東京駅から新幹線で約2時間半と好アクセスの金沢。日本海に面した金沢の冬の魅力は、最盛期を迎えるズワイガニ。そこで今回は、金沢市民の台所、近江町市場をメインに楽しむグルメの旅をご案内。冬季ならではの味覚や景観を堪能できる「金沢冬の旅キャンペーン」とともにご紹介します。
石川県産ブランド、加能ガニと香箱ガニは必食
冬が最もおいしい季節と言われる金沢。旬の味を楽しむなら、金沢駅から徒歩で15分ほどの「近江町市場」へ。開場300年の歴史を持つ市民の台所は、通称「おみちょ」。約170もの店舗がひしめき、新鮮な日本海の幸や地物野菜、精肉やお菓子などが並びます。お店の人との対面でのふれあいも、市場散策の楽しみのひとつ。
なかでもこの時季のいちばん人気が、石川県産ブランドのズワイガニ。石川県沿岸は、すぐに海が深くなるズワイガニの生息に適した場所が点在し、獲れたてのカニをすぐに水揚げできるので鮮度も味も抜群。大きいのがオスの「加能ガニ」、小振りのほうがメスの「香箱(こうばこ)ガニ」と呼ばれています。
とくに香箱ガニは、身が甘く、お腹にカニの卵のプチプチした 外子と絶品だと名高い内子がびっしり詰まっていて、トロリとした食感と濃厚な味わいがだいご味です。今季の漁期終了が、加能ガニは3月20日まで、香箱ガニが12月末頃までとされているため要注意。
朝ご飯にも!市場内には金沢グルメが大集結
海鮮丼や寿司、金沢おでんなど、近江町市場内には舌の肥えた地元民も通う飲食店がずらり。ちょっとずつつまむなら、フードコート「いっぷく横丁」へ。市場の食材で作る金沢おでんの「いっぷくや」、新鮮な刺身と寿司、浜焼きを提供する「七福丸」、北陸3県の地酒約50種類を揃えた「北陸の酒蔵 六角」の3店舗から、好きなメニューを注文し、その場で堪能できます。車麩、バイ貝、えび面など金沢ならではの具材を、昆布のうま味あふれる出汁で煮込んだ金沢名物のおでんを頬張れば、身も心もあったかに。営業は8時30分~18時30分。水曜(祝日除く)定休。
ランチは、旬のカニを心ゆくまで味わう
市場内で旬のカニをコース料理でゆっくり味わうなら、近江町いちば館2階にある「旬彩和食 口福」へ。刺身から、しゃぶしゃぶ、揚げ物、雑炊まで、カニ三昧のコースが人気です。また、市民に愛される老舗「近江町食堂」の海鮮丼や、年内まで味える香箱丼(要予約)もおすすめ。
「冬到来前に雷が鳴ることを『ぶり起こし』と言い、この頃より金沢では魚介類が一番の旬を迎えます。『金沢のAKB』と呼ばれる、甘エビ、カニ、ブリは必食です」と、金沢市金沢営業戦略室の川崎 徹さん。1日ぐるりと巡りながら「おみちょグルメ」を満喫して。
市場名物のご当地スイーツでひと休み
お土産を購入するなら、市場内にある「カナカン・ジョイ」へ! 食の総合問屋が運営するこちらでは、石川県をはじめ北陸3県の地元食品が充実。有名メーカーとのコラボ商品など、ユニークなアイテムにも出会えます。ショッピングの後は、併設するイートインスペースで「金箔ソフト」を堪能。伝統の金沢金箔をふんだんに使ったぜいたくなソフトクリームに癒されます。営業時間は、8時から16時で、日曜定休。
金沢の冬の味覚を満喫するツアーは必見
金沢の奥深い魅力をたっぷり体験できる「体感!金沢の旅」は、金沢市観光協会がおすすめする現地ツアーです。なかでもイチオシが、金沢の食文化に精通した地元の料理研究家・谷口直子さんが案内する「近江町市場ツアー&調理体験」。こちらは、市場巡りをした後、元染物店を改修した築95年の特定金澤町家で食体験を。加賀レンコン料理づくりを学んだり、ブリやカニといった新鮮な魚介類を盛り込んだしゃぶしゃぶ鍋が堪能できます。
開催日は、2022年1/15(土)、29(土)、2/12(土)、26(土)。参加費は、ガイド料、食事代、調理体験代を含めて1人、9850円(税込み)。金沢観光協会のホームページで詳しく説明されています。
さらに金沢観光を楽しむなら、2021年10月からスタートした、バスを活用するWebアプリ「のりまっし金沢」もおすすめ。観光に便利な路線バスの金沢市内1日フリー乗車券(大人600円)をWEBで購入でき、スマートフォン提示で乗降が可能に。対象の観光施設の入場料割引の特典も付いています。
■金沢市観光協会
TEL: 076-232-5555
■とっておき!冬の金沢へ ~金沢冬の旅キャンペーン~
取材協力/金沢市金沢営業戦略室・観光政策課、金沢市観光協会
<取材・文>寺川尚美