ウニなのに海じゃない!熊本県の伝統保存食「山うに」
「山うに」をご存じでしょうか? 海に生息する棘皮動物のアレのことではなく、熊本県球磨郡五木村に伝わる伝統保存食、「豆腐のみそ漬」のことなんです。
「まるでウニのような食感」ということからこう呼ばれているようですが、今回はそんな不思議な食べ物を試してみたく、熊本「五木屋本舗」さん「山うにキューブ」3種入りをお取り寄せしてみました。
ちなみに福井県鯖江市河和田地区にも「山うに」という食べ物があり、ユズ、福耳唐辛子、鷹の爪、塩でつくった薬味を指す様子。
では、早速熊本の方の山うにのパッケージを開けていくと…。
「山うにとうふ」のオリジナル、ゆず味、しそ味3種が食べやすいサイズで入っています。熊本県は川辺川の清冽な伏流水と、九州産の大豆「ふくゆたか」を使用した堅豆腐を、もろみみそに6か月間漬け込み、発酵熟成させたんだとか。
なかなかうまくできてるなー! と思ったのは、パッケージの内側におすすめレシピや食べ方が掲載されているところ。卵かけご飯やおかゆ、お茶漬けに添えたり、キュウリに添えてもろきゅうにしたり、卵焼きに入れてもおいしいそうです。
パッケージから出してみると、そこそこ柔らかい。豆腐なんだからそりゃそうか。早速いただいてみます。
「山うに」3種を食べ比べ
【オリジナル】
正直な話、最初ひと目見たときは「あれ? 思ったより小さいかな」と思ったのですが(豆腐一丁分のイメージが強かった)、このサイズな理由がわかりました。味が濃い! 「お豆腐にみそ風味」というよりはしっかり中までみそに漬かっているので、チビチビ食べたい塩加減です。そしてほんとにウニのような柔らかさと食感。
【ゆず味】
オリジナルに少し甘みとユズの香りがプラスされてさわやか。なにかを思い出すな、と思ったのですが、沖縄の「豆腐よう」にちょっと似ているかもしれません。あちらは泡盛と麹に漬ける発酵食品ですね。
【しそ味】
見た目にもシソのつぶが見えます。口にいれた瞬間はオリジナルとそれほど変わりませんが、あとからシソ風味がしっかり追いかけてきます。舌触りは3種類ともとてもクリーミー。
夫にも試食してもらったところ「日本酒がほしいな~」と言っていました。トータルでの感想は、やはりおつまみにピッタリのお土産だな! ということ。HPにも掲載されていた「焼きおにぎり」「カナッペ」「ごーや和え」などなどアレンジの幅も広そうです。
山なのにウニの珍味「山うに」、話の種にぜひお試しあれ。
五木屋本舗
「詰合せ 香(かおる)」2560円 (税込)
日持ち ★★★★☆
配りやすさ ★★☆☆☆
チビチビ食べたいおつまみ感 ★★★★★
※紹介した商品は、取材時に販売されていたものです。同じ商品がない場合や、すでに販売終了している可能性もありますので、ご了承ください。
西園フミコ
漫画家。「コミックDAYS」で2018年から全国のおみやげをとりあげる『おみやげどうしよう?』を連載(全4巻)。