金沢をはじめ、石川県全域で開催される「いしかわ百万石文化祭2023」。チームラボによる金沢城での光のアート展やスマホで巡るARアート体験など、注目の企画やイベント満載。国内最大級の文化の祭典をご紹介します。
文化絢爛な祭が44日間にわたって開催
「『いしかわ百万石文化祭2023』は、石川県で31年ぶり2回目の開催となる国民文化祭と、初開催となる全国障害者芸術・文化祭の統一名称です。2023年10月14日から11月26日までの44日間、『文化絢爛(ぶんかけんらん)』をキャッチフレーズに、石川県の全19市町でこの期間限定の151もの文化の事業が開催されます。県内を周遊して楽しむ企画や石川独自の伝統芸能の鑑賞の機会のほか、チームラボやARアートなどの最先端のデジタルアート、そしてグルメ体験や音楽、美術まで、子どもからお年寄り、障害のある方もない方もどなたでも楽しめる文化のイベント満載です」(いしかわ百万石文化祭推進室 県事業推進班・杉本拓哉さん)
開会の2週間前の9月30日からは、アート集団チームラボによる「チームラボ 金沢城 光の祭」もスタート。金沢城のシンボル「五十間長屋」の石垣を花々でつくられた動物たちが歩く作品や、金沢にゆかりのある歴史上の武将らが登場する作品など、変化する光のアートを体感する夜の展覧会が楽しめます。日付指定のチケットは、事前に購入しておこう。
石川県内の100か所以上にアートスポットが出現
文化祭期間中は、「まるっと石川アートめぐり」と題し、県内100か所以上のアートスポットを楽しむことができます。県内のアートと感じるスポットを一般から募集し、選定した「わたしが見つけた100のアート」もそのひとつ。自然がつくり出したアートや街中のオブジェ、おもしろい写真が撮れるスポットなど見どころ多数。秋のドライブシーズンにアート目線で石川を巡ってみても。ステキな賞品が当たるデジタルスタンプラリーも要チェックです。
スマホを使って「ARアート」も楽しもう
「今、世界的に注目を集めているデジタルアートの1つ『AR(拡張現実)アート』を石川県内の金沢駅鼓門や見附島、和倉温泉などの名所や観光地に展示し、スマホを片手に周遊・鑑賞していただく企画です。テーマは『幻想旅行』。県内在住の浮世絵師・アマヤギ堂をはじめ、国際的に活躍する日本人ARアーティスト・kenxxxoooやドイツ出身のOmega、不気味でありながら独特のかわいさのあるARを制作するMitsuko Onoのほか、県内学生たちがARアートを制作します。この機会にぜひ、県内の名所巡りとともに最先端のデジタルアートを体験してみてください!」(杉本さん)
石川の地酒と美食を堪能する「サケマルシェ2023」
石川県内28の酒蔵と飲食店37店舗が会し、日本酒と一品料理を楽しむことができる「サケマルシェ2023」も期待大。10月7日と8日の2日間、「石川県政記念しいのき迎賓館」で開催。屋外で地酒と美食が満喫できるイベントです。
県内の飲食店と蔵元が1日限定で、夢のコラボレーションディナーを提供する「サケマルシェウィーク」も17日間18会場で開催。一皿ごとに日本酒をペアリングして、地酒と美食のマリアージュに酔いしれて。
そのほか、地域の食文化や醗酵食などのテーマに沿って、能登や加賀地域の酒蔵をめぐる「サケマルシェ酒蔵ツアー」もお見逃しなく。
加賀百万石が育んだ伝統文化も触れる
石川県は、加賀百万石が育んだ能楽や邦楽、伝統工芸、茶道といった伝統文化、祭りや食などの地域固有の文化、さらに、クラシック音楽や現代アートなどの新たな文化が加わって、多様で多彩な文化が盛んな地。今回のキャッチフレーズ「文化絢爛」には、大会を機にそれぞれの文化がよりみがかれ、未来に輝かせたいという思いが込められているそう。
期間中は、「手話狂言」や「KOGEIフェスタ!」「つばた落語まつり」「音楽堂3days」など、さまざまな文化イベントが目白押し。ぜひホームページで確認を。
また、石川旅への予定を立てる際にぜひチェックしておきたいのが、「文化の森おでかけパス」。「特別名勝 兼六園」や「金沢21世紀美術館」、「金沢城公園」など金沢中心部16の文化施設等を1000円で2日間利用できるお得な共通券です。特典提供店舗でパスを提示すると、飲食・体験等の割引やサービスも。オンライン等で購入できます。
取材協力/石川県県民文化スポーツ部 いしかわ百万石文化祭推進室
<取材・文>寺川尚美