広島県安芸高田(あきたかた)市の山あいの集落で、両親とおばあちゃん、山で保護した犬「てん」と暮らす水戸家のmizutomidoriさん。お父さんの実家である今の家に移住して6年目、愛犬てんと家族のにぎやかな暮らしのレポートをお送りします。今回は、おばあちゃんの季節の豆仕事と、ニワトリのふわふわの冬毛などについて。
朝晩冷え込む時季は豆を天日干しに
里山の秋は、山の木々が色とりどりに紅葉してとてもきれいです。安芸高田市の水戸家が住む地域では、10月に入った途端に朝晩が一気に冷え込むようになりました。愛犬てんも布団の中に潜り込んできてぬくぬくと眠ります。こうなると今年もまきストーブの出番。父は起きてすぐにニワトリたちにご飯をあげて、てんの散歩に行くのですが、これにストーブに火をつける仕事も加わって朝早くから忙しそうです。
一方おばあちゃんは豆仕事に精をだしています。小豆、白インゲン、大豆と、もう少ししたら黒豆も。収穫した豆をムシロに広げて天日で干して、箕(み)を使ってサヤを飛ばして、そのあとは虫食いの豆を選り分けて、とやることがたくさん。家のまわりは15時頃から少しずつ日陰になってしまうので、朝日が当たり始めると急いでムシロを外に出します。
そのあとも日差しに合わせて移動させたり、雨が降りそうなら慌てて取り込んだりと、気にかけておかなければいけません。それでもお日さまの力は偉大で、広げて干しているだけでどんどん乾燥して、サヤの弾けるパチパチという音が聞こえてきます。豆以外にもサツマイモやキノコなどなんでも干すので、おばあちゃんは毎日、テレビの前で天気予報をチェックしてはりきっています。
キンモクセイの枝を土台に「ススキフクロウ」づくり
この時季は、カツラの木やキンモクセイの花の香りも風にのって漂ってきます。カツラの葉っぱは、紅葉して落ち葉になる頃にキャラメルのような、べっこうあめのようななんとも甘い香りがして、近くを通るたびに幸せな気持ちになります。キンモクセイの香りも大好きで今年も花をたくさん集めてジャムをつくりました。
それからススキフクロウも、毎年つくるのが恒例になっています。今回はニワトリたちの抜けた羽を使って、ちょっとリアルなふくろう(ミミズク?)ができ上がりました。
イチョウは色づき、ニワトリは冬毛に
ニワトリは羽が生えかわってきて、最初はげ気味だった雌鶏たちもすっかりふわふわになりました。冬にかけて休産の時季なのか、今はたまにしか卵を産まなくなりましたが、みんな元気にしています。雄鶏のガルスくんはなんと、抱っこができるように! ひなから育てていないので諦めていたのですが、気を許してくれたのか寒くなって動きが鈍くなってきたのか…抱きあげて顔のあたりをなでてやると目を閉じて気持ちよさそうにしています。
10月も終わり頃になると、水戸家のイチョウの葉も上から順に少しずつ黄色く色づいてきました。朝晩は肌寒くても昼間はぽかぽかと暖かく、過ごしやすい日々です。本格的に寒くなってしまう前に、まだもう少しこの季節を楽しみたいと思います。
【mizutomidori】
広島県安芸高田市の祖父母の家へ移住して6年目。家族とおばあちゃん、犬のてんとの田舎暮らしの日常をInstagramで発信中。