博多土産の定番!「博多通りもん」
「博多通りもん」。言わずとしれた明月堂さんの有名な和洋折衷まんじゅうで、その売り上げはギネス世界記録に認定されているほど。そんな不動の福岡土産にもジェネリックが適用されていることをご存じでしょうか。
以前「萩の月」でもご紹介したように、「通りもん」に勝るとも劣らないと話題のコンビニスイーツが存在します。その名もセブンイレブン「しっとりまろやかミルク餡まん」。
今回は明月堂さんの人気商品を集めた「アニバーサリーボックス」をお試ししつつ「ジェネリック通りもん」こと「ミルク餡まん」とリアル「通りもん」の食べ比べレポをお届けしていきたいと思います。
10種類の「明月堂」商品を食べ比べ
さて、早速「アニバーサリーボックス」を開いてみると、10種類22個のお菓子がぎっしり。恥ずかしながら「通りもん」以外は食べたことないのですが、うーん胸踊ります。
ところで私、現在赤ちゃんを育てておりまして。あまり知られていないかもしれませんが、授乳中の人間って異常におなかが減るんですね。(1日700kcal消費するとか。)なのでこれ全部1人で2、3日でペロリでした。おいしかった。アニバーサリーボックスつくった人も、こんな食し方をすると思ってなかっただろうな…。
それでは早速各お菓子の紹介と感想を。
(1) 西中洲貴賓館ろまんす(かすてら巻)
(2) 西中洲貴賓館ろまんす(あずき巻)
どら焼きの皮で包まれたカステラケーキ、入っているのはかのこ豆。カステラケーキなのですが、とおりもんの気配もします。牛乳とベストマッチ。
(3) 博多通りもん
これはジェネリックと食べ比べをしていくので後述。
(4) 博多よかばい
こぶりのどら焼き。これも食べやすくお茶菓子に最適。
(5) 畔摘みもち
小豆あん入りのヨモギもち。ヨモギ風味も濃いめでモッチリしてうまい!
(6) 博多モダンカフェ
アーモンド香るダックワーズ。コーヒーのほろ苦さもあり大人の味。
(7) 博多藪あん
うぐいすあんの純和風饅頭。エンドウ豆のあんでねっとり、甘さはサッパリしてます。
(8) 博多じまん
黒あんのまんじゅう。通りもんの生地につぶあんという感じで、食べやすくオーソドックスな味わい。
(9) 博多玉露まんじゅう
お茶屋さんが特別に配合した玉露茶葉でつくり上げたんだとか。口に入れた瞬間濃厚なお茶の風味がブワッと。シブくてうまい!
(10) 芋っぽ
あっさりスイートポテトという感じ。昔、博多で売られていた、素焼き壷の中に針金でつるした芋を入れて焼いた焼きイモをイメージしてつくられたんだとか。
この「アニバーサリーボックス」内で気に入ったのは以下のとおり。
3位 博多モダンカフェ
2位 畔摘みもち
1位 博多玉露まんじゅう
殿堂入り 博多通りもん
ダックワーズの食感と、ほろ苦さが最高だった「博多モダンカフェ」。小ぶりながらヨモギの風味が抜群の「畔摘みもち」。緑茶の味わいが濃厚な「博多玉露まんじゅう」と、どれもレベルが高く、さすがギネス記録保持者…という気持ちになりました。
ちなみにこの「アニバーサリーボックス」にはA4とB5サイズがあり、箱のふたがフォトフレームになっており、あらかじめ希望する写真を入れて発送してもらえます。つまりギフトとして贈るときに好きな写真をパッケージにできるということで、おもしろい試みですね。
「博多通りもん」と「ジェネリック通りもん」を食べ比べ
さて、それでは「ミルク餡まん」VS「博多通りもん」食べ比べに挑戦! 「ミルク餡まん」のほうは3つ入りで税込278円。
「バター、生クリーム、練乳などの乳製品がたっぷりで…」とあり、白あんにバターや練乳というのが売りの博多通りもんをやはり意識…してるのかなあ。してるよねえ。
パッケージから出してみると、サイズは「ミルク餡まん」のほうがやや厚みがあって大きめ、というか「通りもん」は平べったい形。また、「通りもん」のほうが表面にツヤがありますね。
さて、普通に食べ比べしただけでは芸がないと思い、今回は「博多とおりもん親族格づけチェック大会」も開催。ルールは簡単。パッケージを外した状態で2つとも食べてもらい、本物の「通りもん」を当てるというもの。ちなみに出場者は夫(30代)、母(60代)。
あらかじめ私が食べ比べたところ…この2つはかなり似ているのでは!? 「ミルク餡」のほうがやや中身がなめらかで甘い感じがしましたが、「ミルク餡」を黙って「通りもんだよ」と出されたら気づかずにうまいうまいと食べてしまいそうです。やるなあジェネリック。
さっそく母選手の入場、A=通りもん、B=ミルク餡まんとし、食べ比べてもらいます。
私「さあ本物の通りもんはどっち!?」
母「A」(即答)
正解! 母早かった。「皮のおいしさ、やわらかさ、しっとり感が違う」とのことであまり悩まなかったそうです。一流高齢者。
さて次は夫選手。母選手は甘いもの好きで味にうるさいですが、夫選手はそれほど甘味に執着がないタイプ。さて今…じっくりと両方を味わっています。お茶をはさみ慎重に食べ比べ、熟考。いつになく真剣です。外すのイヤなのかな。
私「さあ『通りもん』はどっち?
夫「A」「本物のほうが生地が固くて、味が濃い」
正解! かなり本物に近いと思われた「ミルク餡まん」でしたが、やはり「通りもん」との間に違いはあったようです。
私「でも『ミルク餡まん』かなり『通りもん』に似てておいしかったよね? 私当てる自信なかったかも」
母「え? おいしいけど全然違うじゃん。これはだれでも分かるよ」
夫「全然違うよ。普通分かるよ」
…つまり私だけが「かなり似てる」と思っていた? 映す価値なしのバカ舌漫画家のレッテルが貼られると、この連載の存在意義が問われてしまうので深く考えるのはやめておきますが、「ミルク餡まん」はかなり優秀であるということは伝わりましたでしょうか。
そしてジェネリックもおいしい本家「通りもん」はやっぱりとてもおいしいということでひとつ、今後ともよろしくお願いします。
明月堂 「アニバーサリーボックス(B5)」2960円
日もち ★★★☆☆
配りやすさ ★★★★★
ジェネリックまでもおいしい ★★★★★
※紹介した商品は、取材時に販売されていたものです。同じ商品がない場合や、すでに販売終了している可能性もありますので、ご了承ください。
西園フミコ
漫画家。「コミックDAYS」で2018年から全国のおみやげをとりあげる『おみやげどうしよう?』を連載(全4巻)。