田舎暮らしを体験してほしい。週末移住の庭でキャンプ場をDIY

[週末古民家暮らし始めました!]

 IT系企業でバリバリ働く夫婦が、ひょんなことから2拠点生活を始めました。都会と農村の2拠点とはいえ、同じ千葉県内、クルマで1時間半の近距離。田舎の家は古民家のシェアハウスです。仕事と子育てで慌ただしい日々を送る松宮恵さんが、週末田舎暮らしの魅力をつづります。

2拠点生活をして友人との時間が増えた!

友達と会える
田舎暮らしをした方が友達と会えるなんて嬉しい誤算

 松宮です。前回は、私たちが週末を過ごしている築80年の古民家が、どのようにリノベーションされたかをご紹介しました。今回は、私たちが始めている新たな計画について書きたいと思います。

「2拠点生活を始めてなにがよかったか」というと、いくつもあります。自然のなかでリフレッシュできる、畑仕事やたき火ができる、おいしくて新鮮な食材が手に入る、子どもたちの虫好きが加速するなどなど。

 なかでもいちばん意外だったのが、「友人と週末に会う機会が増えた」ことでした。週末田舎暮らしをしている話をすると、「行ってみたい!」と言ってくれる友人が本当に多い。そして本当に遊びに来てくれる。子育てが始まってからなかなか会えなかった友人や、普段はゆっくり話す機会の少ない会社の同僚が、うれしいことに東京都心から約2時間のわが家に遊びに来てくれるようになりました。みんな、里山に飢えているのね…! 

 遊びに来てくれた友人たちとは、地元のスーパーで買って来た食材でバーベキューをしたり、たき火をしたりと、デイキャンプ的な過ごし方をしています。今、キャンプブームらしいですが、そのブームが小さくわが家にもやって来たようでした。

 そんな週末を過ごすうち、だんだんと「ここを都会の人が里山の愉しさを体験してもらえる場所にしたいなあ」と思うようになりました。自分たちがこの場所でリフレッシュしたり、楽しんだりしていることを、里山で過ごしたい人にシェアしたい。はてさて、それにはどんな方法があるだろう?

あ、「小さなプライベートキャンプ場」をつくったらいいのでは!? 1組限定の。そうしたら友人、知人も遊びに来やすいし、泊まって行ってもらえる。さらに、自分たちが運営できる範囲で、キャンプ場として一般公開するのも楽しいのではなかろうか! そんなことを思い描くようになりました。

 私たちが借りている古民家シェアハウスの敷地は1700坪あり、住居になっている古民家のほかには、元農地だった空き地や果樹園、小さな裏山もあります。これはキャンプ場にできる余白あり。全然あり!

 そこで、古民家シェアハウスに関わるメンバーに相談し、敷地内にキャンプ場つくりを始めることにしました。リノベーションプロジェクトの再始動です!

プライベートキャンプ場をつくろう! まずはウッドデッキから

ウッドデッキ(準備)
4メートルの杉板です!

 さて、小さなプライベートキャンプ場つくり、なにから始めようか。調理や手洗いに必要な水場や、トイレもほしい。でも、まずは「ウッドデッキ」からつくることにしました。地面に直接テントを立てることもできるけど、快適さを求めるならやっぱりウッドデッキを張りたいところ。地元の材木屋さんで4メートルの杉板など資材を購入し、シェアハウスに関わるメンバーと2日間かけてウッドデッキづくりをしました。

塗装
“塗装”がポイント!

 ウッドデッキづくりの工程はざっくり言うと、木材を準備して塗装し、基礎をつくって、床板を張る。忘れちゃいけないのが、組み上げる前に木材の全面に塗装を施すこと。この処理をすることで、耐久性も上がり、防カビなどの効果もあるんだとか…。娘も意味はよくわからないながら、塗装ヌリヌリが楽しくてお手伝いをしてくれました。

 そして、ウッドデッキにする杉板を1枚1枚張っていき…少しずつ形になっていくことの達成感は、たまらないものがあります。

ウッドデッキ(途中)
徐々に形ができてくる過程にワクワク

 こうしてウッドデッキは完成! 試しにテントを張って、中で過ごしてみました。ソヨソヨとさわやかな風がそよいで来て、耳に聞こえるのは遠く鳥の声と川のせせらぎだけ。頭上の柿の木が日差しから守ってくれます。試しにキャンプ慣れしている兄と甥っ子に宿泊してもらいましたが、どうやら夜も快適だったようです。

ウッドデッキ(完成)
完成!試しに実際テントを張ってみます

 次はキャンプ場に必要なトイレや水場づくりをしよう、と思っている間に冬になってしまったので、プライベートキャンプ場づくりは一旦小休止。ウッドデッキは子どもたちが歌ったり踊ったり、落ち葉遊びをする絶好の遊び場となっています。ここでヨガをしたり、フラダンスを踊っても気持ちいいかも、なんて用途に妄想が拡がります。

ウッドデッキ(子ども)
完成したウッドデッキ、この冬は子どもの遊び場です

 さて、次はトイレづくりを始動させようかな。都会のマンション暮らしではなかなか味わえないダイナミックなDIY。田舎暮らしの楽しみがまた1つ増えました。

[週末古民家暮らし始めました!]

松宮恵さん
30代のワーキングマザー。エンジニアの夫、3歳、1歳の子どもと千葉県浦安市で暮らす。近所で家庭菜園を探しているうちに、ひょうんなことから県内のいすみ市の古民家をシェアすることに。2019年4月から2拠点暮らしを開始