仕事と休暇を兼ねたワーケーション。地域の特性をいかしたさまざまなプランに注目が高まっています。今回ご紹介するのは、熊本県北東部の「阿蘇ワーケーション」。雄大な自然とリラックスできる環境が整ったワーケーションの魅力をご案内します。
悠久の歴史と壮大な景色を巡る旅へ
阿蘇五岳を中心とする世界最大級のカルデラ(火山の中にある大きなくぼ地)や広大な草原を有する阿蘇市。雄大な阿蘇の自然景観をはじめ、伸びやかに広がる田園風景、阿蘇神社などの歴史遺産、内牧(うちまき)温泉など、心身ともにリセットできるスポットが点在しています。
「自然、アクティビティ、良好なテレワーク環境、温泉と食の4要素を複合的に活用した『阿蘇ワーケーション』。『働き、学び、遊び、癒やし』をキーワードに、新しい旅のスタイルを提案しています。個人はもちろん、グループやご家族の旅行にもおすすめです。慌ただしい日常を離れて、大自然に包まれた『阿蘇ワーケーション』を体感しませんか?」(阿蘇温泉観光旅館協同組合・松永辰博さん)
大自然を満喫できる「阿蘇ワーケーション」。アクティビティが充実したプランのなかから、おすすめのスポットを紹介します。
阿蘇五岳を望むコワーキングスペース
ワーキングスペースとしておすすめしたいのが、阿蘇大観峰の麓に位置する「阿蘇草原保全活動センター」。五岳を望む見晴らし抜群な環境で、多数の宿泊施設やアクティビティスポットへ好アクセスなロケーションが魅力です。
阿蘇の草原保全活動の拠点として展示コーナーや多目的会議室を備えた施設内には、開放的なウッドデッキと窓から阿蘇五岳が望める室内のワークスペースを完備。Wi-Fiなども含め無料で利用が可能です。
壮大なスケールを体感できるアクティビティ
活火山や広大な平野、大草原など、大自然を誇る阿蘇で、仕事の合間にぜひチャレンジしたいのが迫力満点のアクティビティ。なかでも朝日に包まれた雄大な阿蘇の景色を堪能する早朝の「熱気球体験」は注目です。上空40mから望む阿蘇の風景は格別で、ふわっと宙に浮く感覚はやみつきになりそう。
大自然の感動と爽快感を体験するなら、ガイドと一緒に阿蘇の草原を電動アシストつきマウンテンバイクで走るサイクルツアー「大草原ライド&ピクニック」がおすすめ。昼食は快適なテントのなかでグランピングなど、冒険心をくすぐる体験ができます。
ほかに、大観峰周辺外輪山の牧野で草原の地平線沈む夕陽や、外輪山から上がる満月を名眺めながら、ゆっくり馬と過ごす「サンセット・フルムーンホースライディング」など。阿蘇の大自然でしか味わえないアクティビティが充実しています。
絶景露天風呂がある温泉宿で極上の時間を
プライベートな空間でのんびり過ごすなら、眺望抜群の温泉が自慢のホテルへ。
敷地内に2か所の源泉を湧出しているのが内牧温泉にある「阿蘇プラザホテル」。阿蘇五岳を一望できる展望露天風呂や、日本庭園に囲まれた庭園露天風呂つき大浴場など、趣のことなるお風呂を完備。「万病の湯」とも呼ばれる天然温泉に浸かれば、身も心も癒されそう。
源泉100%かけ流しの温泉が堪能できるのが、老舗の「阿蘇ホテル」。阿蘇五岳の大パノラマが広がる絶景の露天風呂つき大浴場が評判です。客室は和室・洋室・和洋室があり、贅沢な時間が過ごせる露天風呂付和洋室も。温泉と阿蘇の景色を存分に楽しめます。
“楼門”の再建が進む阿蘇神社も必見!
阿蘇に訪れたらぜひ立ち寄りたいのが、2500余年の歴史を持つ総本社・阿蘇神社。楼門は「日本3大楼門」のひとつとして知られています。
「阿蘇神社では、熊本地震で国重文の6棟が損壊してしまいましたが、神殿など5棟は2019年3月までに復旧。本年(2023年)3月に倒壊した国指定重要文化財・楼門の本体修復工事がほぼ完了し、工事現場を覆っていた『素屋根』が今夏までに徐々に解体され、今後は周辺整備などを経て12月に全工事を終える予定となっています。7年の時を経て、再建した新しい楼門とともに復旧した阿蘇神社へお越しください」(松永さん)
阿蘇神社の参道は、桜の名所としても有名。例年3月下旬に見頃を迎え、参拝客の目を楽しませてくれます。
阿蘇のご当地グルメ、あか牛丼に舌づつみ
高菜飯やだご汁など、味わい深い郷土料理がある阿蘇。なかでいちおしグルメが、赤身が多く、適度な脂肪分を含む特産のあか牛です。市内では、あか牛を使った牛丼やカツレツ、カレーなどさまざまな料理が味わえます。
なかでも、開店と同時に行列ができる名店が、100年以上親しまれる「いまきん食堂」。しっかりとした赤身のもも肉を、特製のタレとまろやかな温泉卵に絡めて味わう「あか牛丼」は絶品。内牧温泉街にあるのでぜひチェックしてみてください。
■「阿蘇ワーケーション」公式サイト
取材協力/阿蘇温泉観光旅館協同組合
<取材・文>寺川尚美