富山県「ホットドラバター」で至福のひととき
日本の伝統和菓子、どら焼き。今までにも京都の「細長いどら焼」や北海道の「白どら」、兵庫の「進化系どら焼き」や島根の「噂の生どら」など、さまざまなバリエーションをご紹介してきましたが、今回取り上げるのは「ホットドラバター」。
あんの中にバターの塊が入っており、レンジでチンして食べるホット専用どら焼きという、そりゃ禁じ手だろという感じの蠱惑的どら焼きです。
ホットドラバター5種類を食べ比べ
早速「ホットドラバター 5個詰め合せセット」をお取り寄せ。
内容は以下のとおり。
・ホットドラバター オリジナル
・ホットドラバター アーモンドチョコ
・ホットドラバター クリームチーズ
・ホットドラバター 五郎島金時
・ホットドラバター カレー
こちらは富山県で創業150年以上の歴史をもつ、老舗和菓子店・中尾清月堂さんの商品で、「私の家では、寒いときはレンジで少しチンして子どもと食べています」というママさんスタッフのなに気ないひと言から誕生した商品なんだとか。北陸の冬は冷えるからな…。
ということで、早速「オリジナル」から。見た目はなんの変哲もないどら焼きですが、カットすると結構な分量のバターが鎮座ましましています。(撮影の都合上カットしてから温めていますが、本来は袋ごとチンするのが正しいです)。
自分で料理するときでもちょっと躊躇するくらいガッツリバターが入っている。これをレンジで30秒チンすると…
見事にバターがとろけて、ほっかほかホットドラバターのできあがり。バターがたれるのでやけど注意という注意書きのとおり、生地にバターがじゅわ~っとしみて、むしろしたたり落ちていて、これはもう間違いなく…いやぁ~~~おいしいです。
まるでバターたっぷりホットケーキのような、しょっぱい×甘い、脂分×糖分の悪魔合体ががっちり組み合わさっていて降参。生地のパサつきまでも解消されてしっとり食感。おいしそうだなと思ってたらやっぱりおいしいパターンですね。
お次は「クリームチーズ」。こちらは「ジャパンフードセレクション」金賞を受賞(2023年11月)。オリジナルにあった甘味×塩気にクリームチーズの酸味が加わることでさらなる奥行きが生まれ、少しマドレーヌのような風味も。これまたすごくおいしいです。これを食べるとノーマルどら焼きに戻れなくなる危険があります。
「アーモンドチョコ」。見た目から凶悪においしそうですが、意外にもビターで甘すぎず、アーモンドが香ばしい。カリカリと食感にも変化があって楽しいです。バター感はやや薄いものの、食べごたえは十分。
「カレー」。スパイシーで濃厚なカレーは「一晩寝かした欧風カレー」といった感じで、あと味がわりとピリッと来ます。おいしいけど…これ…どら焼きか!? と思っていたらカレーパングランプリ2021バラエティ部門金賞を受賞とのこと。なるほど「変わりカレーパン」でもあるのか。
「五郎島金時」。五郎島金時とは、石川県金沢市の五郎島・粟ヶ崎地区や内灘砂丘で生産されている加賀伝統野菜のひとつ。北陸のご当地サツマイモなんですね。唯一の白あんベースであり、ねっとりと甘いです。
というわけで5種食べ比べしてみましたが、個人的には「クリームチーズ」と「アーモンドチョコ」がとくに気に入りました。罪の味。
あふれ出すバターで口の周りと手をテッカテカにしながら食べるホカホカのどら焼きは、ちょっとほかに類を見ない商品でしたね。2種のバターを使用したり、種類によって量を調節してあったり、あんに寒天を使用してチンしたときにとろけるようにしてあったりと、アイディアを最大限に生かす努力もなされているそうです。
公式オンラインショップやイベント出店のほか、富山県に数店舗ある中尾清月堂さんのお店で買えるよう。個包装で配りやすく、とくに甘い物好きには喜ばれるお土産・手土産になることうけあいです。
中尾清月堂 ホットドラバター専用サイト
ホットドラバター 5個詰め合せセット 1728円
日もち ★★★☆☆
配りやすさ ★★★☆☆
しょっぱい×甘い、脂分×糖分の悪魔的どら焼き ★★★★★
※紹介した商品は、取材時に販売されていたものです。同じ商品がない場合や価格変更、すでに販売終了している可能性もありますので、ご了承ください。
西園フミコ
漫画家。「コミックDAYS」で2018年から全国のおみやげをとりあげる『おみやげどうしよう?』を連載(全4巻)。コミックエッセイ『ゴミ屋敷住人の祖父母を介護した話』が好評発売中!