「地元のガイドブック、読んだことある?」住んでいる地域の魅力を知れば毎日がもっと楽しくなる

[ふるさと旅を10倍楽しくする!/石田宜久]

観光ホスピタリティコンサルタントとして国内外のあらゆる地に足を運んできた石田宜久さん。そんな観光のプロが綴る「ふるさと旅を10倍楽しくする」方法とは? 第2回では、旅行に欠かせないガイドブックの意外な使い方を紹介します。

書店
書店に並ぶ全国各地の観光ガイドブック。旅行には欠かせないものですが、“読むべきガイドブック”は意外な地域のもののようで……?

住んでいる地域のガイドブックを読み比べてみる

「日本人よりも外国人のほうが日本のことを知っているのでは?」なんてことを、情報番組のコメンテーターが言っているのを見たことがあります。実際に日本中の地域を巡る仕事をしていると、地元の人が自分たちの住む土地のことをあまり知らないと感じる場面がよくあります。

「かくいう私も、地元である東京のことをちゃんと知っているのだろうか……」

 そんなことを感じ、取り組み始めたことがあります。それは東京在住でありながら、東京のことが書かれているガイドブックを手に取ってみることです。

 近年、情報収集といえばネットがその役割の大半を担っている時代です。実際に、新しいお店や場所に行く際、ネットで情報を得る人のほうが多いのではないでしょうか? もちろんそれを否定はしませんし、私もネットを大いに活用しています。それでも、ときには自分が住んでいる地域のガイドブックを手にしてみることをオススメします。出版社の方針や編集者の好みによって内容は千差万別。なかには、かなりコアなテーマに絞ったガイドブックも書店に並んでいます。「気になっていた情報が掲載されている」、あるいは「知らなかった情報が載っている」一冊を選ぶなど、選び方に決まりはありません。吟味してみると、同じエリアを特集したガイドブックでも内容がガラリと違って面白いですし、普段生活するエリアであっても知らなかった情報が必ず載っているはずです。

ネットだけでは情報が偏りがち

 このように、自分が住んでいる地域を“再発見”するためにガイドブックを読むことをオススメする理由はふたつあります。

 ひとつは、食わず嫌いせずにあらゆる情報を手にすることができる点です。地元にいるとどうしてもお気に入りのお店や、行きつけの店に通ってしまいがちですよね。ネットで情報収集する際も自分の好みに沿った検索ばかりをして、その周辺の面白い場所やお店を見逃してしまいがちです。それでは非常にもったいない。その地域をいろんな角度から満遍なく知るには、ガイドブックが一番なんです。それは旅先であろうと地元であろうと同じで、興味がないと思っていた場所も「思っていたよりも面白いじゃん!」と新たな扉が開かれるチャンスになるかもしれません。

 もうひとつは、“第3者目線”の正確な情報を得られること。ネットには無数の情報が溢れていますが、その情報の正確性は誰もチェックしていない場合が少なくありません。もしかしたら古い情報かもしれませんし、操作された情報かもしれません。その点、ガイドブックはネットよりも確かなものを得ることができます。定期的に何人もの編集者が出版社の名を背負ってリニューアルしているので、最新情報の正確性には保証があります。