲いました。幸い、ヤマチクさんの被害は少なかったそうですが、近くでは床上浸水や土砂崩れの被害があったそうです。

 しかし、ヤマチクさんのすごいところは、すぐに「熊本豪雨復旧支援商品」として売り上げの多くを寄付するという支援を始めたところ。ただでさえコロナ禍、厳しい状況が予想されるなかどうして?

豪雨被害復旧支援品の竹箸

 ヤマチク三代目 山崎彰悟さんに聞いてみると、「地域のためになにかしたかった。重機を使って直接支援することができるわけじゃなし、自分ができるのは箸を媒介とした支援」との力強い答え。ほかにも、竹箸という技術を守るために従業員だけではなく、重い竹を切り出してくれる切り子さんたち協力事業者までもが存在できるよう、その労力にあった適正価格で商品を取引きしたいという話もしてくれました。

竹を運ぶ切り子さん

 山のなか、重機も使わず人力で竹を運ぶ切り子さん、油断したらけがをしてしまいそうな削り仕事をする職人さんたちの様子がわかる写真を見て、適正価格どころか数百円でも申し訳ない気持ちになってしまいました。表舞台の目立つ仕事以外にも、何百万本もの検品など手間のかかる工程だってあるはず、適正価格はもっともなことです。

 営利企業らしく積極的に営業や商品開発をされている一方、「社会貢献」や「地域貢献」という言葉も同居しているように感じるヤマチクさんなだけに、そのよさをたくさんの人に知ってほしい、使ってほしいなぁと思うのでした。

[くみくみのふるさと納税ダイアリー]

小野くみさん
ブロガー。2014年から、ふるさと納税の楽しさに目覚め、返礼品のレビューを中心にブログ「くみくみのふるさと納税返礼品の記録」にアップしている

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