やわらかい「菊池水田ゴボウ」田んぼでまっすぐ育ちます

ゴボウは食物繊維が豊富で栄養価が高く、子どもにも食べてもらいたい食材。熊本県には、繊維がやわらかく香り高い、おいしいゴボウがあります。地元でキッズ食育トレーナーとして活動する松野文枝さんに紹介してもらいました。

畑ではなく水田で育てる、菊池水田ゴボウ

菊地水田ゴボウ

「菊池水田ゴボウ」は、農林水産省認定登録産品にも選ばれている、熊本県北東部に位置する菊池市発祥のゴボウです。一般的なゴボウと比べると細くて白く、食感はやわらかくて、香り高いのが特徴。その最大の理由は「栽培方法」にあります。

 一般的なゴボウは畑で栽培されますが、水田ゴボウは稲刈りしたあとの、水分をたっぷりと含んだ土壌の田んぼで栽培されるのです。

ゴボウ畑の様子

 田んぼに流れる水の源は、阿蘇外輪山の標高500m~800mの間に位置する、名水百選にも選ばれた菊池渓谷。清らかな水分を含んだ栄養あるやわらかい田んぼを深く掘り返した中で育てるので、ノンストレスで曲がりの少ない、おいしいゴボウが生産されるのです。

市内を流れる菊地川

米とゴボウを交互に育て土壌が育つ理想的な方法に

 熊本では5月~6月に田植えがあり、10月下旬に稲刈りをします。その稲刈りを終えた田んぼにゴボウの種をまき、3月から6月の田植え前に、最収穫期を迎えます。

曲がりの少ないゴボウ

 菊池地域ではもともと、畑でゴボウを栽培していましたが、連作障害などの問題を抱え、水田裏作で栽培を行ったところ、おいしいゴボウがつくれたので、昭和40年頃から現在まで50年以上、裏作として水田ゴボウづくりが続いています。

ゴボウを収穫する様子

 夏の間に米を育てるために田んぼに水を張ることで土壌がきれいになり、ゴボウの病気や害虫を駆除できます。また米を収穫後、稲藁を田んぼに有機肥料として返し、ゴボウを育てる土壌に栄養を与え、冬の間ゴボウを育てます。

 ゴボウが成長し、収穫後はゴボウの葉っぱや茎を有機肥料として土に返し、米を育てる土壌に栄養を与え、春から米を育てます。このようなサイクルで元気な土を育て、米、ゴボウ共においしく育つ、理想的な連鎖が行われています。

収穫後洗ってアク抜きするので手軽に調理できる

収穫後のあく抜きの様子

 収穫後は清らかな水で洗い、水にひたしてアク抜きをしているので、購入後は皮ごとすぐに調理することができます。料理の際、ひと手間省ける優れものです。

 菊池水田ゴボウを使ったシンプルでおいしいレシピをご紹介します。ぜひ、子どものおやつに、副菜に、つくってみてください。

揚げゴボウ

パリパリ揚げごぼう

【材料】
水田ゴボウ 2本
しょうゆ 小さじ1
小麦粉 大さじ1
片栗粉 大さじ1
揚げ油 適量

【つくり方】
1.ゴボウは食べやすい大きさに斜め切りし、ポリ袋に入れてしょうゆをまぶす。
2.小麦粉と片栗粉をまぶし、170℃の油で揚げる。

パッケージには「菊地の水田ゴボウ」と表記

 自然と水が豊富な熊本県は、菊池水田ゴボウのほかにも、おいしい特産品がたくさんあり、毎日の食卓を豊かにしてくれています。

 私は食育の先生として、これらの当たり前に食べている食材は生産者さんが愛情と手間ひまかけて育てているということを子どもたちに伝え、恵まれた食環境が10年後、20年後の未来へと続いていくように、感謝の気持ちを育んでいきたいと思っています。

 菊池水田ゴボウのおいしさを、ぜひ味わってみてください。

<写真・文/松野文枝>
ごぼう水田写真出展/JA菊池
取材協力・菊池水田ごぼう生産者 山口喜範様

[地元の食文化から食育を考える]

松野文枝さん
熊本市在住。1男1女の母。日本キッズ食育協会マスタートレーナー、青空キッチン熊本校主宰。東京から熊本に引っ越してきて9年目。おいしい食材が豊富な熊本生活を楽しんでいます。「食べることを大事にすることは生きることを大事にすること!」小さな頃から食育を学ぶことは、生きる力を培う事という思いを軸に子どもたちに食育を教えています。
(社)日本キッズ食育協会