熊本産山村で「水の飲み比べイベント」開催。ランチとおやつもおいしい

―[東京のクリエーターが熊本の山奥で始めた農業暮らし(48)]―

東京生まれ横浜&東京育ち、田舎に縁のなかった女性が、フレンチシェフの夫とともに、熊本と大分の県境の村で農業者に。雑貨クリエーター・折居多恵さんが、山奥の小さな村の限界集落から忙しくも楽しい移住生活をお伝えします。今回は、水の飲み比べイベントをレポート。

名水がわく産山村では毎日おいしい水が飲める

水源
産山村の水源(写真/大野里美)

 こんこんと名水がわく水源が2つあり、さらには集落ごとにオリジナルのわき水があったりする産山村(うぶやまむら)。そんな産山村に移住し7年目の初夏を迎えています。

 いつかしてみたいなー! と思っていた「各水源の水飲み比べ」。今回は産山村食育推進協議会、通称「食育の会」で実現しましたー!

 以前住んでいた熊本市内も地下水をくみ上げて水道に使用しており、水がおいしいといわれています。しかし産山村に移住してから日々飲む水がさらにおいしく、お茶よりなにより水をゴクゴク飲む毎日。

産山村の棚田
産山村の棚田風景

 池山水源に行けばそこで水を汲み味わい。
 山吹水源に行けばそこで水を汲み味わい。
 自宅ではこの集落独自の水源の水を味わい。

 どれもおいしいが「はて? そもそも水ってどのくらい味が違うのだろうか? 飲み比べしたい!」と、あるときから思い始めました。

水の飲み比べ&おにぎりランチつきイベントを開催

チラシ
募集のチラシは地域おこし協力隊のIさんが作成

 そんななか、コロナ禍も落ち着いた今日この頃、常に考えていたことを実証する時が来ました! 久しぶりに食育の会でイベントを実施することになったのです(私は食育の会のヘッポコ会長でもあります)。

 イベントのテーマは「3種の水源の水飲み比べ+食べられる野草解説つきの山吹水源散策」。お昼ご飯は、産山村の有機認証米と産山村の高菜漬けのおにぎり! しかも散策後のおやつに、ヒゴタイキャンプ村内の『カフェうぶやま時間』にて自家焙煎コーヒーと『asoうぶやまキュッフェ』の特製シフォンケーキが食べられる!!!という内容。

 当日は天気が心配だったものの、なんとか雨ではなく。参加者は18名(産山村の平日イベントにしては多い!)。食育の会のメンバーはもちろん、メンバー以外の村の方、新規移住の方、移住希望でたまたま滞在中の方など、多様なメンバーが楽しく参加してくれました。

 コロナ禍では集まれずなかなか自己紹介の場がなかったので、新規移住の方は名前と顔が一致しないことも多く、村になじみにくい環境でありましたがやっとやっとリアルな集まりに。

 やっぱり顔を見ながら自己紹介をして、その後、数時間一緒に過ごすと顔も名前も数倍も覚えやすいしなじみやすいし、ひととなりが伝わりやすい。

 会話しながら、ちゃんと愛情込められた食べ物を美しい自然のなかで食べる。こんなぜいたくな食事があるでしょうか(ここだけの話、1人3個目安のおにぎりを4個も食べちゃいました)。

 散策後にいただいた丁寧にドリップされたコーヒーとふわふわシフォンケーキも最高!

阿蘇の風景
ある晴れた日、阿蘇の風景を眺めるasoうぶやまキュッフェのふたり(写真/yummo)

 その後、会が終わるのを待っていたかのように、雨が降り出してきました。

 個人的にやってみたかった「水の飲み比べ」。結果はそれぞれ味わいが違う! そのなかでもいちばんまろやかで甘味があったのは…asoうぶやまキュッフェがある我が集落のわき水でした!!

 久しぶりの集まりに皆さん、喜び、味わい、語り、学び、しみじみとわが産山村のよさを再確認できたようです。私自身も水のおいしさをあらためて感じるとともに、産山村はやっぱりすてきなところだなぁと実感したイベントでした。

―[東京のクリエーターが熊本の山奥で始めた農業暮らし]―

折居多恵さん
雑貨クリエーター。大手オモチャメーカーのデザイナーを経て、東京・代官山にて週末だけ開くセレクトショップ開業。夫(フレンチシェフ)のレストラン起業を機に熊本市へ移住し、2016年秋に熊本県産山村の限界集落へ移り住み、農業と週末レストランasoうぶやまキュッフェを営んでいる。