北海道豊富町の温泉宿「川島旅館」が手がけるフレーバーバター
今回取り上げるのは「とよとみフレーバーバター」。北海道豊富町の温泉宿「川島旅館」が手がける10種のフレーバーを練り込んだバターです。
酪農の盛んな北海道でバターというのは分かるけど、旅館がバターを…? ということでさっそくお取り寄せ。
フレーバーバター10種類を食べ比べ
色とりどりのバターのフレーバーは以下の10種類。
・いちご
・ハスカップ
・はちみつ
・ブルーベリー
・さくらんぼ
・鮭ぶし
・山わさび
・みそ
・利尻昆布
・バジル
フレーバーバター自体が初めてなうえに、まるでお菓子か宝石箱のような美しい見た目に期待が高まります。
川島旅館さんはアットホームな温泉旅館でありながら、豊富町の生乳からバター、プリン、ジェラートといったオリジナル商品にも力を入れている様子。子牛を飼い、宿の隣の工房でつくり、と「宿」という枠を飛び越えて、豊富の魅力を発信しているものの1つがこのフレーバーバターだというわけです。
早速いただいていきましょう。パンとバター大好きわが家の3歳&5歳男児も参加しつつ、フレーバーバター・パーティーです。
<いちごバター>
フレーバーバターが熱でとけると、バターとジャムを塗ったような形と味わいになるわけで…おいしいです! これは確かにイチゴバター。バターの脂とイチゴミルクの風味がなんとも。イチゴ大好き3歳児も「おいしい!」とご機嫌。5歳児も「なんかうまい!」とニコニコでした。
<ハスカップバター>
ハスカップといえば「よいとまけ」の回で取り上げましたが、北海道を中心に生息するスイカズラ科の植物の実。痛むのが早いため道外ではあまり見かけませんが、この甘酸っぱいフレーバーバターの、パンによく合うこと。1カケでもりもりいけます。
<はちみつバター>
はちみつとバター、これは絶対においしいでしょ! と思ったら最高においしいやつです。はちみつとバターのあまじょっぱさが優勝。これだけ単品で大量にほしい、冷蔵庫にストックしておきたい味です。
<ブルーベリー>
ブルーベリー好きの5歳児が無言で、夢中で食べていました。同じベリー系のハスカップとも明確に違う味。甘さが強く、酸味ひかえめな印象。
<さくらんぼ>
さくらんぼとバターの組み合わせなんてなかなかお目にかかれませんが、自然な、ほのかな甘さがおいしいです。
<鮭ぶしバター>
カツオ節の鮭バージョン、鮭ぶし。北海道土産でもときどき見かけますね。最初に鮭の風味が来て、あとから脂と塩っけが追いかけてくる感じです。70代の母にも味見を勧めたところ、味がはっきりしててこれがいちばん好きだと申しておりました。
<山わさびバター>
確かにわさびの香りがします! パンでもおいしかったですが、より和風のなにかと組み合わせるといいかもしれません。ご飯とか、いくらとか、おしょうゆとか。
<みそバター>
これも鉄板の組み合わせですね。みそが入っている分よりしょっぱく、相性抜群でおいしい。ラーメンとかに乗せたら悪魔的だろうなあと思える味。
<利尻昆布バター>
うま味がすごい…! これも和風料理向けですね。川島旅館さんのHPではおすすめのレシピや食べ方が掲載されていて、たとえば利尻昆布バターなら焼きおにぎり。ほかにも肉・魚料理や蒸し野菜のソースなどが紹介されていました。どれもおいしそう。
<バジルバター>
バジル風味とバターの塩気、これさえあれば一気に華やかな洋風の味わいが実現できそう。
というわけで10種お試ししましたが、初めてのフレーバーバター、かなりよかったですね。今回はパン一点突破だったため、ほかの食材とも試してみたくなりました。
豊富温泉は大正15(1926)年、石油の試掘の際に高圧の天然ガスとともにわいた温泉から開かれた温泉。現在はリニューアルされ、3代目当主と女将で切り盛りしています。温泉、酪農といったその地の魅力を「泊まってもらう」というだけではなく、積極的に商品開発しアピールしていく、攻めの姿勢。
女将が環境デザインや街づくりを学んできたこと、当主が料亭で修行をつみ、もともとのスイーツ好きを生かし豊富温泉のお土産として「湯あがり温泉プリン」を定着させたことなどがHPで語られていましたが、なるほどこの地の歴史に専門知識をもった経営手腕が合わさったのが今のかたちなのだなという納得感がありました。
お土産としては温度管理に気を使いますが、とくに料理をする人にとってはもらってうれしいギフトなのでは。お試しあれ。
川島旅館 「とよとみフレーバーバター10g×10種アソートセット」 2484円
日もち ★★★☆☆
配りやすさ ★★☆☆☆
彩りと味わいの豊かさ ★★★★★
※紹介した商品は、取材時に販売されていたものです。同じ商品がない場合や価格変更、すでに販売終了している可能性もありますので、ご了承ください。
西園フミコ
漫画家。「コミックDAYS」で2018年から全国のおみやげをとりあげる『おみやげどうしよう?』を連載(全4巻)。コミックエッセイ『ゴミ屋敷住人の祖父母を介護した話』が好評発売中!