老若男女に愛される北海道の「マルセイ」シリーズ
仙台「萩の月」、博多「通りもん」とコンビニで買える銘菓ジェネリックVS本家の食べ比べ記事をお届けしてまいりましたが、今回のテーマは北海道を代表する名お土産・マルセイバターサンド。六花亭のつめ合わせ「ザ・マルセイ」とセブンイレブン「発酵バター仕立てのレーズンサンド」を用意しまして、食べ比べをレポートしていきたいと思います。
まず六花亭「ザ・マルセイ」はバターサンド、バターケーキ、キャラメル、ビスケットの4種つめ合わせ商品。十勝開拓の祖・依田勉三率いる晩成社が、明治30年代に「マルセイバタ」と称したバターをつくり始めたことが商品名の由来に。北海道開拓の歴史が息づく「マルセイ」の名を冠しているのが六花亭のバターサンドであり、このつめ合わせなわけなんですね。
「マルセイビスケット」は素朴でありつつも、しっかりおいしいビスケット。息子(3歳)にも好評。
次に「バターケーキ」、チョコクリームが挟まったふわふわケーキです。しっとりバター風味の生地にビターなカカオ風味がよく合います。
そして「キャラメル」。こちらは「なめ溶かす」というよりかんでいただく感じ、ザクザク食感と濃厚な甘さがおいしいです。
ジェネリック版「レーズンサンド」と食べ比べ
さて食べ比べに移って参りましょう! こちらはセブンイレブン「発酵バター仕立てのレーズンサンド」3個入り。冬季の商品らしく年中手に入るわけではない様子。
「レーズンサンド」と「マルセイバターサンド」を並べてみますと、サイズ・形状はかなり異なることが分かります。今回も親族間格づけチェック大会を開催するつもりだったのが、「これ見た目で分かっちゃうね?」と察した瞬間です。
ビスケット部分やレーズンバター部分の色合いもかなり違いがありますね。「レーズンサンド」は黄色っぽく、「マルセイバターサンド」は白っぽいクリームです。
対策として夫(30代)と母(60代)には目を閉じてお口あーんしてもらい食べ比べをお願いすることに。夫は「めんどくせえな」と言っていました。率直な感想ありがとう! 黙って食え!
そして結果ですが…、六花亭大好き&食べ慣れている母(60代)はどちらがマルセイバターサンドか即答。夫(30代)は「どっちがどっちとかはよく分かんないけど、どっちもおいしい」という結末となりました。
もう少し詳しく違いを書いていきますと、ビスケット部分については「レーズンサンド」は比較的固く、「マルセイバターサンド」はやややわらかい。
もっとも違いが大きいクリーム部分については「レーズンサンド」のほうがラムの香りやレーズンの風味が強く、「マルセイバターサンド」のクリームは口の中の熱でとろける感じがあり、全体的な甘みもより強い、という特徴がありました。
身もふたもないことを書いてしまえば、今回の2つは完全に別物で、ジェネリック感は薄いです。
いや、うーん。「萩の月」と「通りもん」の際はですね、「これは寄せて来てるな」という印象がコンビニ商品に感じられたのですが、今回の「発酵バター仕立てのレーズンサンド」は普通においしいレーズンサンドですね。そして寄せてる感じもしない。完全に好みの問題で、「どっちもおいしい」「というかこのクオリティがコンビニで食べられるのうれしい」と感じました。
最初はジェネリックとして開発されるうちに独自にもっとおいしいバターサンドが追求されたのかもしれませんし、そもそもわれわれ消費者が勝手に「ジェネリック」とか呼んで比べることも失礼なのかもしれない…。さんざん食べ比べして記事書いておいてそんなことも感じました。
「ザ・マルセイ」は15個入りでこの価格はうれしいですし、ばらまきもしやすく、ハイクオリティ&使いやすい、さすがのお土産。本家の銘菓もコンビニスイーツもどっちもおいしい、そんな食べ比べなのでした。ちゃんちゃん。
※紹介した商品は、取材時に販売されていたものです。同じ商品がない場合や、すでに販売終了している可能性もありますので、ご了承ください。
六花亭「ザ・マルセイ15個入」1560円
日もち ★★★★☆
配りやすさ ★★★★☆
みんな違ってみんないい ★★★★★
西園フミコ
漫画家。「コミックDAYS」で2018年から全国のおみやげをとりあげる『おみやげどうしよう?』を連載(全4巻)。