米粉を使ったグルテンフリーのういろう
名古屋の定番お土産「ういろう」。当コラムでは以前、名古屋と山口のういろうの違いなども取り上げましたが、今回取り上げるのはグルテンフリーのういろう、「基の初(もとのうい)」。
1947年創業の「大須ういろ」さんが、「根幹はそのままに、今あるべきかたちを表現した、米粉の風味を大切にしたグルテンフリーの生ういろ」がこの「基の初」。
そもそも「ういろう」は米粉・小麦粉・ワラビ粉などの穀粉(こくふん)に砂糖と湯水を練り合わせた蒸し菓子のこと。これを米粉オンリー・グルテンフリーにしたというわけですね。たしかに今っぽい。
この「初」自体にも「折々の初」「暦の初」「創(さう)の初」「こどもの初」とシリーズが存在するのですが、今回はそのなかでも伝統的な五色のういろに、きなこを加えたというおそらくもっともオーソドックスな「基の初」をお取り寄せ。
「大須ういろ」の「基の初」6種を食べ比べ
味は白、桜、抹茶、黒、ないろ、きなこの6種で、たしかにういろうでよく見るラインナップ。通販では冷凍で届くので常温で1~2時間解凍したら食べ頃です。
上品なパッケージ、見た目は普通のういろうとそれほど変わりはありませんが、果たして。「白」から順にいただいてみます。
・白:厳選した米粉でお米の風味を追求しているそう。あれ…なんか知ってるういろうと食感が違う!? というのが第一印象。もっちりはしてるんだけどずっと歯切れがいいです。食感も甘さもかなりひかえめで大人っぽい。おいしい。
・桜:ひかえめな甘さに桜の葉の香りとほんの少しの塩味。これまた上品で、和菓子を食べてるなあという実感があります。
・抹茶:お茶の味がする…!? 伝わりにくいかもしれませんが、「抹茶味のお菓子」というよりお茶そのものの風味といいますか。ほろ苦さもありおいしいです。
・黒:沖縄県産の焚黒糖使用。これもコクのある甘さがいいですね。
・ないろ:ないろ(内郎)とは生地に小豆のこしあんを練り込んで蒸し上げたもので、大須ういろさんが登録商標を取得しているそうです。ベーシックな小豆味ですが、ひとつひとつ食感も味も全然違うのがすごいなあと。
・きなこ:きなこ棒かじってんのか!? というくらいきなこ味が濃く、香ばしいです。
そんなわけで6種食べた感想としては、「白」や「抹茶」がとくに好みでしたでしょうか。従来のういろうと味・食感ともにかなり違い新しさを感じました。少しずつお茶うけとして楽しむつもりだったのにおいしくて一気食いしてる始末。
お土産・手土産としては「定番の銘菓」でもあり目新しさもあり、甘さもひかえめかつ上品なので活躍してくれそうです。食生活に意識の高いあなたも、単に甘いもの好きなあなたもぜひ。
大須ういろ 基の初 1188円
日もち ★★☆☆☆
配りやすさ ★★★☆☆
定番かつ新鮮 ★★★★★
※紹介した商品は、取材時に販売されていたものです。同じ商品がない場合や価格変更、すでに販売終了している可能性もありますので、ご了承ください。
西園フミコ
漫画家。「コミックDAYS」で2018年から全国のおみやげをとりあげる『おみやげどうしよう?』を連載(全4巻)。コミックエッセイ『ゴミ屋敷住人の祖父母を介護した話』が好評発売中!