「地元のガイドブック、読んだことある?」住んでいる地域の魅力を知れば毎日がもっと楽しくなる

ガイド本
旅行ガイドブック作りに定評があるアメリカのフォダーズ(Fodor’s)による東京のガイドブック

海外で売られている東京のガイドブックを読むのも面白い

 上記の写真に写るのは、世界ナンバー1のシェアを誇る「ロンリープラネット」に次ぐシェアを持つ「フォダーズ」のガイドブックです。外国で出版されているガイドブックは日本のものとは大きく違い、写真が少なく活字がメインです。写真の多い日本のガイドブックのような華やかさはなく、地図も簡易的なものになっているため、日本人にとっては使いづらいかもしれません。ただし、そのぶん得られる情報が多く、その質は確かです。日本でも購入は可能で、筆者の周りにもあえて日本のガイドブックを持たずに、洋書のガイドブックを持って旅行に出かける人もいます。

 訪日外国人が日本人よりも多くの知識を持って日本に訪れる理由は、このガイドブックの情報量にもあると思っています。「日本人があまり知らないのに、外国人がこぞって訪れる観光スポット」があるのも、その多くはこうしたガイドブックの存在が理由として挙げられます。それだけの情報量が載っているのならば、我々も使わない手はありません。

 ただし、洋書ですのですべてが英語で書かれています。英語の勉強にもなるのでオススメですが、無理をする必要はありません。日本の出版社が発行しているガイドブックも大変充実していて、近年では各社の特徴が色濃くなってきているので、同じ地域の本でもいくつかの本を見比べてみると、相当量の情報を得ることができます。

 日本で出版されているガイドブックの特徴は、なんと言っても感覚的に情報が入ってくるよう作り込まれたレイアウトです。地図の作りもわかりやすく、なかには自分でメモを書き込む欄がついているなど、カスタマイズも自由自在。また、すでに自分が知っている場所でも切り口が異なったり、画角の全く違う写真が掲載されていて、新鮮さを感じることもあります。

 自分の住んでいる地域を改めて見直して、その魅力を再発見をするために必要なのは「第三者目線での情報」です。それを簡単に知ることができるツールがガイドブックなんです。こうやって情報を集めてみると、慣れ親しんだ地元だからこそ見えていない名所が見つかるかもしれません。あるいは「いつか行こう……」とは思うもののなかなか行けていない場所へ行くいいきっかけになるかもしれません。まだまだ眠っている地元の魅力を発見しに出かけてみませんか?

<撮影/カラふる編集部>

[ふるさと旅を10倍楽しくする!/石田宜久]

観光ホスピタリティコンサルタント 石田宜久さん
DiTHi(ディシィ)代表。世界最大規模の専門家ネットワーク・外資系リサーチ会社「ガーソン・レーマン・グループ」のカウンシル・メンバーを務める。これまでにセミナーや講演会、観光系専門学校の講師、島根県経営力強化アドバイザーなども経験。趣味は登山、ラグビー、スポーツ玉入れ
https://www.dithi.net/